部屋
「はーい、じゃ、採血しますねー」
二の腕あたりをゴムで締め付けられその下を真ん中が空洞の針が襲う。
皮膚は最初は侵入を拒むもののあっという間に針は皮膚の抵抗を意にせず容易く突き破り体内へ侵入する。
その瞬間俺を針を刺した痛みが襲い顔を歪める。
医者には力を入れないでくださいと言われているが思わず力が入りそうになりそれをなんとか押さえ込む。
体内に入った針は俺の中を駆け巡る血液を容赦なく吸い込み反対側についている容器にそれを溜め込む。そしてすぐに針は腕から抜かれて先程まで針の刺さっていた所からは血がでて小さな玉状のものを作っていた。そこをすかさず医者は極小のガーゼをあて、外れないようにテープでしっかりと留める。
「はいよく我慢できましたー」
医者からのお褒めの言葉をいただく。
「それじゃリガヤさん、彼を一度部屋に連れていってください」
「わかりました。それではエリルさん、こちらに来てください」
俺は言われるがまま座っていた椅子から立ち上がりこの場から立ち去っていくリガヤさんに着いていく。
この施設に来ていきなり採血することになったため心の準備ができずにいたが何事もなくおわって良かったと思う。
先程の部屋から出てしばらく廊下を歩き、謎の箱…改めエレベーターに乗り上へ向かう。
俺の村にはこのようなものは存在しなかった。そもそもこれを必要とする建物がまずなかったな。
そう思っていると扉が開きそこから出て再び廊下を歩く。
するといきなりリガヤさんは扉の前で立ち止まった。
「こちらになります」
そう言うと目の前にあった扉をあけて中に入る。俺もすかさずそれに続く。
「今日からここがエリルさんの部屋です」
今日何回驚いただろうか、部屋の大きさは俺の家の大きさとさほど変わらない。それほど大きかった。
「あと、これがこの部屋の鍵です」
そして鍵を手渡される。
扉が開かないようにするためのものらしい。
俺の村には他人の家に侵入するようなことをするものはいないためこんなものはなかった。
この場には俺の村にはないものばかりた。慣れるのに時間がかかりそう。
そしてリガヤさんはしばらくここでくつろいでいてくださいと言葉を残してこの場から立ち去った。
俺はとりあえず部屋の奥に進みまず最初に見つけたベットの方に向かいそこに座る。
自分の家の堅苦しいベットを想像して座ったのだが思ったよりかなり柔らかくそのままベットに倒れ込んでしまった。
柔らかい。率直な感想だった。
俺はその柔らかさと気持ちよさに身を委ねて、歩き疲れた体を癒すため瞼を閉じ眠りにつくことにした。




