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第十四話「後輩消滅!? 5」【前夜祭】

「な、なじぇに……」

「もう、戻るの無理だと思うわ」

 悪魔さんは溜息ついてますし、魔神さんは……なんか笑顔が引きつってます。

「……つ、次こそ成功ですよ」

「つーか、おい神様代理、過去を改変しまくってるが、大丈夫なのか?」

「正しく時計を合わせられば、今までのミスは全て帳消しになるはずなので……大丈夫だとは思うんですが」

「そーゆーもんなんですか?」

「そーゆーもんなんですよ。ただ、さすがにここまで何度も改変されるとは予想してなかったもんで……ちょっと不安がありますが」

「だろうな。俺様も同感だ」

「とにかく、頑張りましょう!」

「はいっ! 頑張ります!」

 一刻も早く、先輩と会いたいです!

 そういう訳で、再びチャレンジなのです!


 今度もまた放課後の学校でした。

「よしっ、今度は失敗しませんよ」

 気合いを入れて、身を隠しましょう。

「あれ、後輩?」

「はっ、先輩!?」

 なんと懐かしいお声でしょう!!

 振り返ると、そこにはもちろん、あの麗しい先輩が立ってるではありませんか!

「なんだ、お前、今日風邪引いて学校休みだったんじゃないのか?」

「へ?」

 あれ、なんか嫌な予感が。

「ほれ、これお前のプリント」

「ぷ、プリント?」

 受け取ったプリントには、とっても見覚えがあります。

 そう、先輩がお見舞いに来て頂いた際に貰った、プリントです。

「ちゃんと渡したからな。それじゃあ、また明日なー」

「は、はい、ありがとうございま」


 ブラックアウト――……。


 もうなんか、この展開にもすっかりと馴れてしまいました。

「よっしゃ! 俺様の勝ちだ!」

「へ? どゆことですか?」

「いや、お前がまた失敗して戻ってくるかどうか、こいつと賭けてたんだよ」

 うわぁっ、とうとう賭けの対象にされ始めましたよ。

「ほらほら、金出せよ」

 悪魔さんはそう言うと、地団駄を踏んでる魔神さんに手を出します。

「うううう、まさか今度は成功すると信じてたのに」

「俺様の儲けの為にも、また戻って来いよな」

「全力でお断りですよ」

 次は成功させるんですよ!

 鼻息荒くしつつ、私は勢いよく闇に向かいました。


「あぅあー……」

「おう、戻ってきたか」

 そう言って、悪魔さんは出迎えてくれました。

「あれ? 魔神さんは?」

「魔神? 誰だよそいつは?」

「魔神さんですよ、ほら、神様代理の」

「何言ってるんだお前」

「え? 何言ってるって、それはこっちの台詞ですよ」

 ずっと一緒だったくせに、それを忘れるとはなんて薄情な人、もとい悪魔でしょう!

 あ、でも悪魔だったら薄情なのは当たり前なんですかね。

「いや、薄情うんぬっていうよりも、お前がこのトラブルに巻き込まれてから、ずっと俺様一人だっただろうが」

「いやいや、だって、さっき賭けとかまでしてたじゃないですか」

「誰と?」

「誰とって、そりゃ……あれ?」

 誰ですっけ?

「ったく、何度も何度も戻って来やがって。ほら、時計貸せよ」

 乱暴な物言いですけど、悪魔さんは丁寧に時計のリューズを回してくれます。

「で、思い出したのか?」

 うー……おかしいですね。

 さっきまで当然のように出てきたはずなのに。

「ほら、あの人ですよ、えっと、うっと……ほら!」

「ほら! じゃねーよ、何訳わかんねえ事言ってんだ。さっさと時間合わせて来い」

「おかしいなー……確かにもう一人いたと思ったのに」

 でも、思い出せない以上は仕方ありません。忘れましょう。

「それじゃあ、行って来ますー」

 そうして、今度こそという勢いで、私は闇の向こうへと向かいました。


「ここは……」

 あ、そうだそうだ。

 失敗する度に、この闇の中に戻ってしまうんでした。

 でも、なんででしたっけ?

 あれ、おかしいな。

 確かその理由を誰かに教わったはずだけど。

 その人が誰だったのか思い出せませんよ?

「おかしいなー……それに、ここには誰かが居たような気がするのに」

 そう、こうして戻ってきた時には、誰かが居たはずですよ。

 ……でも、一体誰が居たんですっけ。

「あれー……変だな」

 こう、喉元まで出かかってるのに出てこないって感じですよ。

「ううう、気持ち悪いなぁ……」

 だけど、気持ち悪くてもやらなければなりません。

 闇の先にある世界の時と、この手にある置き時計を同期させないといけないんですよ。

「あれ? でもなんでだっけ?」

 おかしいです、やっぱり思い出せません。

 どうも記憶が混乱してるようです。

「まあ、細かい事は後で考えますか」

 とりあえず、私はあの闇の向こうに行って時計を合わせなければならないのです。

 理由? そんなの知りません。

 とにかく、そうしないといけないのです。

 えっと、その為にはまず、この置き時計のリューズを……どれ位回すんでしたっけ?


「まあ、適当でいいですよねー」


 ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる。


 ……よし、こんなもんでいいでしょう。

 回し過ぎちゃったかもしれませんけど、大は小を兼ねるといいます。

 大きい事は良い事だってどこかの誰が言ってた気がします。

「それじゃあ、頑張りましょう! えいえいおーっ!!」

 一人で気合いを入れて、私は闇の向こうへと飛び出しました。

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