部屋2
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部屋に戻った俺は早速ベットに潜って寝た。
ベットがふかふかなのが悪いんだ。
俺は悪くない。
起きてから資料を覗こう。
夢の中では良い香りがしていた。
何やら食べ物の匂いというわけでもない、どちらかというと花の香りのような……。
香りのする方へと俺は手を伸ばす。
何から発せられているのかこの手で確かめていたかったからだ。
そっと手を伸ばす。
だがそこには何もない。
手先が宙を掻いているとふと手先に何かが触れた。
恐る恐るそれに触れてみると温かみのあり、モチモチとした感触……これから匂いが発せられているのだろうか……。
終には目で確かめたくなり目を開いてみると。
そこにはフィリアがいた。
「のぅわあっ!」
俺は驚いた、そりゃあそうださっき別れたはずの人が目の前にいるんだから。
「エリル……何寝ぼけて私の顔プニプニしてたの……」
「え」
どうやら夢と現実が同化していたらしい。
「あ、すまん」
「んー、ま、いいよ別に声をかけなかった私も悪いんだし」
と言いながらフィリアは近くのテーブルにあった金木犀の資料を手に取り目を通していた。
「ふーん、いい香りのする花かぁ……」
「へぇ、そうなんだ」
「目ぇ通してなかったの?」
「え、あ、うん」
俺が返答すると彼女は呆れ顔になり資料を俺に軽く投げつけて言った。
「ちゃんと自分の成る木のことぐらい覚えておいてね、旬の季節には花の香りが強くなったりするし」
「へぇ……そうなんだ」
俺は投げ渡された資料を見てみる。
そこには写真付きで事細かに金木犀について綴られていた。
「うへぇ……すげぇ」
「まぁ私も最初はそうだったね、でもまぁ暇なときに目を通してたりしてたらさ、私なんだか自分の成っていく木のことが好きになっていったというか何と言うか……」
彼女は微笑みながら言った。
確かに自分が木になっていくというのは恐ろしい。
今まであったモノが何もかも奪われていったかのようで……。
本来は自分が成っていく木のことは嫌いになるのが普通だろう。
だがこうやって成る木のことを学び、共に生活をすることによって彼女のようにその木が好きになるんだろうな。
生涯ずっと共に生き続けるモノでもあるし。
俺は将来金木犀の花の色のようになるであろう髪を掻きながら答えた。
「俺も……俺も金木犀のことが好きになれたらいいなって思う。だから学ぶよ、この金木犀のこと。生涯付き合っていくパートナーとなるんだから嫌いよりも好きになった方がずっとずっと楽しいだろうし」
「うん、そうだねっ」
彼女は涙を浮かべて返事をした。
ガチャっと扉を開く音がその話を遮った。
「エリルさーん、そろそろ施設の案内をー……フィリアさん!?」
「あっどーもーリガヤさん!」
彼女は先程までの表情が嘘かのように元気な声で返答した。
「リガヤさん、エリルへの施設の説明は私に任せてもらえませんか?」
リガヤさんは少々驚き、少し考えてから言った。
「確かに他の人に紹介するとき私より貴方の方が好ましそうですから別に構いませんが、しっかりと説明してくださいね。昔私が貴方に教えたかのように。」
「はーい!」
……と、俺はこのあとフィリアから施設の説明を受けることになった。
「じゃ、エリル最初は食堂に行こう!十二時過ぎてるし」
そうすると彼女は颯爽と部屋から出ていった。
俺もはぐれまいとそれについていった。




