明かされた系図
「――君だけの皇子様だよ、シオン」
私は深く深く息を呑んで、重々しく口を開いた――。
「良識を持ち合わせておりませんの? 時と場合を考えて下さるかしら」
「あれ。思ってた反応と違うな……」
「失礼、言い間違えましたわ。――常識を持ち合わせておりませんの? この場をどこだとお考えなのかしら!」
「つれないなあ」
「当たり前ですわ!」
私をなんだと思ってるんだ……。
確かに的確に私のツボを抑えていて大変よろしい眺めではあった。
――が、しかし!
だからといって、周囲の状況そっちのけの頭空っぽで「ぽけ~っ」となるような肝の太さは生憎と持ち合わせていない。
そういうのは本物の天然ヒロインが自然と持っている「なんだかよく分からないけど、この子ならこのくらいは許されるよね」という雰囲気と、持ち前の鈍感さで周囲を背景と認識し、そのまま「周囲を一気にモブ化させる」という妙技の発揮が前提にあるのだ。
残念ながら私はモブ派閥に所属する零細モブなので、上司の前でいきなりラブロマンスを展開するような度胸は無い。
今も「こんな真面目な話の時にふざけるなんて……」などと怒られやしないか、小心者な胃がキリキリキリキリキリキリと収縮しているほどだ。
社会人はトキメキよりも先にゴマスリが重要なのである。
「君の為にいっぱい練習したんだ。――どう? 惚れ直した?」
……こんなに怒っているのに、丸ッとスルーして私の手を頬擦りしながら「くぅん……」と甘える犬みたいに上目遣いで感想を聞かれるとは。垂れた犬耳の幻が見えて可愛――んんんっ、全く反省してないね!
まあ勿論、いまもさっきも眺めが大変素晴らしく眼福よろしいのは事実ですけれども。でもそれとこれとは違うっていうか……!
……き、キラキラとお花の幻を背景で飛ばしてもダメだからね!
「……こほん。イベリス皇子。そろそろ話の続きをしても良いかな」
「も、申し訳ございません!」
私の手に未だにスリスリスリスリ頬擦りしている夫の顔をぺしっと手の甲で容赦なく払いのけ、慌ててルドベキア王子へと私が謝罪する。連帯責任連帯責任……。
いくら夫が大国の皇子だと分かったとはいえ、礼儀を弁えないのはまた別の話だ。夫婦同類だなんて思われてしまっては、私の今度に関わるのでキッチリと違うことを証明しなければ……。
――ゴマスリおべっか媚びへつらい、挽回謝罪リカバリー万歳!
「――お互いに自己紹介が済んだところで、本題を続けようか」
気を取り直すようにして言葉を続けたルドベキア王子へと、平身低頭になりながら謝意を示す。
うちの夫がすみません……。
「先に説明した通り、内々に私が王冠を引き継ぐことになった。公表しないことで、全ての引き継ぎが終わるまでに充分な時間が確保出来たが――しかし、だからといって引き継ぎが終わるまで継承を内密にし続けることはやはり得策ではない。そこで戴冠の儀を執り行いたいのだが……」
「――広間が占拠されていると勅書には書かれておりましたが」
「その通り! ……出来れば、まずはその問題に至急取り組んでほしい」
王宮で開かれた舞踏会の会場となった広間は、それはもう広い。広いので勿論、他の用途でも使われる。つまり戴冠式とか。
……原作のルドベキアはそういえば天才設定だったっけ?
