広場 ー道ー
「おお……」
圧巻だった……。壁の中には広大な広場が広がり反対側の壁は霞んで見えるほどだった。広場には様々な木々が所々に生えており、散らばるかのように人々が遊んだり散歩したりなど色々とやっている。勿論その中の殆どは身体から木が生えていた。
「すごい……ですね」
「ええ、この施設に来た方々は皆そういいます」
「ところで……ここら辺じゃ見ない木が生えてますけど……なんなんですか?」
俺は取り敢えずこの広場で気になったことを質問として施設の方に投げかけた。すると相手は一瞬暗い顔をして答えを返すため口を開いた。
「あれは……病により………………」
「あっ……すみません!聞いちゃいけないことでした……よね?」
「まぁ……いいですよ。ここには来たばっかなんですし」
「ごめんなさい……ありがとうございます」
俺と施設の方(名前はなんなんだろうか……)は広場に軽く舗装された道を施設の建物方向に歩き出した。
しばらくするとじょせいの声が耳に入ってきた。
「リガヤさーん!」
聞いたことのない名前をこちらに向けて言っているように聴こえたのでふと声の発生源の方を向いた。振り向いた後に気づいたのだがリガヤと言う名はこの施設の方に名前だったのではないだろうか。発生源らしきの白に限りなく近い桜色の髪の毛の少女は手を振りながら小走りでこちらにやってきて施設の方の前で立ち止まった。
「リガヤさん……新しい方ですか?」
彼女は息を上げながら質問する。
「ええ、そうです」
リガヤ……と言う名らしき施設の方は簡潔にその質問に答えると彼女は今度、俺の方を向いてきた。
「どうも!はじめまして!私の名前はフィリア。よろしく!」
「あ、ああ…どうもよろしく。俺の名前はエリル」
元気な人だな……直感でそう思った。
「まぁそんなに緊張しなくていいよ!楽に行こうよ楽に!」
「は、はぁ……」
元気すぎるのではないか?こんな女子初めて見るような気がする。
「そうだ、フィリアさん。3人で行きませんか?」
「あ!いいですよ!ちょうど私も暇してたところですし」
というわけで建物の方まで向かうのに新たに一人加わって3人で向かう事になった。
「そういえば……なんかいい花の香りがしますね」
「あっそれ多分私のせいかな……アハハ」
フィリアは軽くはにかみながら答えた。
「私ね……体から生えてる木の名前がね遠い所に生えている桜って種類の木らしいんだ。春になると満開の白く仄かにピンク色の混ざっている綺麗な花なの。んでね、花の咲く木になる人はねその花の香りを体から発するのよ。他にも髪の毛の色がその色になっていったりとか……ね?だから私の髪の毛の色はこんな色なのよ」
「そう……なんだ」
元気な彼女がすこし暗い顔をした。言うべきじゃなかったな。
「あっそうだえーと、エリルくん!」
「エリルでいいよ」
「じゃ、こっちもフィリアでいいよ!…………で、これから建物に行ったらなんの木になるのかっていう検査があるからなんの木になるかわかったら教えてくれない?」
「あっ……わかった。フィリアも教えてくれたんだしこっちだって教えるよ」
「ありがと!」
「あっそうだ申し遅れました……エリルさん」
俺と彼女の会話を止めるが如く(終わったからいいのだが)施設の方が割り込んてきた。
「私の名前は先ほどフィリアさんが申し上げた通りリガヤと申します。以後お見知りおきを」
「よ、よろしくお願いします」
こうして俺とリガヤさんとフィリアは建物に向けて再び歩き出した。
………………道のり長いな……。
因みにフィリアさんの桜の品種は染井匂です




