婚約破棄された伯爵令嬢は、護衛騎士の一途な溺愛で救われます:シリーズ
婚約破棄された伯爵令嬢は、旦那の帰りを待つ~魔物討伐から無事に帰ってきますように~
本編はリリアナ視点です。
シリーズもの第4作目です!
1作品目=婚約破棄「N6378MQ」
2作品目=溺愛日常「N7480MQ」
3作品目=王宮事件「N6257MS」
「どうして、リック……貴方が行かなくてはならないの!」
リリアナは、泣きじゃくる。
「すまない……」
リックはただただ、謝ることしかできない。
「リリアナちゃん……あのね、リックはこう見えてとっても強いのよ!だから、招集がかかってしまったの……」
アイヴィーは、リリアナを抱きしめる。
「姉上!でも、でも!どうしてリックが行かなくてはならないのよ!危険な魔物討伐の先発隊に!あんまりよ……それに、帰ってこれるかもわからないじゃないの!」
リリアナは、アイヴィーの肩に顔を埋める。
「リリアナ、陛下からの招集は断れないんだ……」
リックは、一歩前に出て言う。
「陛下が……?私夫に交渉してきますわ!ちょっと待ってなさい!」
アイヴィーは、ものすごい勢いで部屋を飛び出していった。
「すごい勢いね……っ」
「あぁ、姉上の行動力はすざまじいからな」
二人は、扉を見つめる。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「あなた!!!」
アイヴィーは扉を勢いよく開ける。
「えっと、今重要な書類の審査を.......」
王太子は、周りの側近を見ながら言う。
「こっちだって緊急なのよ!じゃなければ来ないわ!」
アイヴィーは王太子の机に詰め寄る。
「それは……」
王太子は、戸惑う。
「あー…君たちこれは夫婦の話だから退室しなさい」
王太子は、側近を部屋から退室させる。
「で、本題はなんだ?」
「どーせご察しなんでしょ?」
王太子は、顔を引き攣らせて作り笑顔でにっこりと笑う。アイヴィーは、顔が真っ赤になった。
「君の弟のことだろう?」
アイヴィーはその発言を聞いて、怒りが沸点に達した。
「知っているなら、どうしてっ!!!」
アイヴィーは感情のままに叫ぶ。
「…今回はすでに人的被害が出ていて、リックの力を借りなくてはならなくなった…リックには大隊を一つ率いてもらう。向かうのはルーフの森だ。私が知っているのはそれだけなんだ…」
王太子は朝から静かに立ち上がり、言う。
「アイヴィー、私が知った時にはもう手遅れだった。もう、変えられないんだ。何もできなくて、行動で示さなくてすまない」
王太子は、アイヴィーを抱きしめて耳元で囁く。
「わかったわよ…」
アイヴィーは、顔こそ赤くないものの耳は真っ赤。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「じぁあ、行ってくるよ!リリアナ、姉上!そして殿下!」
リックは、馬に乗る。
服は騎士の制服であり腰には剣が下げられている。
「待って!リック…これを!ハンカチを差し上げるわ!手紙もあげる!あと、手紙ちょうだいね?」
リリアナは、泣きながらリックに手渡す。
リックは慌てて馬から降りて受け取る。
「ありがとう…愛してるよ、リリアナ!できるだけ早く戻ってくるから、それまで待っててね」
リックは、リリアナの頬にキスをする。
「リック…これを持っていくといい…せめてもの詫びだ」
王太子は、リックに装飾のついた立派な剣を渡した。
「よろしいのですか?」
リックは、その剣を見て言う。
「あぁ」
王太子は優しく微笑む。
「ありがとうございます!王太子殿下!」
リックは笑顔で受け取る。
「『王太子殿下』か。アイヴィーが姉上なら私は兄上で構わないが?なんなら、セルジオでも構わんぞ?」
王太子は、右手で顎を撫でながら言う。
「流石に恐れ多いので、セルジオ様と呼ばせていただきます」
リックは笑顔で言う。
「ははは!!それでいい!リリアナ嬢のことは任せておけ。アイヴィーの側に置いておけば、護衛を増やしても問題ない…」
リックの耳元で王太子は言った。
リックは、目を見開く。
そして、「ありがとうございます」小さく呟いた。
「期待しているぞ?」
王太子は、リックに向かって言う。
「えぇ、必ずや」
リックは片膝をつき、王太子の手から剣をもらう。
「では、行ってきます!」
「ご武運を!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
「リリアナ!!届いたわよ!リックからの手紙が」
アイヴィーは、部屋で掃除をしていたリリアナのもとに走ってきた。
「えぇ!本当ですか!?」
「なんて書いてあるの!?」
2人は、ソファに隣同士に腰掛けて、手紙を開ける。
◆◆◆◆
私の愛する妻リリアナへ
手紙とっても嬉しかったよ。
この手紙を開けてる時に、周りから覗かれてとっても恥ずかしかった。だって、顔真っ赤だったら。
今、隊長としてだいたい500と少しの人と一緒にいます。なぜか、この間ね魔物をたおしま倒しまくってたら、狂犬とか血塗られ隊長などと言う変なあだ名をつけられたけれど、なんだか強さを認められてるみたいで嬉しいよ。
僕が強いのは、幼い時に君を守るために努力したのが報われたようでね。
普通なら嫌なんだろうけどさ、そんなことないんだよね。本当に不思議だ。君のためならなんでもできてしまうかもしれないよ。
あ、あと詫びたいことがあって君にもらったハンカチに少し血がついてしまったんだ。本当にすまない。
まぁ、とにかく僕は元気だよ。
リリアナは?
毎日リリアナのことを想像してます。
早く帰って貴方を抱きしめたい…
こんなに、会いたいと思ったことはないかもしれません。
本当に大切な人ほど、こう言う時にその存在の大切さを思い知らされるんですね。
僕も、リリアナ貴方のことが大好きです。
いいえ、愛しています。こちらが適切ですね。
返事を待っていますね。
リックより
◆◆◆◆
「何これ…重過ぎない!?」
その手紙を読んだアイヴィーは絶句していた。
「どれだけリックは暴走したのでしょうか?このあだ名…」
リリアナは、その手紙をみながら笑う。
「え?リリアナ…」
アイヴィーはリリアナの目から大粒の涙が溢れ出して、手紙を濡らしていることに気づく。
「私もっ、会いたいです!リック」
リリアナは、手紙を握りしめる。
「ところで、リリアナ!貴女いったい手紙に何を書いたの?」
アイヴィーはふと、聞く。
「…秘密です!姉上」
リリアナは、一瞬固まったがアイヴィーを見る。
読んでいただき、誠にありがとうございます。
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〜次回予告〜
次回は、リックのお話を作ろうかなと思ってます!