この食いつき……引き継ぎなんてとうの昔に終わってたんだろうな、きっと……。
で、後は堂々と戴冠式を行って政治的な立場を確実にしたいけど、肝心の広間が使えなくて足踏み中、と。
「実は民たちの景気回復も見込んで、私たちの婚姻式も兼ねる予定なのよ。……だからあまり解決を急がれると、準備が追い付かなくなってしまうから程々で問題ないわよ」
「カトレア……」
あー、うん。なるほど。はい。りょーかいデス。
……いつの間にこんな良い仲になっていたのか。全然気付かなかった。
この前の舞踏会で見掛けた時にフラグっぽい場面を目撃して以来だから、まあまあ時間経ってるけど。
それにしても主人公不在なのに上手くいってるようで良かった……。
「ではあまり詳細は書かれておりませんでしたが、――差し支えなければ、問題の現状をお伺いしてもよろしいでしょうか」
箇条書きみたいに問題事項が羅列されてただけだからね!
あまり詳細を書いていたら勅書としてはダサい、という貴族の風潮のせいでもあるかもしれない。
……まあ、読んでると眩暈がするから何度も読んでなくて詳細を知らない、というのもあるかもしれない。
「そのことなのだけれど……あなたの夫から詳しい話を聞いたほうが良いのではないかしら」
この王宮広間占拠問題について他国の皇子から詳しい話?
嫌な予感しかしない……。
「バリー……いえ、アリウム皇子からですか?」
「イベリスでもバリーでもどちらでもいいよ、シオン」
「皇子が関係していらっしゃるのですか?」
「つれないなあ」
その言葉はさっき聞きました。いい加減にしろ。
もう反応しないからね!
「広間を占拠している主犯は他国の賊ということでしょうか?」
「いや……賊ではなく皇女だ」
「――皇女?」
夫が帝国の皇子で、しかも今回の件に関係していると知ったばかりなので、おのずとどこの皇女様か答えが導き出される。
……一応、確認しておこう。
「……皇女とはまさか、こちらにいらしておりましたヴィオラ・アイヴィ・セレーネ=アイオーン殿下のことでいらっしゃいますか?」
「その通りだ」
やっぱり――でも何故、帝国の皇女が広間の占拠を? 目的は?
というより、何故うちの国はそれをずっと放置してるの?
「何を目的で……? 何か難しいことを要請でもされているのですか?」
「……いや、何も。少々食事量が多いくらいかな」
ど・ゆ・こ・と……?
占拠するということは何かしらの理由があってしかるべきだ。
ハイジャック犯やテロ犯は何かしらの目的をもって占拠とかするわけでして……それが食事量をちょっと多くあげてるだけって、意味が解らなすぎる。
そんなに我が国の料理が気に入ったとか……? いやアホか。それこそ普通に皇女権力の行使でどうとでもなる問題でしょうが。他国の城の一部を占拠なんて意味の無いことをする必要が全く無い。
「何故、それを長くお許しに……?」
思わず胡乱気に玉座に座るルドベキアたちを見上げて告げた私に、二人が苦笑するようにしてお互いに見つめ合って頷きあった。
……プレイしてた時も思ったけど、仲良くなると急に熟年夫婦みたいになる感じ、最高です。
「……他国の皇女を勝手に討伐するわけにはいかないからね」
「? はい」
こんなどこもかしこも大変な時に、一体何を悠長なことを言ってるのだろうか……まあ、他国の皇族を身柄拘束ではなく討伐するとなると確かに難しい判断かもしれないけど。
それにしたって王宮の主要な建物の占拠が長引けば長引くほど、王権に大きく影響が出てくる。既に戴冠式が行えないという影響が出ているくらいなのだから、他にも影響がもっと出ているだろうに。
……あれ? でも食事はあげてるって……どういう状況なの、それ?
まさかまだ平和的に話し合いで解決をしたいってこと……?
それとも単に、武力行使にはまだ早いって判断なの?
「勅書に書いた通り――王宮に留まる龍討伐について解決策が欲しい」
「はい?!」
りゅ……は!? 龍!?
何故ここで龍……いや、まさか。
「……お食事量が多いそうなので、よほど丸々と太っているのでは?」
「いや……そちらの垂れ幕ほどに細かったと思う」
「なるほど……存じ上げない龍でございます」
「存じ上げない龍……?」
なんだ、存じ上げない龍太だった。
良かった……いや、何も良くないけど!
