第0話
Modest Petrovich Mussorgsky(1839-1881)
ロシアのロマン派作曲家で「ロシア五人組*の一人」。地主の子に生まれ、はじめ軍人となったが 、アレクサンドル=ボロディンを知り、国民音楽の創造に乗り出す。朗唱* 様式を最大限に活用したリアルでドラマティックな表現に優れている。子供のころから酒を好みアルコール依存症にもなっている。
蚤の歌は1879年に作曲され、正式名称は「アウエルバッハの酒場でのメフィストフェレスの歌」という。ライプツィッヒのアウエルバッハの酒場にファウストを連れてきた悪魔メフィストフェレスが、学生の一人が「鼠の歌」を歌ったのに対して歌うユーモラスな歌。
ゲーテの「ファウスト」を歌詞に持つが、時折入る「ハハハ」などのメフィストの笑い声はムソルグスキーのオリジナル。
*ロシア五人組:ミリイ・バラキレフ(1837-1910)、ツェーザリ・キュイ(1835-1918)、アレクサンドル・ボロディン(1833-1887)、ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844-1908)、モデスト・ムソルグスキー(1839-1881)のこと。19世紀に民族主義的音楽を創造し、ロシアの国民音楽を大成させた。ちなみに同時期に活躍したチャイコフスキーは、これらの国民主義に対し国際的な立場をとったため「西欧派」と呼ばれている。
*朗唱:オペラなどで用いられる歌唱法。旋律の美しさを重視したアリアに対して言葉の自然な抑揚に忠実で叙述的性格を持つ。




