東京
「何だい?この四角いの。」
「電車ですよ。新幹線でもいいですけど、せっかくなら景色を見ていきたいと思って。あと、新幹線で行ったら早く着いて仕事が増えるから。」
「若いやつはもっと働きな。」
「うっ」
これに関しては何も言えない。実際、この人たちが今の日本を作ったんだから。
シャーッ
「扉開きましたね。乗りましょうか。」
僕たちは乗り込み、空いている席を探す。ターボババアは一瞬で席を譲ってもらっていたけど。
(仕方ない。立つか。)
電車。夜中はタクシーで移動し、朝、駅につき、時計を見れば時間は七時半。通勤ラッシュ時だ。乗れるかどうか不安だったけど、何とか乗れた。すると、改札からここへ続く階段から声が聞こえた。
「電車ぁぁぁぁぁー!まってぇぇぇぇぇー!」
JKだろうか。駄目だ、間に合わない。するとそのJKは一直線に僕のいる一両目に向かってきた。が、もう限界まで入っており、こちらに着く前に進路を変え、二両目に走って行った。
「ドアが閉まりますご注意ください。」
ドアが閉まりかけた。が、ドアが何かに当たったのか、もう一度開いた。
(あの子…間に合ったかな。)
て言うか…あの子、めっちゃ可愛くなかった?また会えるかな。いや、無理か。
今日この瞬間僕の恋は始まり、終わった。
「おい!」
「あっ、はい、何ですか?」
はぁ、あの美少女の後にターボババアか。まぁ仕事だから仕方ない。
「水、ちょうだい。」
「はいはい。」
僕は鞄からペットボトルの水を取り出した。
「どうぞ。」
「はい、ありがとう。」
「まもなく、列車が発車いたします。」
電車は僕たちを乗せ動き出した。
つづく
ターボババア東京に向かって電車に乗り込む。駆け込み乗車のJKが今後どうなったかは、『現役高校生の描く青春』をご覧ください。では、またいつか!