だれ!? どこの龍なの!?
まさか前に兄が言ってた、人と話せる龍が――。
「こほん……それでひとまず、討伐ではなくとも皇女を移動させる許可を皇子から頂けないかと相談していたんだけど……」
「妻に全て任せます」
「と、言われてしまってね」
「……何故、皇子の許可が必要なのでしょうか」
ちょっと移動して下さいって皇女本人に頼めば済む問題では?
それともそんなにも移動したくない、とでもごねられているというのだろうか……それならいっそ、力づくで移動させれば無問題では?
「それは……龍と化しても皇女は皇女。その玉体に触れるには必ず許可が必要であると、デルカンダシア嬢ならば理解して頂けるかな」
「龍と化しても皇女は皇女……龍と化しても皇女は皇女……?」
エ……。
「…………」
皇女が、龍。龍が、皇女。龍は、皇女。皇女は、龍――。
「お、皇女様が龍と化したのでございますか!?」
「ああ。例の舞踏会の日、広間で急に」
「そ……」
そんなファンタジーな!?
「驚くのも無理はない。あの日、広間に戻ってすぐの出来事に私とカトレアも心底驚いたからね。詳しいことをこちらも知らないというのに、事情を聞こうと夏の虫のように群がってくる貴族たちを落ち着かせて収拾させるのには大分苦労したよ」
「それは誠にそうございましょうけれども……」
むしろよく間髪入れずに対応して収拾をつけられたな、と褒めるべきだ。
私なら速攻で誰かに任せて雲隠れする。母とか兄とかアザレアとか。
「その時、イベリス皇子にも助けてもらってね。おかげで貴族たちの記憶に、あの日の出来事は何事もなく終わったこととして比較的容易に刻められた」
「…………」
……おそらく、シネラリア王族にだけ伝わる特殊な魔法とかだろう。
この国の貴族の噂でしか聞いたことは無かったけど、やっぱりそういう代々伝わる怖い魔法とかあったんだ……。
「そのようなことが……では、皇女様は現在も広間に?」
「ああ。本人が食事以外で全く動かなくてね。一応、本人を目の前にして直接問いかけてみたりはしたんだけど……喋って話が出来ない状態だからか、あんな状態と化しても私たちの言葉がしっかり理解出来ているのかさえも、皇女の反応が鈍くて判断がつかないんだ。だからこれ以上、どうしようも出来なくて困っていたところに解決能力を持った、デルカンダシア嬢のように博識な魔女が来てくれて実に助かるよ」
いや、魔女だからって龍の生態に詳しいわけではないですけど?
たしかに龍太というペットはおりますが……これは拾い物で……。
というか相手の変身前が皇女だったとして、龍は龍。龍太でさえ、兄がぼかすか叩いて調教しないと力加減が解っていなかったというのに……。
王位継承者第一位という立場でよくそんな危険生物の前に率先して出られたな……下手したらそのままパクリと食べられるかぺしゃりと押しつぶされる策略とかだったかもしれなかったのに。
「皇女とはいえ龍。よく、臆せず御身がお近付きになられましたね……」
「ああ、それはデルカンダシア嬢の父君――レオン卿のおかげだね」
「父が何か……?」
……そういえばいつだって母命! な父の姿がデルカンダシア領のどこにも見当たらなかったような気がする。
てっきり、魔女達と一緒にどこぞへと討伐に出向いてるだけかと思ってたけど……王宮で何をしてるんだろう?
「知らないのかい? 君の両親のことは、かなり有名な話だったと思うけど……」
「……どのお話についてでございましょうか」
私の疑問の表情に気付いたルドベキア王子がそうおっしゃったが、まるでピンと来なかった。
母が有名であることはともかく……父が? どの話だろう?
「まあ! これほど心動かされるお話だというのに……これは身内だからこそ、そのような話について気に留めることが無かったのかもしれませんわね、ルディ様」
「そのようだね、愛するレア」
る、ルディ様!? 愛するレア!?
