3話目 「オンライン」
どーも、作者です。
前書き、と言っても作者の自由なことが書け(殴
すいません、作者の言いたいことが言える場所です。
読者の皆様への連絡事項や、報告。
または、すこし問いかけてみたり。
小説作家によって前書きとはいろんな用途があると思います。
なので、あえて作者はすこし変わった使い道をしてみようかと思います。
では、どーぞ。(オチはないです)
光に飲み込まれたと思った悠斗が目を開けてみると、そこは闇だった。
眩しかったはずの視界が一瞬にして何も見えなくなる。
すべてを飲み込むような闇。真っ暗で何も見えない。
心が恐怖と疑問で埋め尽くされる。
ここはどこだ。なぜこんなところにいる。怖い。助けてくれ。
無我夢中で暗闇の中悠斗は手を伸ばすが、もちろん何もつかめない。
振っているであろう腕は何にも当たらない。
何かを握ろうとしている手には何も握れない。
今浮いているのか地面に立っているのかすら分からない。
すべての感覚が麻痺している。
恐怖という文字に脳内が埋め尽くされる。
恐怖という感覚に体が囚われる。
恐怖という世界が自分を包む。
悠斗の全ては恐怖に包まれていった。
と、その恐怖に一筋の光がさし込む。
まるで悠斗を助けに来たかのように。
悠斗は恐怖から逃げるように無我夢中で光に向かって走りだす。
光に向かう途中に足の感覚が戻ってくる。
走っている感覚が戻る。足を前に出しているという感覚が来る。
だんだんと光が大きくなってきた。近くなってきているのが分かる。
光に手を伸ばす。その瞬間、悠斗の世界は色を変えた。
暗闇から、脱出。と
「えっ・・・?」
悠斗が出た場所は、もとの悠斗の部屋ではなかった。
肌を強い風が通り抜けていく。無重力状態の感覚に陥る。
「おい嘘だろおおおお!」
そう、悠斗は地面の見えないほど高い空の上に居た。
というか、落下していた。
ヒュウと風がそばを通り抜けていく。むしろ通り抜けているのは悠斗だが。
落ちている最中の悠斗は風に煽られてバランスを崩していた。
「(高いしなんで落ちてるか分からないし怖いし怖い!)」
一見スカイダイビングでもしているかのように見えるが、
助かる保証のないダイビング、いうなれば飛び降りだ。
「これパラシュートとか無いのかよぉぉ!」
悠斗の叫びは虚しく風に消えていった。
「(いやまずいってこのままじゃ本当に死ぬ!)」
慌ててポケットに手を突っ込もうとしたその時、悠斗はあることに気がついた。
自分の服が私服ではなく、とある服に変わっていることに。
「(これ、ゲームの・・・?)」
悠斗がプレイしようとしていたエターナル・オンラインのゲーム内での、
悠斗のキャラクターが装備していた服である。
耐久性に優れ、ほとんどの魔法を無力化する服「シルフィード」。
空中浮遊能力を持ち、高所からの飛び降りでも衝撃が無い靴「マシュック」。
着心地が良く、使いやすさも高いため愛用者も多い手袋「レザーズ」。
すべて悠斗のキャラクターが装備していたものだった。
なぜ今その装備を悠斗本人が着ているかは理解できなかったが、悠斗は
「(なぜかは知らないけどとりあえずこれで着地はできる!)」
装備の特性を把握していた悠斗は着地しようとするが、あることに気がつく。
「(あっ、そういやこれどうやってスキル発動すればいいんだ?)」
そう、悠斗がしようとしていたことはスキル発動を行わなければならなかった。
「高所着地」というスキルを使用しなればならないのだが、
ここは悠斗がプレイしている仮想空間ではなく現実。
そんなところでどうスキルを発動すればいいか悠斗には検討もつかなかった。
「(これはあれだな、神からのお告げだな。着地すんなって。)」
悠斗はそんなことを考えていたが完全に正常じゃなかった。
「(いやいやいや馬鹿かそんなことしたら死んじまう!)」
慌ててスキル発動する方法を模索しだした。
そんなことをしていたら、雲の中に入った。
真っ白で前が見えなかったが今はスキル発動方法だけに集中していた。
すると、服のポケットから慌てて持ちだしたと思われるスマホを見つけた。
そのスマホには、「ゲームシステムパッド」という表示がしてあった。
「(ゲームシステムパッドってメニュー画面のことだよな・・・)」
悠斗は風にあおられながら画面のロックを解除、アプリを起動した。
すると、ゲームのメニュー画面をリニューアルしたような画面が表示された。
「(とりあえず、スキルをチェックしないと!)」
慣れた手つきでスキル画面を開き、「高所着地」スキルを探す。
「(確か、生活のスキルタブに・・・あった!)」
スキルタブの中の「高所着地」を選択し、着地の準備をする。
それと同時に、雲を中を抜けた。
悠斗が雲を抜けて始めた見た景色、それは
「エターナル・オンライン?」
エターナル・オンラインのワールドマップに似た景色だった。
といっても、一部だが。
気が付くと、地面が見えてきた。
ちょうどいい街の道路があるので、そこに悠斗は着地することにした。
スキルを使用し、上手く着地した悠斗は、改めて街を見て思った。
本当にエターナル・オンラインの世界にそっくりだと。
「にしても、いくら昼間だからって人居なさすぎないかなぁ?」
大人気のオンラインゲームでは信じられない程の過疎だった。
というよりも、人が居ない。
「というかゲームプレイしてる感覚で言ったけどここそんな世界じゃないか。」
当たり前だよな、現実逃避してどうすんだろとか思った矢先に、
ティロン♪
というメッセージ着信音が鳴った。
スマホを出して、メッセージを確認する。
どうやら、エターナル・オンラインのメニュー画面でできることは、
大体スマホをメニュー端末として扱えばできるようだった。
「
To悠斗様
悠斗様、先ほどのお迎えは失礼いたしました!
ですが、最善の方法が先ほどのお迎えだとこちらで判断いたしました。
話が変わりますが、悠斗様、現在町にいらっしゃいますね?
申し訳ありません!座標を間違えて転送してしまいました!
今から再転送いたします。少々お待ちください。
ゲームマスター 咲夜 」
そのメールを読んで、悠斗はまたかと思った。
「このゲームマスター咲夜ってのは誰なんだ?」
エターナル・オンラインのゲームマスターの名前は確かに咲夜だ。
公式でその名前が使われており、悠斗もそのことはよく知っている。
だが、公式から個人に向けてメールが来るなんてことはまずない。
そんな疑問を抱いていると、目の前に転送用ポータルが現れた。
「これか・・・再転送って自分で転送ポータルに入るのかよ」
愚痴を言いながらも転送用ポータルに入る。
ポータルに入り、ワープを行う。その感覚はエレベーターに近かった。
ワープ先の空間は、広かった。
何かのスタジアム的な雰囲気を出していた。
中心には大きい円柱状のシステムタワーがあり、その周りに巨大モニターが
タワーを囲むように設置されていた。
それを見ていると悠斗は自分の他にも人がいることに気がついた。
次回更新は2月28日です。