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エターナル・ストーリーズ  作者: 燐鏡 剣斗
Chapter1 「Online」
3/96

2話目 「ゲーム」

どーも、作者です。


自分の癖、というかなんというか登場人物によく喋らせてしまうんですよね。

そのせいで話のリズムが崩れてしまうかもしれませんが、

そこは目を瞑っていただけるとありがたいです。


では、どーぞ。

キーンコーンカーンコーン。

授業の終わりを告げるベルが今日も呑気に鳴る。

「授業はここまで、お前らしっかり予習しとけよ!」

国語の教科担当の先生が教卓の荷物を持って教室から出て行った。

今のが6時間目の授業なので実質今日はこれで全授業終わり。


「っだぁ~・・・今日は疲れる教科ばっかりだったなぁ」

悠斗は指を交差させてそのまま背伸びをしていた。

と、そこに

「相変わらずだな、その癖」

後ろから声をかけてくる人物が。


「うっせ、6時間目終わったらこれやるのが俺の日課なんだ!」

「ははっ、お前らしいな、『チームマスター』さんよ。」

「だから、学校でその呼び方すんなって言っただろ蒼汰!」

「はいはい、悪かったよ『マスター』。」

「だーかーらぁ!」

「はっ、やっぱりからかいがいあるわお前!」


そう、この人物こそ悠斗が大変な時に石になっていた人物の一人、蒼汰である。

2人は昔からの幼なじみでずっと昔からペアでゲームをプレイしていた。

悠斗がマスターとしてやっていけるのも、ひとえに蒼汰のおかげである。


「で、昨日は大変だったみたいだな」

昨日のことを何も覚えていない蒼汰。

石になっていたせいだろうと悠斗は思ったがあえて言わないことにした。

「そりゃあねぇ・・・アレはマジで大変だった。」


昨日のこととは、千代が悠斗の奔放さに怒り、ギルドに帰ってきた途端に

剣を投げつけたり斬りかかったりした事件である。

目撃者は多かったはずなのに、覚えているのは3人だけ。

確かに悠斗がほぼ悪いのだが・・・


「いやー、なんか気が付いたらすごく怒ってる千代が居たからさ」

「お前らにとってはそんな感じなのか・・・」

「ん?お前ら?」

「ああ、そうか。いや、実はなもう一人お前と同じ状況に居た奴が・・・」

と、その続きを言おうとした途端


悠斗の背中に寒気が走った。

嫌な予感、というよりは何かの殺意を感じ取ったというべきか。

悠斗はあたりを見渡すが誰もいな・・・いと信じたかった。

教室のドアの向こう側、つまり廊下に千代が立っていた。

殺意むき出しにして、今にも噴火しそうないらだちを足だけで表している。

そして、早く来い的なことをこちらを睨みつけながら目で言っていた。


悠斗は昨日の出来事を思い出しながら震えた声で蒼汰に、

「なぁ、お前だったら千代の所行く?」

と聞いてみた。蒼汰の答えはもちろん、

「行くな。だってこれ以上怒らせてもっと怖い目見たくないし」

「だよなぁ・・・諦めて行くか」

悠斗は絶望的な顔をしながら椅子から立ち上がり、廊下に向かうことにした。


「生きて帰ってこいよ!」

一種のフラグ、死亡フラグと呼ばれる物を蒼汰は立ててくれていた。

正直、そんなフラグより一緒に来てくださいと悠斗は心の底から思った。

無関係な蒼汰を巻き込むことは出来ないのでそんなことは言えなかったが。


意を決して廊下に出ると、教室内からは見えなかった位置にもう一人いた。

「いやー、ゆーが怒られるって聞いて止めるつもりだったんだけどね、失敗失敗」

「お前は止める気なかったどころかこれを口実にしてここに来ただけだろ」

「あ、分かる?さすがゆーだね!」

「お前現実だと男なんだからそのしゃべり方やめろ。」

千代の横に立っていたのは桜月だった。


「正直男には見えないけどな・・・」

桜月は性別上男なのだが、見た目も声もどこから見ても女にしか見えなかった。

昔のトラウマのせいでこうなったとは聞いたが、それにしても・・・

と、悠斗があれやこれや考えていると


「ほう、悠斗はそんなに昨日の惨劇を繰り返したいのか・・・!」

千代が今にも床を貫きそうな勢いで足踏みしていた。

