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エターナル・ストーリーズ  作者: 燐鏡 剣斗
Chapter1 「Online」
8/96

7話目 「クエスト」

どーも、作者です。


架空の生き物って、登場はさせやすいのですが設定が難しかったりします。

今回出てくる架空の生き物も、一応

「この世界では空中最速」という設定にしています。

その気になれば、他の生物を最速にもできるのですが・・・

やっぱりかっこいい生き物を使いたいから今回の案になりました。


話か長くなってしまって申し訳無いです。

では、どーぞ。

「とりあえず、この状況をどうにかしろっ!」

アバターが違うせいかいつもの威圧感は感じなかった。

だが、口調からしてはっきりとそれが千代だということは悠斗たちには分かった。

見た目は桜月、中身は千代。見ていてなかなかに面白い。


「まーまー、落ち着いてちよちゃん。そんな慌てることでもないでしょ?

 中身が違うだけでお互いのフリすればばれないってー!」

桜月は相変わらずの脳天気だった。見た目が千代なので何も言えないが。

「お前それで片がつくとでも思ってるのか?!まずタイプが違うだろ!」

「あっ、そうだねぇー。私は剣と盾なんて使えないし、後方タイプだもんねぇ」

「私だってシスターなんてやったこともない!前方で指示するのが役目だ!」


ただアバターが違うだけなら話はそこで終わるのだが、

このゲームはアバターによって得意分野のスキルや能力が変わるため、

入れ替わっているだけでも多大な問題がある。

現に、千代と桜月はお互いのアバターの職業は使ったこともない。

こんな状況で戦闘に出れば、どうなるかは明白だろう。


最悪、悠斗と蒼汰で前衛をカバーし、今はまだいない智恵に援護を任せる、

という手もあるが、指示してくれる中心人物が居ないので連携が取れない。

敵の数が増えればなおさらだ。この状況は非常にまずい。


「と、とにかく2人は元に戻る方法を探してくれよ。

 その間に俺と蒼汰でクエストは何とかする。」

じつは、先日ギルドに依頼が来ておりそのクエストを今日やる予定だったのだ。

ちょうどギルドメンバーも予定がなく、集まりやすいので今日になっていた。

更に追い打ちを掛けるように、クエスト締切は今日になっていた。

今日中に依頼品を持ってきてほしいとの連絡があったようだ。


「なんとかするって・・・悠斗と蒼汰で大丈夫なのか?」

心配そうな顔で悠斗達を見る千代。

「まぁ、なんとかなるだろ。なんたって、蒼汰と俺のペアは最強だからな!」

「えぇ、それ昔の話でしょ?今じゃ5人に慣れてて昔みたいにできるかどうか。」

「そんなに悲観的になるなって!昔からの仲だろ!」

「そ、そうだね。うん、できるできる!」

「よっしゃ、それでこそ蒼汰だ!」

息の掛け合いはピッタリの悠斗と蒼汰だった。


「んまぁ、でも問題は・・・」

「そうだね、僕達が置かれているこの状況だね・・・」

そう、2人でクエストに行くとしても問題があった。

この世界に飛ばされた?のは悠斗だけではなく、桜月や千代、蒼汰もだった。

正直悠斗はこの世界にまだ慣れていない。ゲームはやりこんだが、

まさか実際に自分自身が動いてゲームをプレイするという状況に

なるとは思ってなかったからだ。


「蒼汰、行けそうか?」

「まだ体が馴染んでない感じはあるけど、多分行けるかもしれないな・・・」

「今回の依頼は比較的簡単だからな、気楽に行こう」


今回の依頼は「クイーンフォレスターの種」の回収。

大樹の森の奥に潜むクイーンフォレスターを倒し、ドロップするものだ。

クイーンフォレスターの種は治療成分が高く、解毒や止血などの効果がある。

だが、その効果と比例してクイーンフォレスターのレベルも高い。

駆け出しプレイヤーでは歯がたたないどころか辿り着かないことも多い。

