検査結果
「……………………………………………………!」
どこか遠くから声が聞こえる。
残念ながらどのようなと言葉なのかは聞き取れない。
「……………………………………さん!」
次第にその声が大きくなってきた。まるで俺に言っているかのようだ。
「エリルさんっ!」
遠くから聞こえてきた声がいきなり耳元で大声で叫ばれたかのように聞こえて飛び起きた。
「やっと起きてくれましたか……。さ、エリルさん、検査の結果が出たので検査した部屋まで来てください」
……なるほど、俺は寝ていたのか。
それもまぁ仕方ない。このベットが気持ちよすぎるのだ。俺は悪くない、悪くない。
と、自分に言い聞かせて既に部屋を出たリガヤさんの後について行った。
部屋に入ると検査時に採血を行った医者が席に座って待っていた。
「お、やっと来ましたか!多分寝てたんでしょうね」
バレたか。
「えー、あー、いやぁ、まぁそんなところです」
「ん、じゃあこの席に座ってください、検査結果言いますから」
医者は俺の言葉を無視したかのように発したこのように聞こえ、渋々言われた席に座る。
まるで俺を焦らしているかのように医者は中々発表をしない。
早くしてくれ。
「えーっとですねー検査の結果、エリルさんに生えてる木の種類は“金木犀”ですね」
「えっ、きんもく……え、なんですか!?」
聞いたことのない名前だった。その為聞き返してしまった。
「木です」
それは分かっとるがな。
「あとで資料を部屋に送っときますのでちゃんと目を通してくださいね」
いやだから“きんもく何”なんだよ!
「それじゃ私はこれから金木犀になっていくエリルさん専用の薬品の調合を行わないといけないので私はこれで」
この医者さらっと言いやがった。
普通に言ってかれればいいものの……。
と思っているうちに医者は部屋の奥の扉から消え、この部屋には俺とリガヤさんのみとなった。
「それではエリルさん、部屋に戻りましょうか。大体の施設の説明は午後から行いますのでそれまでゆっくりしていて結構ですから」
とリガヤさんに言われたため席を立ち部屋を出た。
「あっエリル!検査の結果どうだった?」
部屋を出ると目の前にフィリアが立っていた。
「ん、あー、えっとき、きんも……」
「金木犀です」
「あー!それそれ」
覚えられずにいた金木犀の名をリガヤさんが代わりに答えてくれた。
「へぇー!金木犀かぁー!」
「え、フィリアはどんなのか知ってるの?」
「いや全然」
おいっ。
と思っているとフィリアは金木犀についてをリガヤさんに訪ねていた。
「リガヤさんは知ってるの?金木犀」
「金木犀ですか……私が担当していた人には金木犀になっていく人がいなかったものですから詳しくはわからないですね」
「じゃわかっている範囲でお願いします」
「わかっている範囲ですか……ええっと…… 植物界 、被子植物、真正双子葉類、コア真正双子葉類、キク類
真正キク類I、シソ目、モクセイ科、オリーブ連、モクセイ属……」
と、リガヤさんは俺には訳のわからない言葉を連ねていく。
するとフィリアはそれを止めに入っていった。
「ちょっとちょっとちょぉぉぉぉっと待ったああああ!」
「はいなんでしょうか?」
「詳しすぎでしょ!?」
「いやいやこれは施設の者として基本的なことで……」
「嘘でしょそれ、リガヤさん冗談だと言ってください!」
「冗談ですよ?エリルさんをお呼びする前に結果は聞いていたので先にさらっと資料を見てたんです」
「冗談なのかいっ!」
「ぷっ……」
フィリアとリガヤさんのトークがなんとなく笑えた。
「あ、ごめん」
「ん、いやいや別にいいよエリルの笑顔とか見れたし」
「ええ、笑うことはいい事ですよ。よく笑えば笑うほど病気の進行は遅くなるそうですし」
「えっ、それは……冗だ」
「冗談ではないですね」
「と言いながら…………?」
「さっ、エリルさん部屋に戻りましょうか」
「え?私の言葉は無視っ!?無視なの!?」
その流れに軽く笑いながら俺はリガヤさんの後について行った。
「おーい」
後ろからフィリアの呼ぶ声が聞こえる。
「後でエリルの部屋に行くからねー」
のような声が聞こえたため両手を上げて丸を作り無言の返答した。
因みに金木犀の花言葉は
謙虚、謙遜、真実、真実の愛、初恋、陶酔
です。




