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嘘の罪

作者: 魅滝ノウ

最初は、童話を書こうとしたのですが、どうしても嘘という行為を訴えたかったので、こちらを書きました。

あかりは、おばあちゃんの手で育てられた、とても素直な女の子でした。

あかりは、いつもおばあちゃんに教えられていたことがありました。

それは「絶対に人に嘘をついてはいけない。 嘘をつく方もつかれた方も悲しい気持ちになる」という事でした。

あかりは、その言われた事をきちんと守っていたので、近所では、とても優しい子として言われてきました。


それから数十年が経ち、あかりも26歳という立派な大人になっていました。

しかし、あかりは働きもせずに、ずっと家でひきこもり、おばあちゃんの遺産で生活していました。

お金もそろそろ足りなくなり、働くことを余儀なくされました。

でも、あかりは働きたくありません。 そこで、あかりはとあるズルい手段を思いつきました。

それは、「願い事が叶う水」を販売することです。

しかし、この願いが叶うのはもちろん嘘です。 水で願いなど叶うわけがありません。

だけどあかりは、迷いもなくインターネットで「願いが叶う水」を販売し始めました。


一週間後、「願いが叶う水」は目から鱗が落ちるほど、売れました。

このおかげであかりは、とても裕福な暮らしをするようになりました。

あかりは凄く喜びました。


とある日、ニュースで「願いが叶う水」は詐欺という記事が出回っていました。

SNS上でも、色んな人が「なんだこの水は! 詐欺にも程がある」や「悪徳商売だ! 訴えてやる!」などの反感が多数ありました。

そこであかりは思いました。

「なぜ私だけこんな言い方をされなければならない! そこら辺の占い師、政治家、みんな嘘付いてお金を稼いでるじゃないか!」

そこであかりは、おばあちゃんに教えられたことを思い出しました。

「絶対に人に嘘をついてはいけない。 嘘をつく方もつかれた方も悲しい気持ちになる」

しかし、あかりはこの言葉に腹が立ち、思わず一人で大声で叫びました。

「このご時世で正直者なんかやってられねー! むしろ嘘が正義だ!」

あかりは、ついに嘘を正当化しようとしました。


数日後、とある手紙があかりのもとに届きました。

それは、とある6歳の女の子からでした。

「願いが叶う水は嘘だったんですか? 私のおばあちゃんは、とても重い病気で、この病気が治るように、この水を、貯めたお年玉で買いました。 でも全然おばあちゃんの病気は治らず、三日前に亡くなりました。 おばあちゃんの病気が治ったら、動物園に行こうって言ったのに....... 病気が治ったら水族館に行こうって言ったのに...... 病気が治ったらいっぱい遊ぼうって言ったのに.......」

と、所々ひらがなで、いかにも子供が書いたような字で書いてありました。

あかりは、純粋無垢でけがれを知らない女の子の手紙を読んで、涙がぽろぽろと流れました。


翌日、あかりは警察に自首をしに行きました。


少し短いですが、見ていただきありがとうございました。

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