急にフランクになったな……なんで?
「このような話を両親から聞いことがないかい? ――かつて帝国一の守聖騎士が居たが、敵である魔女に闘いの果てに心を奪われ、力の全てを捧げて堕落してしまったという逸話を」
話の流れからして、その守聖騎士とやらが父で魔女が母のことだろう。
が、私が幼い時に聞いたのはこんな変に脚色されたような馴れ初めではなくて――。
「――実際には闘いなんて起きてなくて、魔女に会ってすぐに一目惚れした守聖騎士が、自ら攫ってくれと頼み込んで連れ去られたというのが真実だ、と前陛下から聞いているけどね」
「……私も母からはそのように経緯を聞いてございます」
その守聖騎士云々とやらについては全く知らなかったが、母からは「攫って結婚してくれって言われたから攫って結婚しただけよ」と端的に聞いている。
その突拍子な誘拐のせいで、結婚にこぎつけるまでに大分親族関係で色んなごたごたがあって大変だったって話が続いて、さらには「だから一度は返品しようとしたのだけど、その時に泣きつかれて可愛いと思ってしまって」と魔女らしい感性の惚気話が続くのも追加しておく。
……それにしてもそっか。父が帝国の騎士だったとは、初耳だ。
「ですがまさか、父が帝国の騎士だったとは――」
「ん? 騎士ではなく、守聖騎士だよ。あまり公には出てこないけど、帝国皇族に近しい血筋のみが就ける特殊な役職だね。……そこまでは聞いてなかったみたいだ」
「はい……家族のことですのに、全くもって面目ございません」
ちょっと、お母様! もしかして省かれてた肝心な部分ってここ!?
毎回毎回語ってる途中で何かに感化された父が乱入して、そのまま私の視界からフェードアウトして有耶無耶になっていたのも原因だろうけど!
それにしても肝心な部分全部を端折りすぎ……!
「ダリア様の恋愛譚は世の女性貴族の憧れでございますのよ、シオン」
「まあ……どうしてでございましょう」
ほんとにどうしてだ。攫って結婚って憧れるもんなの……?
「自らの愛は自らで勝ち取らねば愛ではないと、そのような教訓が含まれておりますでしょう? これは別に愛でなくとも、他のことでも応用が効くお話ですわ。欲しいのならば勝ち取らねばと」
いや。何となくノリで攫ってノリで結婚しちゃっただけですけど……。
教訓なんて何も含まれてませんけど……と反論するのはやめておこう。
せっかくいい話風に広まってるんだし、このままずっと素敵な勘違いのままにしておこう。うん。
「そのように広まっておりますのね。教えて頂き感謝いたします……それにしても。話を戻しますと、両親の恋愛譚が……我が父がどのように関係しているのでしょうか。たとえ親族とはいえ、話が出来ないということには変わりございませんでしょう? 何のお役にも立っていないと思われますが……」
「そうだね。普通の騎士ならそうだよ」
「父がその、守聖騎士とやらであることに関係が?」
話を聞く限り、それしかないだろうけど。
「守聖騎士とは――龍珠を守る専任騎士のことなんだけど」
「…………」
……もしかして七つある、とかいう話じゃないよね?
「帝国に存在する龍珠を君の母が単独で奪いに行った時、君の両親が出会ったと聞いた」
単独で奪いに行ったって……いや、それよりも。
「……その龍珠は世界に七つ散らばっていたりは致しませんでしょうか」
そして全部集めて呪文を唱えると、何でも願いを叶えてくれるという龍が出て来てしまう眉唾の代物だったりとか……!
「七つ? ……うーん。そこまで詳しい話は聞いたことないね。七つもあるの?」
「いえ……冗談でございます。そのような文献を過去に読んだような気が致しましたが……勘違いでございました。突然の戯言を失礼致しました」
この反応……違いそう。
集めてこい、っていう話にならなくて良かった……て、安心していいものなのか? 珠を集めて龍にお願いしたほうが簡単なような……。
むしろそっちのほうが皇女をどうにかする手立てを考えるよりも手っ取り早くて難易度が低かったかもしれない……?
