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エターナル・ストーリーズ  作者: 燐鏡 剣斗
Chapter1 「Online」
2/96

1話目 「マスター」

どーも、作者です。


詳しいことはプロローグの前書きに。

今回の話、実は人物紹介の話となっております。

なので、すこし読みづらくなってます。

申し訳ありません。


では、どーぞ。

カチカチカチカチ・・・カチッカチッ

カチカチカチカチ・・・

「おっ、やっと出た・・・この作業結構辛いなぁ」

パソコン画面を前にしてそんなことを独りごちるプレーヤーが居た。


プレーヤーは画面の中の自分の分身を見ていた。

「それにしてもこんな依頼引き受ける物好きなんているのか?」

敵がドロップした目当てのアイテムを拾いながらクエストを確認する。

そのクエストは比較的簡単な部類に入るレベルだった。

むしろ、依頼者が行ったほうが楽なのではないか、と思うほどだった。


今回依頼されたクエストは敵のドロップ品収集。

その敵のレアドロップと呼ばれるなかなか出ない部類のアイテムだが、

比較的初心者でも狩れるのであまりこのクエストを依頼する人は居ない。

だが、依頼の数に反比例して錬金術士にとって必需品クラスの物でもある。


「さて、とりあえずクエスト完了だし街に戻るとするか・・・」

そう言うと「テレポート」スキルを使って街に戻った。


街に戻りクエスト依頼者に完了の報告を済ませ、街を歩いていると、

ティロリン!

と、メッセージの着信音が。

メニューからメッセージボックスを開くとそこには


『なぁ、今どこだ?俺は今ギルドに居るんだけど今すぐ戻ってこれるか?

 戦女神様がうるさくて、「あいつはどこだ!」ってずっと探してる。

 他の2人も止めようがないから早くギルドに戻ってきてくれ。

 頼んだ!

