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「直前の記憶はあるのか?」


 警戒を緩める様子もなく質問を続ける見回り部隊のリーダー。

 見回り部隊全員の表情から士気の高さも伺える。


(よく訓練されている兵士のようだ……。

 だが、着ている服や鎧はみすぼらしいようだ。

 それに、程よく筋肉がついているものの、ほおが痩せこけている者が多い。食糧事情も悪いのだろう。

 どうやら、貧しい集団の集まりから派遣された部隊なのだろう)


 とキーエンスは考えながら、短く、


「記憶はある」

「ほう、ではどこから来た?」

「言うつもりはないな」

「なぜだ?」

「お前らが何者かわからない以上答える必要はない」

「俺の質問に答えなければ殺されるかもしれないのだぞ?」

「やってみろ」


 と部隊のリーダーに対して挑発するように言うキーエンス。

 部隊のリーダーはキーエンスを睨みつけた後、


「これだけの兵力差を目の当たりにして、俺を挑発してくる以上、なんらかの武力を隠し持っているのだろう。

 そうでなければ、堂々としてられないはず……」


 などと独り言を見回り部隊のリーダーがつぶやいていると、リーダーの近くにいた副官らしき者が、


「リーダー、奴はそんなに強そうに見えません。

 こちらから仕掛けて縄に縛って強制連行してしまいましょう。

 最近、うちの村の近くの村が強襲されたばかりですし、その仲間という可能性があります」

「うーむ、」


 と見回り部隊のリーダーが少し考えた後、キーエンスに質問を投げかけようとしたとき、見回り部隊の狼がキーエンスに襲いかかる。見回り部隊の一人がリーダーの反応は副官の提案である、キーエンスを襲って強制連行連行をする、ということに納得したものだと思い、功績を焦り、狼にキーエンスを襲わせた結果だった。

 キーエンスは襲ってくる狼を見てめんどくさそうに見て、


「ちっ、面倒な、」


 と呟きながら、流れるように狼をかわし、見回り部隊のリーダーの剣を盗み、リーダーの背後から首元へ剣を突きつけた。

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