「龍珠の取り扱いは難しいそうでね。一歩間違えれば、すぐに暴走して辺り一帯を吹き飛ばしてしまうそうだ」
「暴走して一帯を吹き飛ばす……」
いまいち想像出来ない。核爆弾と同じような扱いだろうか。
「君の父はそれを単独で抑えられると認められて、守聖騎士の任に異例だがずっと独りでついていたようだ」
「父が……?」
前世で例えると核の管理を交代も何も無く、たった一人に任せて責任を負わせていたってことになるけど……何それ怖すぎ。
異例って付け加えられてるから、もしかしたら父があまりに優秀だったからということかもしれないが。それにしても、だ。
ファンタジーだからそれが実際に可能だったとして、それが本当に許されてもいいものか……それとも事故が起きた時の為に貴重な人材の犠牲を最小限に、という意図でもあるのだろうか。
なんだかモヤモヤする……すでに過去とはいえ、自分の父親がブラック企業みたいなところに勤めてた、みたいな話を聞いたからだろうか。
そうなると母の誘拐はちょうどいいタイミングだったのかもしれない。
私が父と同じ立場だったとして……恐怖しながら独り寂しく真面目に核爆弾を管理しているところに、ある日突如としてその爆弾をわざわざ貰ってくれるという親切な強盗が訪れたとしよう。うん、救いの神。
とっても強くて美人でタイミングが女神で……うん。
ブラック労働で疲れ切って限界で、でも根が真面目なせいで自分では逃げられなくなってて……だから最後の悲鳴代わりに誘拐をお願いしてみたらまさかの快諾、てなったら……うん、私でも本気で惚れるかもしれない。
父の感情や状態は全て想像上なので実際は違ったかもしれないが。
「レオン卿によれば、龍珠の元は龍。つまり――」
「! 皇女を父の力で落ち着かせられる、ということでございますか」
「そう、その通り。おかげで今に至るまで皇女は大人しく過ごしていて、何の進展も無いけど大きな問題にまではまだなってないんだ」
「そうでございましたか……」
なるほど……それなら母があんな状態なのに父をデルカンダシア領で見かけなかった理由がこれで分かろうというもの。
父のそのような力を最初から知っていた母ならば、あのように寝込む前に父へ皇女関連でそのようにしろ、とでも言い置いておくことは可能だ。
そして惚れた弱みからか、父は母に何を命令されたり言われたりしても常に従順で、逆らわない……私のことでひと悶着はあったけれども。
それとこれとは別の話なのでノーカンである。
「皇女の状況がこのままずっと膠着状態でも、国としては何も問題ないけど……出来れば他国も関係することだから早めの解決を試みたい――というわけで。これ以上の詳しい話を私たちも知らない。後は君の夫から詳細を聞いて、問題の解決に取り組んでほしい」
「……事前に、夫から何もお聞きにはなられませんで?」
「僕が君と話せる機会にこれ以上を話すのは嫌だ、って言ったからね」
「…………」
嫌だってそんな……好き嫌いを言う幼児でもあるまいに。はあ……。
情報を聞き出す為には下手に出てないといけないルドベキア王子たちの立場を理解しての小さな我儘だ。
実際、このくらいであれば充分に許容範囲だからこそ王子たちも夫に何も言わずにとりあえず内密に私の招集を急いだ、ということになるのだろう。
他の問題の早期解決についても理由に含まれてるのかもしれないが。
「――事情は理解致しました。それでは早速でございますが……まずはこれより、皇女様の御状態の確認よりさせて頂きとうございます。そのご許可を頂けますでしょうか」
「もちろん。なるべく早く解決出来るよう、何かあればこちらこそ教えてほしいくらいだよ」
「ええ、かしこまりました殿下――いえ、陛下」




