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うしなったもの
完膚なきまでに叩きのめされて、
失ったのは希望を支える杖で、自分を信じる力。
大した能力はもっていなくても、頑張れる、何とかやっていける。
努力すればなんとかなると信じていた価値観はガラガラと崩れおち、
やっとの思いで積み上げなおしたけれど、真ん中にどうしても足りないものがあることに気が付く。
それは、自分の可能性を信じてあげることができるという力。
どうすれば、取り戻せるんだろうか。
客観的に見る力がつけば、もはやそんなものはいらないんじゃないかと思うかもしれない。
だが、その杖を持っていなければ、困難は大きく、目的地は果てしなく遠くに見える。
その気になればできることですら、その距離を正しく測ることはできない。