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「客に対してそんな態度を取るなんていったいどんな教育を受けて来たんだか!」


 忌々しそうに言う少女。

 キーエンスはやれやれと、


「お前さえ良ければここから俺はすぐに立ち去るのだが、」

「だから、私のそばから離れるなって言ってるの!」


 と悲鳴に似た声で切実そうに言う少女。

 少女がここに一人で置いていかれると一時間ももたづに死を迎えることになるだろうということを直下的に理解しているのだろう。

 事実、キーエンスは先程から周囲に危険な生物が集まって来ている気配を感じている。確かにこの少女が言うように最悪な場所なのだろう。


「では、依頼人。

 依頼人の名前と仕事と報酬について話しをしてくれないか?」

「何を偉そうに……」


 と少女は不満を口にしたあと、


「私は、イーリアス=プリモット。あの空中都市に住まうものよ。

 依頼は、私をあの空中都市まで連れて行くこと。

 報酬は、この世界の第四貴族の地位を約束するわ」

「お前の名前と依頼内容はわかった。

 だが、報酬は依頼内容に見合うものだかがわからない。

 そもそも、貴族階級の地位など欲しくはない。

 俺は必要なときに、必要なものを盗み自由に生きる人間だ」

「ちょっと、ちゃんと私の名前を伝えたんだから、ちゃんと私のことは名前で呼びなさい!

 これでも私はキーエンスの依頼人。お客様なんだからね!」

「わかった。イーリアス。ちゃんと名前で呼ぼう」

「で、報酬は何がいいのよ」

「報酬は、依頼を達成したときに決めさせてもらう」


 と、空中都市を真剣な表情で睨みながら、キーエンスは言った。

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