移動の楽さと、報酬金の高さに目が眩んで無事帰ってこない初心者も多い。


だが、熟練のプレイヤーにとってそこまで強敵、というわけでもない。

今回の依頼も、悠斗達に信頼があるからこその依頼だった。


「今回頼んでくれた薬屋のおっさんも、結構信頼厚いからな。」

「そうだね、失敗する訳にはいかないね・・・」

「ま、善は急げだ。とっとと終わらせちまおうぜ」

「悠斗は意外と気楽者なんだね。僕はまだ怖いのに。」

「ビビってちゃクエストクリアなんて無理だ!さっさと体を慣らしたいしな!」

「そうだね、じゃあ今ワイバーンを手配するよ」

「ワイバーンで行くのか?こりゃ豪勢な空の旅になりそうだ・・・」


少し離れて、蒼汰はスマートフォン型端末でメニューを開き、連絡をとった。

「あ、どうもお久しぶりです。ちょっとした用が入りまして、

 できればワイバーンを貸していただけませんか?今日だけ。

 あ、はい!ありがとうございます!ギルド近くの空き地までお願いします!」

蒼汰は通話を切り、上機嫌で悠斗のところに戻ってきた。


「借りれるってさ!後10分位で着くって。」

「うん、お前の声大きくて全部聞こえてた・・・」

「えっ、本当?ごめんね、気が付かなかった。」

「謝る必要はないけどな・・・。」

変なところで律儀な蒼汰だった。


「よし、じゃあ俺達はクエストに行ってくる。お前ら留守番頼んだ。」

「留守番?ギルドは基本的に人がいるわけではないぞ?」

「千代は本当に細かいこと気にするなぁ・・・まぁいいや」

「良くないだろう!お前は昔から・・・!」

「分かった、分かった。説教は帰ってきてから聞く。」

「絶対に戻ってこいよ?無茶だけはするなよ?」

「わかったって、千代は俺の母親かよ」


少し不安だが悠斗と蒼汰は千代と桜月の2人を残し、出発した。

ギルドをでると、そこは活気のある町並みだった。

「少し前は誰も居なかったのにな。」

「そうだねぇ、僕が買い物に行くときもこんなに人は居なかったよ。」

「それにしてもパニックになってるかと思ったのに案外平和だな」


悠斗自身がこの世界で過ごしていることに違和感を覚えるのに、

周りの人達はごく普通に過ごしていた。

まぁ、多分深くは考えないようにしたのだろう。多分だが。


ギルドから少し離れた空き地に行くと2体のワイバーンが待っていた。

「おう、来たな!あんちゃん達も大変だな、ワイバーン使うなんてよ。」

ワイバーンの近くには気さくな竜人族の人も居た。

「すいません、突然こんなこと頼んじゃって」

「いいってことよ!困ったときはお互い様だしな!ガハハハハ!」

この竜人族の村を以前チームで救ったことがある。それ以来仲がいい。


ワイバーンの背に乗り、飛ぼうとした途端竜人族の人が思い出した様に言った。

「そういやあんちゃん達しってるか?ここ最近大樹の森がやばいらしいぜ?」

その言葉に悠斗は反応した。向かい先だからだ。

「大樹の森が?」

「ああ、なにやら森の奥から怪しい瘴気が漂ってくるんだとよ。」

「怪しい瘴気・・・ねぇ」

「ま、あんちゃん達の腕ならそんな異変ちょちょいのちょいだな!」

「一応、忠告サンキューな。」

「なぁに、こっちも仕事で入りたいが入れなくて困っててな。

 ワイバーン貸すついでに解決しきてもらえると助かるぜ。」

蒼汰は胸を張って、

「出来る限り努力してみます。」

と答えた。


その言葉を最後に、ワイバーンの背に乗った悠斗達は飛び上がった。

「いぃぃぃぃっっっっやっほぉぉぉぅぅぅぅうう!」

「うわわわわわぁ!」

エターナル・オンラインではワイバーンは空中最速の生き物。

その速度故にペットにして乗りこなす人も少なくない。


「よっしゃ、大樹の森までひとっ飛びだ!」

「ちょ、待ってぇぇぇぇ!」

ワイバーンの最高速度を体験しながら悠斗達は大樹の森に向かった。

次回更新は3月28日です。

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