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ユウとショータと○○

ユウとショータと平成最後の日

作者: リレイ

 ユウとショータは学校が休みなので、ユウの家でゲームをしていた。対戦格闘ゲーム。ユウは自分と同じく黒髪の男性キャラを、ショータは自分と違って髪の毛の生えていないロボットキャラを操作している。

「今日、平成最後の日だな」

 戦闘中、ふと思い出したようにユウがつぶやいた。今日は二〇一九年四月三〇日。

「そうだね」

 ショータはテレビ画面から目を離さない。

「実感あるか?」

「ないよ。元号が変わるのはじめてだから、どういうものかよくわかってない」

 男性キャラもロボットキャラも、小技を繰り出して様子を見ている。

「平成に変わるときは天皇がお亡くなりになったときだから、自粛ムードでテレビもつまんなくて、レンタルビデオ屋が大繁盛だったって国語の先生が言ってたね」

 ショータはふっと思い出したように言った。

 ユウが出した必殺技は外れた。

「そうだっけ?」

 ユウにその記憶は一切ない。

「去年の授業中の話だけど、寝てたでしょ」

 ショータは少しあきれた様子だった。去年は二人とも同じクラスだったので、起きていれば聞いているはずだ。

「だってあの先生、淡々と丁寧な口調でしゃべるから眠くなるんだもん」

「まあ気持ちは分かるけど」

 ショータは国語教師の授業を思い出す。特に五時間目の授業では、起きている生徒の数のほうが少なかった。

 ショータの遠距離攻撃は、明後日の方向に発射される。

「平成最後の日、何する?」

 ユウは話題を変えた。

「それを考えるの遅くない? もう今日だし、まあいっちゃえば、ゲームしているかな」

「平成最後はショータとゲームか。悪くないな」

「今日来なければよかった」

 思ってもみない言葉が飛び出して、ユウは少し動揺する。

「ごめん。まあ俺、平成が終わるときにはこの国にいない予定なんだ。だから正確には平成最後がゲーム、というのは正しくない」

 ユウはもう一度必殺技を繰り出す。当たらない。

「へえ。いつ出国するの?」

「そういうんじゃない。平成が終わる瞬間、ジャンプしようと思って」

「この国どころか、地球にいないあれか」

 今度はショータが必殺技を出す。ヒットはしたものの、戦いが終わるほどのダメージは与えられなかった。

「それ」

「ふーん。確かに明日は令和になるけど、平成が完全に終わるわけじゃないと思うよ」

 ショータの言葉に、そんな馬鹿なという表情を浮かべるユウ。

「免許証の期限とか、平成三三年とか普通に残ってるってニュースで見た」

 ショータの技が炸裂する。

「平成の使用が完全に終わるのは、もっと先になりそうだよね」

 戦闘は終わった。ショータの勝利だ。

「平成が終わる瞬間って、明日になる瞬間ってこと?」

「そのつもり」

 ユウはコントローラーを放り投げた。そしてゲーム機本体に手を伸ばす。

「平成最後だし、別のゲームをしよう」


                            END


前回も平成最後ネタでしたが、今回も平成最後ネタです。更新が空いてしまいましたね……。

国語の先生の話は、実際に国語の授業で聞いた雑談です。

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