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幕間 悪役令嬢 ソフィア・フォン・ダールベルク 下

欲しいものは何でも手に入った。


ショーケースに入った宝石も、他の子が大事に持っていたぬいぐるみも、着る予定のないドレスだって、父と母に頼めばすぐに手に入る。


殿下と婚約して手に入れる名誉も、親から受け継がれ注がれる莫大な財産も、全て、何でも……。


今回もきっと、そうだと思った。


お城で働く父のもとを訪れると、笑顔を作って扉を開ける。

するとそこにはいつものように書簡に囲まれた「父」が、ドアが開いたのも気にせずに筆を動かしている。


「お父様、ごきげんよう」


「……」


チラッと、こちらを冷たい目で一瞥すると。まるで興味がないのか再び筆を動かし始める。

これが父の……お父様のいつもの対応。


「……欲しいものがあるの」


「……なんだ?」


「うふふ、なんだと思う?」


意地悪をするように父のすぐ隣に置いてあった椅子に腰かけると、父はため息をついてからこちらを見ることなく再び筆を動かし始める。


「私は忙しい。金が要るなら何を買うのに、いくら必要なのか手短に言え」


…………。































イライラする。


イライラする、イライラする!!イライラする!!!


抑えられないほどの怒りだった。

それは、使えない奴らへの怒り、上手く物事が進まないことへの憤り、そして……理由はないけれどイライラする!


ズンズンと街を歩いていると、目の前に一人の少女が歩いているのを見つけた。

あたしは早歩きにそいつへと近づくと、ぐいと思いっきり強く手首を握る。


「い、いたい!……そ、ソフィア……!?」


「……黙ってこっちに来なさい」


このもやもやとした気持ちを晴らす絶好のチャンスだとばかりに、アルフィの手を引いて路地裏へと連れこもうとする……しかし……


「……や、やめてよ!」


!?

パッと、アルフィはあたしの手を振り払うと、数歩距離をとってじっとこちらを見上げる……!?


アルフィが……初めて抵抗をした!?


アルフィにはあたしに対しての恐怖心が植え付けられている。

絶対に叶わないと、そう思っているはずなのに……!?


「……もう、やめてよ、こんなこと……」


「ッ!!?」


その目は……その真っすぐな目は、この間クロウ・クライネルトがあたしを見ていた時と同じ……!?


「……あなた、アイツに何かを吹き込まれたわね?」


「……」


「その目であたしを見るな!?」


「っ、あ……」


バっと、アルフィはあたしに背を向けると、そのまま走り出してそそくさと逃げだした!


呆気にとられたあたしは、その背中を追いかける気にもなれず、一人立ち尽くしていたが……やがて……また沸々と怒りがこみ上げてくる!


「チッ!!」


しかし、すぐに、胸に去来したのは怒り以上の……何もない、水のような空虚な感情であった。






















「…………何か、他に面白いことはないかしら?」


「え、えっと、そうね……リリーはどう?」


「え!?その……この間、町で、パンにパスタを挟んで売っている、変わったお店を見かけたの!」


「え?パンにパスタを?」


「……嘘じゃないでしょうね」


「ほ、本当だよ!パンに切れ目を入れて、その上にパスタとソースをかけてみんな手づかみで食べてたの!」


「……別々に食べればいいじゃないの」


「ほ、本当だよね!うひひ」


「ふふふ」


うふふ、リリーのくせに中々面白い話をするわ……。

と、そこで庭の木からふわりと葉っぱが机の上に乗ってきて、ふと一つの行事が思い浮かんだ。


「そういえば、そろそろ次の収穫祭が近いわね。今年は演劇でも見に行こうかしら?」


ピタっと、そこで二人の動きが止まった。


「……どうしたのよ。二人とも」


「う、うん。収穫祭ね。確かに、そろそろだけれど……」


「……言いたいことが有るならはっきり言いなさいよ?」


二人は目を合わせてから。


「今年は、パパと一緒に収穫祭を回ることになって……その、ご挨拶回りも含めて」


「……あら、そうだったの」


収穫祭の日には様々な屋台が開かれるため、普段来ないような観光客もたくさんやってくる。その中には他方から来た貴族もおり、そこで挨拶をしておくことで縁談に繋がったり、政界へのコネクションが生まれることがある。貴族としても馬鹿にできない行事だ。

