6話目 「アバター」
どーも、作者です
体調に注意してくださいねと言っていた作者が風邪を引きましたw
いやー、久しぶりだったので結構辛かったです・・・
本当に風邪とかには注意を。
本編は最近短めに作ってます。癖で。
では、どーぞ。
「なぁ、ここに桜月は来たか?」
棒立ちの蒼汰に悠斗は聞いた。
帰ってきたのは、もちろんというべきか、聞きたくないというべき答だった。
「いや、来てないけど。さっきからちょくちょく買い物に行ってたけど、
外でも見てないよ?ギルドの中に隠れてるわけでも無さそうだし。」
蒼汰は身振り手振りでそう答えた。
蒼汰の手元をよく見ると確かに手には食べ物が詰まった袋を持っていた。
そうなると、残りの要因は絞られてくる。
さっきから頭の隅にチラチラと出てくる案だけは考えようとはしないが。
というか、考えたくない。と心底蒼汰はそう思っていた。
「あ、じゃあとりあえず僕は掃除するね、散らかってるし。」
さっき千代が悠斗にタックルした時にいろいろと物が倒れてしまっていた。
傍目から見るとかなり汚い。
「あ、じゃあ俺もやるよ。汚した原因の一端でもあるからな。」
悠斗は千代をどけて掃除を手伝おうとする。
が、千代は全く離れてくれない。服を掴んだまま離れない。
何度も何度も離そうとするが意地でも離れない。
この感じは以前経験したことがあるな・・・と悠斗は思っていた。
悠斗は思いっきり体を振って離そうとする。
だが、離れない。
「悠斗、大丈夫か?すっごい掴まれてるけど。」
「正直、背中に寒気が走る。」
悠斗がパニック状態で質問と答えが成立してなかった。
「うぅ・・・怖いけど千代女の足引っ張って離すの手伝うよ」
そういうと、蒼汰は悠斗にくっついている千代の足を掴んで引っ張った。
「それにしても離れなさすぎだろ!どんだけしがみつきたいんだよ!」
蒼汰と悠斗の2人がかりでも離れない。決して服を離そうとしなかった。
「うわぁ、すごいな体が浮いてるよ・・・」
「どんだけ我慢してんだよ!そこまでしてしがみつきたいのか!」
蒼汰が引っ張っても悠斗から離れないので、千代の体は宙に浮いていた。
そして、そこまでしがみつきたいのか!という発言で悠斗は確信した。
一番考えたくなかった結論を。
「なぁ、蒼汰。ちょっと落ち着いて聞いてくれ。」
「お、おういきなりどうしたんだ」
「これ、千代じゃなくて桜月じゃね?」
「悠斗、いくらなんでも考え過ぎだよ、そんなことあるわけがないよ。」
「俺もそう思いたい。でもそれが一番考えられる結論に至ったんだよ。」
「えぇ・・・本当に?」
「多分な。」
宙に浮いてるほどの千代を見てそう思った悠斗だった。
と、タイミング良くか悪くか、ギルドに一人の訪問者が。
バン!という音を立てながらドアを開けてこちらに向かってくる。
向かってくる人物の顔を見て悠斗は凍りついた。やばいと。
蒼汰はドアに背を向けていたので悠斗が青ざめている意味を理解できなかった。
大きい足音を立てながらこちらに向かって歩いてきてることだけは分かった。
「桜月ィィィィィ!」
大きい声を出しながらその人物は千代にかかと落としを決めた。
「ひゃうっ!」
千代は情けない声を出しながら地面にたたきつけられた。
千代にかかと落としを決めたのは、もちろん桜月だ。
「「やっぱりか・・・」」
悠斗と蒼汰は呆れ半分でそれを見ていた。
一方あの状況を見ていた桜月?は怒り心頭だ。
「桜月!よくも私のアバターであんな真似をしてくれたな!万死に値する!」
そう言われた千代は起き上がり反論した。
「だって、そこにゆーが出てきたら飛びつくしか無いでしょ?」
「答えになってない!お前はどうしていつもいつもそうなんだ!」
「好きなコトしちゃいけないの?!」
「場をわきまえろと言っているんだ!お前はすぐどこでもやりたがる!」
「駄目なの?!」
「駄目に決まってるだろ!」
「まただよ・・・」
「そうだね、あの2人はなんとなく相容れないからね・・・」
巻き込まれないように遠くに避難した悠斗と蒼汰はその様子を見ていた。
次回更新は3月21日です。