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5

(今助けに行くからな! ユリ!)


 と空中都市を見ながら幼き頃の無力に対する怒りを抑えながら強く心に誓うキーエンス。

 今後の計画について計画を練り出していると、イーリアスがキーエンスの裾を掴み、


「ねえ、周囲からものすごい殺気を感じるんですけど……。

 これっていきなり絶対絶命なピンチってやつなの?」


 と心細そうに言ってくる。


「いや、大丈夫だ。

 ただ、こっからは、少しの失敗が命取りになる場合がある。

 だから、お前の目的を果たしたかったら、俺の指示にしっかりと従え。不用意な発言は絶対にするなよ!」

「わかった」


 素直に従うイーリアス。

 イーリアスは昔、自分の世界にいた時に問題児となる可能性の芽となりうる段階でキーエンスと盗賊の仕事したことがある。そのときのキーエンスのカリスマ性や安心感は十分に感じていた。なので、イーリアスは何も不満もなく従った。

 そんなやりとりをキーエンスとイーリアスがやりとりをしていると、全長2m程度のやや大きめな狼が10匹と10名程度の人間が各々の武器を構えながら現れた。

 おそらく周辺の見回りをしている見回り隊かなんかだろう。


(こいつらを利用しない手はないな。

 まずは弱者のフリをして、情報や物を提供させるか……)


 などとキーエンスが考えていると、リーダーらしきものが、


「おい、見たことがないやつだな。

 新たな転送者か?」

「わからない」


 と短く答えるキーエンス。

 危険を悟ったのかイーリアスはキーエンスの背中に隠れていて、小声で、


「ねえ、あなたの持っている12の神獣がいればあんな奴らなんて簡単にやっつけられるでしょ?

 あの12の神獣はこの『アゼリータ』が危機に瀕したときに『アゼリータ』を救ったと言われている幻の神獣なんだから、さっさと使ってやっつけちゃってよ」

「いや、まだだ。イーリアスはさっき言ったように何も言わずに従え、」


 とキーエンスは言ったあと、見回り隊のリーダーらしき者の方を向き、


「転送者っていったいなんなんだ?」


 と何も知らない無知なフリを怯えた様子をしながら言った。

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