……まぁあたしほどの地位になると、こちらから挨拶に出向かなければいけない相手など殿下くらいなものだけれど……貧乏貴族のノエルには死活問題だろう。


「仕方がないわね、じゃあリリーと……」


「!あ、あのね、リリーもその日、用事があって……」


「……はぁ?」


「その日!一番上のお姉ちゃんが久しぶりに帰ってきて、それでリリーと一緒に収穫祭を回る約束してて……」


リリーの家は5人姉妹だ。

その中でも一番上の姉と言えば、すでにお嫁に行ったリリーが一番懐いていた相手……。


ノエルとリリーは席を立つと、別れの挨拶にスカートの端をつまみ上げてアタシから逃げるようにそそくさと帰ってしまった。



あたしはただ一人、テーブルに座ったまま、開いた二つの椅子を見るばかりだった……






































収穫祭の日だった。


「ああ、これは麗しのソフィア様。今日も大変お美しい!」


そんな聞きなれた世辞を吐きながらそっとあたしの手の甲にキスをする中流貴族の少年。

そして、そのまま金色に輝くアクセサリーをあたしに渡すと、最近新しく炎の魔法が使えるようになったと自分のことをアピールしてくる……。


屋敷では豪華なパーティが開かれていた。

各地方の貴族がこぞって集まり、減ることのない豪勢な食事に吟遊詩人たちの奏でる厳かな音楽……

それらを肴にして皆が皆、お酒やジュースを飲んで思い思いに歓談をしている。


チラリと母親の方を見る。

母はいつも以上に張り切っており、ここぞとばかりに高価なアクセサリーを身に着けて遠方の貴族たちからの賛辞の声に気をよくしていてご機嫌だった。


今日は、まだ一度も話すらしていない。


「そして、僕は勇敢にも覚えたての魔法で魔物と戦ったのです!すると、僕の魔法に恐れなしたのか魔物は逃げ出してしまい……」


「ふぅ、ごめんなさい。あたし少し疲れたみたいなの」


「!あ、ああ、それはいけない!でしたら、僕が外までエスコートを……」


「大変うれしく思いますわ。けれど、今は少し横になりたい気分なので……」


「そ、そうですか」


笑顔を作ると、必死に声をかけてくる貴族たちを全て無視して会場を離れる。

階段を上り、使用人たちの声を振り切って自室に入るとベッドの上に突っ伏した。












どうしてあたしがこんなことを!?












ニコニコと媚びへつらって、ツマラナイ自慢話を聞いて、そんなことお人形にでもさせればいいじゃない!!


大きく拳を振りかぶって枕を数度殴りつけると、そのまま力なく崩れ落ちた。


……どうしてこんなことばかり……。


いつも優秀な従者に見張られて勉強させられて、誰が作ったのかも分からない食事を食べて、あたしのことが嫌いな友達に囲まれて……決まった相手との結婚を強いられて!!



こんなの、ちっとも面白くない!!!



慟哭の想いにかられ、突っ伏したまま枕を濡らす……。


アルフィが……アルフィが羨ましい。


貧しいはずなのに、真っすぐで、自由で、キラキラしている……アルフィが。

……本当の友達を持っているアルフィが羨ましい!


あたしがほしいのは、奴隷なんかじゃない!

そんなの、ただの当てつけで……だけど、それすらあたし一人じゃできなくて……

無力感と嫉妬で胸が張り裂けそうだった。

本当に……あたしが欲しいのは……けれど


みんなあたしが怖いのよ?


なんであたしを、怖がるのよ……。


でも、本当に怖いのは……?


このままあたしは大きくなれば、きっと母と同じ道を歩むだろう。


そして、そのままきっと、本当の愛も知らないままに嫉妬や憎悪に塗れて一生を過ごすのだ!



一生ずっと……?



怖い。



怖い怖い怖い!!!!




強い衝動に駆られて、あたしはベッドから跳ね起きると、窓を大きく開け放った!


あたしは違う!あたしは違うのよ!!


だって、あたしは持っている……!

父も母も知らない、この本物の気持ちを……!!


















「ハァ!ハァ!ハァッ!!」


屋敷を抜け出すと、人混みをかき分けて走りだした!


後ろから気配のようなものを感じる。

それは一つなのかもしれないし、たくさんのような気もする。


その「何か」に追いつかれないようにあたしは必死に街を走った。

地面の砂利が、パーティ用の赤い靴には嫌というほど食い込んでくる……。


「珍しい東洋のお菓子は……」


「この鎧、今ならタイムサービス……」


ひたすらに走っていると、ようやくお目当ての建物が見えてきた!


「はっぁ……ぜぇ、ひゅー……」


出てくる人混みをかき分けながら中へと入ると、カウンターに座っていた女の人があたしのことを見て困惑した面持ちになった。ドレスは破れており、靴はボロボロ……普段のあたしを知っている人物が見たらきっと大笑いすること間違いなしだ。


「おい、お前どうしたんだよ!?」


!!