                    戦女神の騎士より』


「あいつシャレたメッセージ打つようになったな」

苦笑いしながらメッセージを閉じ、メニューからギルドに戻った。


ギルド。

それはこのゲームをプレイする中でプレーヤー達の拠点となる場所。

プレーヤー達はゲームに慣れてくるとと5人1組のパーティを組むようになる。

そのパーティが「チーム」と呼ばれる。

「チーム」が出来たプレーヤー達はギルドという拠点を造る。

ギルドができたチームはゲームマスターからギルドとして認められ、

チームでのクエスト参加の許可を認可する。


ギルドには好きなモノを置いていいので、チームごとに個性が出る。

現実の家のような内装のチーム。

戦闘に特化した武器庫のような内装のチーム。

魔法に特化した研究所のような内装のチーム。

各ギルドそれぞれで部屋の内装は大きく変わってくる。


このプレーヤーが所属しているのは通称

『ヴァイスリッター』と呼ばれるギルドだ。

チームメンバーが全員が白を基調としているところから付いた。


このチームの内装は、家をイメージしたものだ。

ゆったりくつろげて疲れが取れるから、

というメンバー全員の提案でこういう内装になった。


そんなギルドに戻ってきたプレーヤーだったが、ギルドに入った途端

「いい度胸してるじゃないか悠斗!」

ピンと張り詰めたような声とともに柄に羽がついた剣が飛んできた。

悠斗と呼ばれたプレーヤーが顔めがけて飛んできたその剣を避けると、

「さっすがゆーだね!回避スキルはギルドいち!」

投げた人物のすぐそばの人物が笑い混じりにそう言った。


「なぁ、絶対オレが帰ってくるタイミング予測して構えて待ってたろ」

悠斗と呼ばれたそのプレーヤーが恐怖混じりに聞く。


『【相田あいだ 悠斗ゆうと】男。称号は「ヒーロー」。

 エターナル・オンラインのヘビープレーヤー。

 多種多様の武器やスキルを使い戦う。職業は「マスター」。』


「当たり前だ、チームメンバーをほったらかしてクエストに出る

 マスターがどこに居る!」

厳しい声とともに辛辣な言葉が悠斗めがけて飛んでくる。

「いや本当にスイマセンでした今度から気をつけますはい」

いくらギルドマスターの悠斗といえどこの人物には強く言えない。

今回の件は確かに自分の身勝手な行動によるものなのだから。

今度はしっかり言って行動しようと心に誓う悠斗だった。

と、ビクビクしながら謝っていると


「まぁまぁ、ゆーも反省してるし今回くらいは許してもいいんじゃない?」

と、悠斗に怒っていた人物のそばから声が聞こえた。

「お前は甘すぎる!もう少し悠斗に反省させろ!」

「怒ると肌に悪いよ?もーすこしゆとりを持たなきゃー!」

「お前はゆとりを持ちすぎてる!もっとシャキッとしろ!」

「はーい♪」


そんなやりとりを見て悠斗は心から思った。

「(あんな感じで言いくるめられてるの見るとなんか複雑だなぁ)」


ちなみにこの喧嘩している2人は悠斗のクラスメートである。


『【三上みかみ 千代ちよ】女。称号は「ヴァルキュリア」。

  エターナル・オンラインのベテランプレーヤー。

  先陣を切り、前に出て指揮をとる。職業は「戦女神」。』


『【中村なかむら 桜月さつき】男。称号は「ラック」。

  エターナルオンラインのライトプレーヤー。

  仲間にバフを掛けたり回復を行う後方担当。職業は「シスター」。』


なお、切れているのは千代、それをなだめているのは桜月である。


そんな2人を見て悠斗は奥の方のソファに座って微動だにしない2人を見つけた。

とりあえず近寄って声をかけてみる。

「おーい、蒼汰、智恵。なんで微動だにしないんだ?」

声をかけるが2人は一向に動こうとしない。まるで石像になったみたいに。


『【貴志きし 蒼汰そうた】男。称号は「ナイト」。

 エターナルオンラインのベテランプレーヤー。

 一撃離脱、全体防御の戦闘スタイル。職業は「聖騎士」。』


『【坂波さかなみ 智恵ちえ】女。称号は「ソフィア」。

 エターナルオンラインのライトプレーヤー。

 仲間に指示を出しながら後方から魔法で攻撃する。職業は「魔導軍師」。』


悠斗が何度も声をかけていると後ろから、

「ああ、あまりにもギャーギャー騒ぐから石にしちゃった♪」

と桜月がおぞましい一言を言いながら近寄ってきた。


軽々と『うるさいから石にした』なんて言葉が出るとは・・・

恐怖すら感じた悠斗だった。

「ところで、これもちろん解けるんだよな?」

「もっちろん!僕はこう見えて天才だからね!」

「質問と答えが噛み合ってない気がするがまぁいいか」

「いいの?なーんだ、もっと突っ込まれると思ったのにー!」

桜月は悠斗に飛びつきながら文句を言っていた。

「やめろくっつくな!お前さり気なくスリスリすんな!」


このオンラインゲーム、他のゲームに真似できない売りがあり、

なんとゲーム内の感覚がリアルで味わえるという機能がある。

その場合、別売りの機械を買わなければならないが、

リーズナブルな値段なので買い求める人も多い。

悠斗もその機械を使っている一人である。


桜月は現実世界では男だが、ゲームの世界では女キャラである。

いくら中身が男だとわかっていてもさすがにドキドキしてしまう。

というか男の俺にくっつくなやめろと言いたいくらいにべったりしてくる。

嬉しいのか悲しいのかわからない。


悠斗がくっついてきている桜月を離そうと頑張るが、

まるで接着剤でくっついているかのように離れてくれない。

すると、風を切る音を立てながらさっき自分に飛んできた剣が

もう一度飛んできた。

悠斗はまたもや顔に飛んできたその剣を紙一重でかわし、

桜月は悠斗の体に隠れていたためかすりもしなかった。


「ちよちゃん!何するの!」

桜月は精一杯の声で千代に言うが、

「うるさい!その呼び方やめろ!私は今頭にきている!」

千代はそれに対して今にも爆発しそうないら立ちを見せていた。

両手に持った剣2本をこすり合わせながらこっちに近づいてくる。

「お前ら私が見てないと思っていつまでもイチャイチャと・・・!」

地面で剣を鳴らしながらこちらに来る。


「ま、待て!話せば分かる!じゃない、俺がやったんじゃない!」

悠斗は慌てて弁解に走るが、くっついている桜月が

「えー、ゆーが誘ったんじゃん!こっちこいよってぇ」

桜月は照れくさそうにしていた。

「お前はいま喋んな!話がややこしくなるだろ!」

「ええい、うるさいうるさい!お前らは私が成敗してくれる!」


そういうと、千代は剣を構えてそのまま悠斗に切りかかってきた。

「ちょっ、危ねぇ!」

悠斗はその場から飛ぶように離れると、急いでメニューを開いた。

「あっ、まて悠斗!ログアウトする気だな!」

「当たり前だ、お前にそんなもん振り回されて逃げないわけ無いだろ!」

「誰が逃すか!ログアウトする前に行動不能にさせてやる!」

「行動不能になったらその後延々と説教されるからパス!」

「お前に拒否権はない!覚悟ッ!」


千代が床を蹴って跳びかかり、その勢いに横回転を加えながら剣を振った。

その剣は、悠斗に届・・・かなかった。

剣が悠斗を切る前に悠斗が消え、悠斗が居たはずの空を切った。

そのまま着地した千代は、床に剣先を降ろし、ため息を付いた。


「また逃げられたか。まったく、あいつにマスターとしての自覚はあるのか?」

その後床に倒れている桜月を見て、

「お前もお前だ、いつまで服で床を掃除しているつもりだ」

呆れたような声でそう言った。


ログアウトした悠斗は体につけていた機械を外し、ベットに横たわって、

「怖かったぁ・・・洒落にならんほど恐いよあいつ」

心底千代にビビっていた。

疲れていたのか、そのまま悠斗は寝てしまった。

翌日に起こる事件を知らないまま。

次回更新は2月14日です。(予定)

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