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木化病  作者: 968
2/8

施設

馬車に揺られ続けた俺は夜明けと共に施設にたどり着いた。

「ほれ、エリルさんや。着いたぞい」

「ん…んん…………」

馬車の中ですっかり熟睡していた俺は馬車の操縦者に起こされ目を開ける。

「出てきなさい。施設の方がお見えですぞい」

「あ、はい」

俺は言われるがまま馬車から降りた。

目の前には俺のいた村ではまず見ることのないような巨大な壁が存在しており、俺は漠然とした声を漏らす。

「あ……あ…………」

「あなたがエリルさんですね。はじめまして、この施設で働いているものです」

「あ、はい、どうも」

何処からともなくいきなり声をかけられたため声が縮こまってしまった。

「エリゾウさん。わざわざありがとうございました」

「いやぁこれがワシの仕事ですからなぁ……では、次が来るまでワシャあ家に居ると思うからそん時にまた」

「その時はまた宜しくお願いします」

するとエリゾウという名らしき人物は軽く手を振りながら馬車に乗りこの場から立ち去っていった。

「あ、ありがとうございました!」

俺はここまで送ってくれたエリゾウさんに大きく頭を下げ礼を言った。

「では、エリルさん。施設に入りましょう」

「あ、はい」

そこで俺はふとした疑問を施設の人に尋ねる。

「そので目の前にある壁はなんですか?」

「ああ、これですか?これは施設を囲む壁です。ざっと一辺1kmですかね……」

一辺1km……俺はその言葉に唖然する。確か俺の村の田はだいたい一辺50mだったはずだからその20倍はあるということになる。しかしなぜそんな壁が存在するのだろうか。そう更に疑問を浮かべていると施設の人はそれを読み取ったかのように続きを言う。

「これは襲来者から護るためです」

「襲来者?」

「ええ、あなた方のように木化病を発症してしまった人々をよく思わない人は普通にいます。確かエリルさんの村も(わざわい)を及ぼすからと(ねた)まれ嫌われていましたよね」

「はい。確かに俺の村はそういう風習が昔からあります」

確かにそうだ。もしそんな風習が俺の村に無かったら俺はどのような生活を営んで居たのだろうか……。

「さて、早く入りましょう。今ここで木化病を嫌う人に襲われないように」

「あ、はい!」

そして俺は施設の人に連れられて壁の奥へと突き進むのであった。

一話を書き上げた後知ったのですが……木化病って本当にあるそうですね……驚きです。四肢から木材になっていきいずれ死に至るそうです。

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