声の主へと目を見やる。

安っぽい従業員服を身に着けたクロウ・クライネルトはとても新鮮に思えた。

フラフラと彼へと歩み寄ると、力が抜けてそのまま彼の方へと倒れ込んでしまう。


「お、おい、しっかりしろ!?か、母ちゃんどうしよう!?」


そんな情けない声を出すクロウ・クライネルトがなんだかおかしくって、あたしは暖かい温もりを感じながら、ゆっくりとそのまま目を閉じた。























すぐに目を覚ましたつもりが、気が付くとお昼をとっくに過ぎていた。


「目が覚めたか」


そっと自分の身なりを確認すると、さっきまで着ていた破れたドレスは綺麗に修繕されてベッドのそばに掛けられていて、あたしは男物の少しぶかっとする服を着ていた。どうやら、クロウ・クライネルトの服らしい。


「……」


「えっと、それで、ウチになんか用?随分急いでたみたいだけど……」


「……」


「……」


……何も、考えていなかった!

急に心細くなって、会いたくなったなんて……。


そんなこと、とてもじゃないが口にできるわけがない!


だんまりを決め込んでいると向こうが頭を掻きながら椅子から立ち上がった。


「まぁ、何も企んでないなら別に良いさ……ほら、家まで送ってやるから……「ヤッ!」?」


「家にはまだ帰りたくないの……」


そういうとクロウ・クライネルトは何度か瞬きをすると、腕を組んで首を傾げる。


「えっと、家出か?」


「……まぁ、そんなところね」


「そうか、家出なぁ……」


そう独り言のように窓を見つめたままつぶやくと、少し考え込んだ後にまた頭を掻いた。


「ま、適当に頭が冷めたら帰ってくれよ。今日は宿屋もお客さんが多くて忙しいからな」


「あ……」


気付かないうちに声を出して、手を伸ばすと彼の服の裾を掴んでしまっていた!?

そんなあたしに、彼はますますわからないといった表情を浮かべる。


「……本当、どうかしたのか?」


「……」


また、何も言えずに黙り込むと、はぁと彼は大きなため息をついてから……



ぽんぽんと、あたしの頭を軽く撫でた。


それは、父にも、母にもされたことがない。私の知らない……。

顔を上げると、そこには見たことがないほど、優しい顔をした彼が居て……


「んじゃあ、宿屋の仕事でも手伝ってくれよ。今は猫の手、いや、お嬢様の手すら借りたい状況だからな」


そう言って、クロウ・クライネルトは初めて目を細めて笑っていた。


























宿屋の仕事なんて、知るわけがない。


適当にベッドを整えたりするだけなのかと思っていたが、その仕事の内容はあたしが思っているよりもずっと多岐に渡っていた。


部屋のお掃除に、夕食の仕込み、冒険者たちの食料やアイテムの手配まで。


あたしはちょこまかと世話しなく動き回るクロウ・クライネルトの後ろにぴったりと張り付いて、何をするでもなく彼が働く様子をじっと見物していた。


やがて、そんなあたしに痺れを切らした彼の方から、雑巾を手渡してきて床を拭くのを手伝えと言ってきた。


「冗談でしょう?」


「冗談なわけあるか!今は忙しいって言っただろ、邪魔するなら帰ってくれ!?」


「このあたしが!?」


「そのあたしが!」


その言葉にいくつもの皮肉の言葉が思いついたが、そのどれをもってしても彼の機嫌をそこねるだけだと思い、あたしは床に足をついて汚れを落とし始めた。


「こんなに床を間近で見るのなんて、赤ん坊の時以来だわ!!」


何がツボにはまったのか、彼は噴き出して笑った。









部屋を綺麗にすると、少なからず達成感があった。

ピカピカになった窓に、あたしが磨いた床と机。


「見なさい?完璧でしょう!?」


「ま、普通だな」


辺りを見回して偉そうにそんなことを言うクロウ・クライネルトにカチンとくる。


「……なんですって?」


「アルフィの方がもっと綺麗に掃除するよ」


……頭に来たわ。

次の部屋に移動すると今度はさっきの3倍、目を凝らして汚れを探した。

そして、丁寧に床や机を磨き上げるとさっきの5倍は部屋がピカピカになる……。


「うふふ、見なさい!?今度こそ、部屋中輝かんばかりに美しくになったわ!」


クロウ・クライネルトは、棚に乗っていたホコリを拭くと大げさに首を横に振った……。


「まだまだだな」


あたしは殴りかかった。
















今度は「買い出し」に行くこととなった。


どこかいつもより忙しない街のなかを器用に歩く彼の後ろをついていく。

普段、ノエルやリリーと歩いているときは、自然と周りが道を開けてくれるが……今、着ているのはダボっとしたオーバーオールに顔を隠すためのキャスケットとどこからどう見ても、庶民の服。

周りの街が、いつもと違った顔を見せているようで少し困惑するが、前を歩く彼の背中があるからかあまり恐ろしいとは思わなかった。


「何を買うのよ?」


「ん~と、肉と魚と、野菜と、あと果物とか」


……おおざっぱすぎるんじゃないかしら。

あたしの使用人たちも、こんな調子で夕食のお買い物をしているの?