「な、なぁ落ち着けよ。昨日は俺が悪かったからさ・・・」

「ログアウトして逃げた奴が何を言うか!」

廊下の端から端まで響くような音が鳴った。千代の足踏みだった。

「ひぃ、すいません!悪気はなかったんです!」

恐怖で思わず敬語になってしまった悠斗だった。

我ながら情けない。本気でそう思った。


「で、今回の件はどう責任とってくれるんだ?」

「いや・・・本当にすいませんでしたどうすればいいですか教えてください」

「そうだなぁ・・・じゃあこれから一週間素手だけで戦闘しろ」

「えぇぇぇぇぇ?!ちょっ、素手?!」

「なにか 文 句 で も ?」

「ないです素手で戦わせていただきます」


そんな話をしていると千代の横に居た桜月が悶えていた。

「ゆーの素手・・・なんか興奮してきたぁ」

謎の危機感を感じた悠斗はとっさに構えをとった。

「お前殴ってその性格直してやろうか」

「えぇ・・・本当に・・・?」

「なんで息荒くなってんだよ引くぞ」

桜月の考えていることは本当に分からない。


そんなこんなで千代の出した条件を飲むことにした悠斗だった。

「では、またあとで。今度は絶対に身勝手な行動はするなよ!」

千代はビシッとこちらに指を指しながらそう言うとそのまま戻っていった。

「もーこんなことしちゃだめだよ?ゆー。じゃっ、またねー!」

桜月はスタスタと歩いて行く千代を追いかけるように走っていった。


「っはぁ!」

悠斗は糸が切れたように大量の息とともにその場にへたり込んだ。

謎の緊張感のせいで足がまだ震えていた。しばらく立てそうにない。

心臓の動悸も早い。いつも異常にバクバクしている。

心のなかの自分が疲れた!と叫んでいた。


その後、足の震えが収まってからクラスに戻り、蒼汰に別れを告げた。

家への帰路で、今日の出来事を思い出して身震いしていた。


家に帰り、自分の部屋に入る。

自慢できるほどではないが、整理整頓はできると思っている方で

基本的に悠斗は部屋を常に片付けるようにしていた。

趣味がゲームと読書というだけあって、部屋の半分は趣味で埋まっている。

ベッド、ソファー、テーブル、パソコン、ラック、クローゼット。

生活と趣味に必要最低限のものだけを揃えていた。


荷物をパソコンの横におろし、制服から普段着に着替えた。

そして、パソコンの電源を付けてリビングへ。

悠斗の家は金持ちの家、とまでは行かないがかなり広い。


リビングにあったポテトチップスを手にパソコンの前に戻ってきた。

ポテトチップスの袋を開け、専用のつまみでポテトチップスをつかむ。

パソコンを操作し、いつもの様にエターナル・オンラインを開こうとする。

と、そのとき


ティロン♪

という音とともにメールが届いたことを知らせる通知が画面に出た。

蒼汰か?と思いメールツールを開き、確認した。

しかし、それは蒼汰ではなくエターナル・オンラインの運営からだった。


『To 悠斗様

 件名 はじめまして


 はじめまして、悠斗様!私、ゲームマスターの咲夜と申します。

 今回、ゲームのアップデートに伴い、皆様をゲーム世界に招待いたします!

 心ゆくまで、お楽しみください!なお、10分後にお迎えに上がります♪

                         ゲームマスター 咲夜』


悠斗はメールの意味が理解できなかった。

ゲーム世界に招待?お迎え?そんな非現実的なことあるわけない。

イタズラメールだと思い、悠斗はメールをゴミ箱に送り、削除してしまった。

「さてと、ログインするか・・・」

エターナル・オンラインのアイコンをクリックし、起動する。

そこまでは、いつも通りだった。


「え?」

起動とともに謎の光が画面から溢れ出た。

その謎の光は悠斗を引っ張るように画面に引き寄せていく。

「なんだっ・・・これっ・・・やばい!」

とっさにバッグを掴み、中にあるスマートフォンを掴むが、

「あっ」

足が滑り、そのままパソコンの中へ悠斗は消えてしまった。

次回更新は2月21日です。

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