食堂2
メニューに記載された料理は多種多様で、どうやら様々な国の料理が存在するらしい。
そんななか俺は『ちらし寿司』なる食べ物が目に入りそれを頼んだ。
フィリアは『ポークシチュー』、ロウダスが言った通りの茶色くシチューのようなものが底の深い料理に盛られている料理。先ほど彼女の口から出てきた料理だが、恐らく毎度食べているやつ何だろうな。そしてそれ以外にカレー?とハヤシライス?も好きなのだろう。
俺が頼んだ『ちらし寿司』はご飯の上に細かく刻んだ卵やキノコ、生魚の切り身などが乗っている色鮮やかな料理だった。フィリア曰く、極東の料理らしい。
「そうだ、フィリア。いろいろと教えてほしいんだけど…」
「あー、なるほどりょっかい。それじゃ聞きたくない人も中にはいるから離れたところに行こう」
どうやら俺が言いたかったことを理解してくれたらしく、人の少ない奥の席に向かい合わせになるように座った。
「何についてか言わなかったけど、聞きたかったことってあれでしょ?『木化病』について」
薄々疑っていたけどフィリアは理解してくれていたようだ。
うん。と返事をすると彼女はポークシチューを一口分スプーンで掬いあげ口の中に運ぶ。上唇と下唇を重ねてスプーンを引き出し、掬いあげた液体を口内に落とす。共に乗っていた野菜を細かくするため咀嚼し、飲み込む。
飲み込まれたそれは食道を通って胃へと落ちていく。
「さて、それじゃ説明しまっか!」
そう言って一緒に持ってきた水を一口飲み初期症状から末期症状までの説明を始めた。
初期の頃は大まかに二種類あるらしい。また患者によって進行順序が変わってくるそうだがまとめるとこうだ。
【初期症状】
・身体のどこかにしこりが生まれる。
俺の頬にできた瘤など。
・毛色が急激に変化する。
フィリアはこのタイプらしい。
【第二段階】
・しこりが肌の外部にまで浸食し完全に木のものとわかる状態となる
・体臭が花の香に変化する。
【第三段階】
・別所から枝が生え始める。
人によっては体毛が変化するのが先または同時進行と変化。
体毛が変化した場合いずれ体臭がその花の香に変化。
また身長が急激に伸び始める人もいる。ロウダスはこの状態。
・身体の何処かにしこりが発生し、枝が生え始める。
【第四段階】
・体内器官が大きく変化し、人が食すものを受けつけなくなる。
この段階でほぼ全ての患者がその植物があるべき土地に移り住む。
【第五段階】
・筋肉が硬直しまともに動くことが不可能な状態となる。
この状態になったら会話はできないと思った方がいい。
【第六段階】
・骨及び筋肉は木と化し、背丈は伸びるが動くことが不可能となり地に根を下ろす。また、意識はほぼ皆無。
【最終段階】
・意識を完全に消失。体の芯から木となり木として成長を続ける。
といったものだ。
「まぁ、こんな感じだね。いやぁこの話を大勢の前ですると悲観的になった子の病状が大きく進行して周囲巻き込む大惨事になるから注意しなよ」
「ゴブッ…そんなことをここでいったのかよ!!」
飲みこもうとした米が喉につっかえ、なんとか飲み込んでから突っ込んだ。
恐ろしいことをこんなところで聞いていたのか。
「だって聞いてきたのはエリルでしょ?あむっ」
スプーンの先をゆらしながらこちらを指して言ったあと一口分すくって口の中に放り込む。
スプーンの先を宙に浮かせ、次はどこから掬いあげようかとしているかのように皿の上を見つめながら咀嚼している。
「いやいや、それを先に言ってくれたら聞く場所変えたって」
「まあ、終わったあとでいろいろといってもしょうがないからさっさと食べて次いくよ」
「うぃっす」
因みに、次向かう場所は図書館だそうだ。