「あ!」


と、油断した隙に、彼との間に4人ほどが列を作って歩いていて分断されてしまった。

しかし、すぐに彼は数歩歩いて戻ってくると、あたしの手をぎゅっと握った。


「何やってんだよ。いくぞ」


「……ッ!!」


……胸の中がキュンキュンとときめいていた。


男の子に手を握られたのなんて、ダンスや挨拶を含めて何度だってある。


けれど、今つないでいる手は、それとは違う確かな温もりを感じさせた。


汗ばんでないか、心配になりながらも、あたしは彼の手をぎゅっと握り返した。



















買い物を終えると、クロウはまっすぐに家に帰らずに屋台の出ているエリアに出た。

この辺りは特に子供が多くて、いくらか見知った顔が通り過ぎていく……顔を隠すように帽子のツバを深くして、クロウ・クライネルトの影に隠れる。


「そんなに警戒しなくても良いだろうよ。誰も今のお前のこと見て、あの高飛車お嬢様だと思わないからさ」


「な、なんですって!?」


「くっくっく」


そういって彼は屋台へと近づいていくと、2本ガラス瓶を持って帰ってくる……。

中を覗いてみると、水の中に泡が出来ているが……


「これは……?」


「セルツァー水だよ。飲んだことないのか?」


「……あるわよ、これくらい」


彼から一本、瓶を受け取ると、既に開いている瓶の中からはシュワシュワと不思議な音が聞こえている……。瓶の底を眺めてみると、泡が浮かび出ていて中々綺麗だった。


そんなあたしのことを知ってか知らずか、彼は瓶に口をつけるとごくごくと音を鳴らして美味しそうに飲み始めた。


あたしもそれに倣って、下品にも瓶に直接口をつけるとその水を口に!!?


「ケホ!!な、何よこれ!?」


「ははは!やっぱり飲んだことないんじゃないか」


……むっとして、再び瓶に口をつけると、先ほどの彼よりもペースを上げて飲み始める。喉を通ると、泡がシュワシュワと音を立てて心地の良い甘みがあった。


「プハ!」


「おぉ!やるなぁ」


「ふふ、どゲエエエップ!!」


…………口を抑えると全身に火が付いたようであった。

腹を抱えて笑い始めたクロウ・クライネルトをあたしは何度も殴りつけるが、彼はそんなの気にしてないとばかりに笑うのを辞めない。


なんなのよ!なんなのよ!!


「ははは、ぐえッップ!!」


そう笑っていた彼の口からも変なゲップが出たとき、あたしは目を丸くして、お腹がよじ切れるほどに笑いあった。


























「えっと、この辺で良いか?」


「大丈夫よ」


手伝わさせられて、初めて作った質素な夕食を共にした後、彼に屋敷まで送ってもらった。

屋敷ではすでにあたしが帰ってきたことに気が付いたのか、母のカミキリ声などがここまで聞こえてくる気がするけど……今は、そんな声すらもどこか心地よく思えるほど清々しい気分だった。


「そうか、じゃあな」


「待ちなさい」


そうあっさりと去っていこうとする彼を引き留めると……


「ねぇ、クロウ、あなたをあたしの奴隷にしてあげるわ」


「…………は?」


「奴隷よ、奴隷。なんでも言うこと聞く代わりに、ご褒美を上げるあなたのご主人様になってあげる」


「嫌に決まってるだろ」


悩むことなく、彼がそう答えるのはここまでの付き合いから何となくわかっている。


「……そう、じゃあ、騎士というのはどうかしら?あたしを守り、あたしに尽くすナイト様……お給金だって弾むわよ?」


「…………ふむ?……あ、いや、断る!」


?少し悩んだ後に、断るクロウ。ちょっと揺れているのかしら?

もう少し間髪入れずにはっきりと断ると思ったけれど、意外ね。

いえ、それよりも。




「じゃあ、あなたの友達になってあげる」




ついさきほどまで、軽口のように話していた口が急に無口になった。

実際はどうかわからないけれど、先ほどよりも、ずっと長い沈黙のように感じて不安になってしまう。段々と、恥ずかしくなってきたあたしは適当に誤魔化そうとしたら



「そんなの、もう友達だろ」



!!

そう言って、彼は口の端を釣り上げて笑った。


「だけど、お前、良い噂聞かないからな。イジメとかそういうことはやめろよな」


「……なら、そうならないようにあなたが見張ってなさい?」


「な!?……おい」


「うふふ」


本当よ。クロウ。

……あたしはあなたが見張っていないと、とんでもないことをする女なのよ。


だから……!!


あたしの中で、何かが確信に変わったのを感じた。


敷かれていたレールを初めて自分で破った気がした。


あたしは変われる。

あたしは変わりたい。



だから、どうかあたしのことをずっと……







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