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第十五話「後輩消滅!? 5」【本番当日】

「確かに妙」

「ですよね。出席簿があいうえお順になってるから……」

「頭のイニシャルは同じ」

 これは偶然か?

 それとも、俺が知覚出来ないような、超常的な力によって操作されてるのか?

 もう一度確認してみたが、指輪のイニシャルと符合する名前は見つからない。

「この一行だけが妙に引っ掛かるな……」

 だが、これ以上粘った所で、新たな進展は望めなさそうだ。

「無駄足だったか」

 とりあえず、新しい方向で攻めるしかないな。

「他に何か手掛かりになりそうな物といえば」

「トイチカメラ」

「トイチカメラですか?」

「このデパートに、トイチカメラの店舗がある。現像を頼む時、大抵はその人の連絡先を書く」

「なるほど、確かにそこから調べれば……!」

「万事解決」

「……いや、待ってください」

 そこから名前とかが分かればベターだ。しかし、さっきの教室の時と同じように、そう安易に向こうが個人情報を公開するだろうか。

 普通しないだろう。というか、俺なら間違いなくしないぞ。

「無断拝借?」

「……いや、さすがにそれは」

 だが、他に何か手段があるのか?

「ない」

「ですよね……会長、もしも良ければ」

「十五分。今日は特別に一回、スニーキングを利用可能にする」

「え?」

「我は用事、だから仕込む」

「仕込むって、一体何を!?」

「覚悟するといい」


 その十五分というのが、これまた筆舌に尽くしがたい苦行だった。

 だが、本編にはあまり関係ないので省略しよう。

 というか、正直思い出したくもない。

 頼むから二度と思い出させないで戴きたい。


「さすが副会長、筋が良い」

「そ、そうですか」

「毎日十五分、続けろ、もっと強くなる」

「いや、出来れば二度としない方向が、俺的には望ましいです……」

「一緒に極めたいのに、残念」

「残念がらないでください」

「それじゃあ、我は行く。副会長、健闘祈る」

「あ、ありがとうございます」

 会長と三度別れ、俺は一時取得したスニーキング能力と共に、トイチカメラに向かった。

 カウンターに居るのは、先程学校に配達してくれたバイトではないか。

「あの、すいません」

「はい、いらっしゃ……あれ? 貴方はさっきの学生さん」

「あの写真の事で、ちょっとお訪ねしたいんですが……」

「壊れても、それはお客様の責任です。と、店長は申してます」

 いやいや、いきなり壊してしまったの前提で話をしてくるなよ。

「違います」

「では、現像ですか? では、この用紙に記入を」

「もっと違います。あの写真の送り主の住所とかって、分かりますか?」

「送り主の?」

「ええ、どうしても知りたい事があって……」

 もちろん、断られる事は分かっている。

 だが分かっていても、やはりスニーキングなどして情報を得るのはちと引け目を感じる。

 それに、下手に発見されて俺の輝かしき経歴に傷をつける事になれば一生の不覚だ。

「いいですよ」

「え?」

 何か、今すごくあっさりと答えなかったか!?

「い、いいんですか?」

「駄目なんですか?」

「いや、駄目っていうか、個人情報の保護とかあるんじゃあ?」

 そして、俺が味わった悲劇の十五分は一体何だったのだ!?

「ちょっと位なら大丈夫でしょう」

 きっと、こういう人物がとんでもない情報漏洩とかするんだろうな。

 しかし、今はそれが好都合!

「は、はあ、ありがとうございます」

「ちょっと待ってくださいね。控えを取って来ます」

「あ、はい」

 奥に引っ込むバイトを見送って、俺は吐き忘れていた息を一気に吐きだし結果を待つ。

 なんだなんだ、何を緊張してるんだよ俺は。

 それに、普段の俺ならそこまでムキになる事はないはずだ。

 何かがおかしい。

 そうだ、普段と変わらない一日だったはずなのに、いつの間にか俺はその普段とは違う別世界に放り込まれてしまったかのようだった。

「おまたせしました。えっと、生徒会宛のは……おや?」

「どうしたんですか?」

「変ですね、送り主の名前が消えている」

 確かに、そこだけ綺麗に消えている。

 さっきのカルチャースクールと全く同じだ。

 これは一体、どういう事だ?

「でも、住所は残ってますね」

「住所!」

 これは手がかりになりそうだ。

「どこなんですか?」

「えっと、結構近所ですね。ここを出て、大通りを少し行った先。メモしますよ」

「ありがとうございます!」

「どういたしまして。またのご利用お待ちしてます、と店長が申してました」

「貴方の本音は?」

「冷やかしなら二度と来んな!」


 店員の罵倒を浴びた後。

 メモしてもらった住所を頼りに辿り着いたのは、三階まである立派な一戸建てだった。

 奥行きは謎だが、パッとみるとマンションか何かと思わせるコンクリート剥き出しの外観に、扉を中央に左右には各階柵付きの窓が備えてある。

 屋上にも出られるのか、柵が備え付けられていて、一見するとごく普通の家だった。

「ここに手掛かりが……えっと、名前は」

 だがいくら探しても、肝心の氏名を表記した物が見当たらない。

「まあ、最近は表札がない家も珍しくない、のか……?」

 気になる所はあるが、俺は早速チャイムを押してみた。

 もしも中の人が出来てたら、どう説明すればいいだろうか?

「しまった、その辺の事を考えてなかったな」

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