第九話
聞こえる足音
さあ、私の未来を閉じるために・・・
これが私の最後の墓参りになるかもしれません。
霞、父さん、母さんもうすぐそこに行けるかもしれません。
・・・許してくれますか。
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
・
「来ましたか、檜原さん。」
そこには私をまっすぐ見つめる檜原さんが
「あなたは真実を知りました。
それでもまだ私が憎いでしょう。
私があなたの姉を殺したことには変わりありません。」
彼女は何故かこの発言を聞いて目を潤ませいる。
そして抱きついて
「・・・もういいから」
今何を・・・何を言った。
「あなたがお姉ちゃんを殺してないのは知っている。
あの事の真実を話してくれることがいた。
知っている人がいた・・・
あなたはお姉ちゃんを殺していない・・・」
言わないでくれ・・・その真実を・・・
「お姉ちゃんを殺したのは・・・」
それを言ってはならない・・・
「言っては駄目です」
「いいえ。
言わないといけない。
お姉ちゃんを殺したのは
殺したのは私だった。
私は思い出した・・・
あの日のことを・・・
いつまでもあなたに甘えていられない。
そして今ここで話してあの日の本当のことを・・・
あなたの口から聞きたい・・・
本当の真実を・・・」
・・・そうですか知ってしまったのですね。
「わかりました。
今からすべてを話しましょう。」
ごめんなさい。
母さん、霞、私が死んだあとに真実を手紙に託そうと思っていたのに
少し早くなってしまいました。
「あの日の真実を・・・」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
・
あの日は父さんの一周忌でした。
母さんは立ち直ったと言えどやはり元気がなく
私も悲しかったですが母さんのその姿を見てもっと悲しくなりました。
そこで私はどうにか元気を出してもらうために
色々考えたのですが元気にできる自信がなく
そこで二人で遊んでいた霞さんと由季さんに話を聞きに行ったのです。
「ねえ、ゆきちゃん、かすみちゃん、
きょう、おかあさんのげんきがないんだ。
きょうはおとうさんがしんだひだからかな・・・
どうしたらげんきになってくれるかな・・・」
「う〜ん
なにかあるかな〜
ゆきちゃんはなにかおもいつく?」
「そうだね。
う〜ん・・・
そとにあそびにいこうよ。
そうしたらげんきになってくれるかも。」
「けど、かすみちゃんのおじさんもおばさんも『ダメ』っていうかもよ。」
「いいじゃん、わたし、いってくる。」
「まって、かすみちゃんぼくもいくよ。」
そういって私は霞さんのあとについて行きました。
私は母さんを見つけて
霞と外に誘いました。
その時、霞がキャッチボールをしようと言い出したのは知っていると思います。
その後、5人で外に出て
まず、ひのは・・・いえ、鈴蘭さんあなたと私がやり始めました。
次にあなたと水谷さん
水谷さんと霞
水谷さんと私
ここで水谷さんは家に帰りました。
私と霞
最後に霞とあなたです。
その後に事故は起きました。」
「・・・ねえ、どうしてこんな嘘をついたの。」
「・・・言わないといけませんか。」
「聞きたいのよ。
このことの真実が知りたいから・・・」
「・・・わかりました。
実はあの事故の後、母さんと霞は少しだけ意識がありました。
まず私は霞に駆け寄ったのです・・・
『かすみちゃんしっかりして』
もう霞は殆ど意識がありませんでした。
そんななかで霞は呟くように
『・・・た・・・すけて・・・みんな・・・と・・・もっ・・・とい・・・しょに・・・いたいよ・・・しにたく・・・な・・・いよ・・・はるや・・・くん・・・たす・・・』
そう言い残して霞は息を引き取りました。
私は霞が死んだのを見て見ぬふりをして
「かすみちゃんもうすぐきゅうきゅうしゃがくるからね。
しんじゃだめだよ。」
といいその場から逃げ出しました。
母さんを探して最後に約束したのです。
『誰も憎まないで』とそして
『周りの人を救えるような立派な人間になるように』
最後の部分はこの前にあなた達と遊んでいた夢を見た時に思い出したのです。
そしてそれから私は意識を失いました。
意識を失っている時、
夢の中で霞に会いました。
『すずらんをたすけて。』と一言だけ言い残して消えていきました。
そして私は小父さんたちにこんな嘘をつきました。」
「それは聞いたわ。」
「・・・そうですか。
今思うとあれが始まりの嘘でした。
そして私は父親のとあるマンガを読みましてね。
そこに書いてあったのですよ。
『ずっと眠っているものを起こすにはどうすればいいのか』
『憎しみを与えてやればいい。そうすれば憎悪の中それを思い目が覚めるから』
みたいな感じで書いてあったと思います。
そして私は眠っているあなたの耳元でこう呟きました。
『かすみちゃんはしんだんだ。
ぼくがころしたんだよ。』
これだけです。
僕が殺したの部分は私がただ思いついたことです。
お医者さんが
『彼女は姉が死んだことを認めたくない。
それが辛いから目を覚まさない。』と言ってました。
しかし、真相を知る者は私一人です。
彼女が何を認めたくないのか、
彼女が姉を殺した。という真実を認めたくないと何となく私は気づいていたので・・・
これが真実です。」
私は真実を話しました。
「さて、すべてを話しました。
どうですか真実を知って。」
そういったあとには彼女は私に縋って謝っていました。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、・・・・・・・・」
「・・・謝られても私の時間は戻ってきません。
それよりどうしてくれるんですか。
今日、私は貴女を追い詰め
貴女に骨髄液のドナー申請の紙を破いてもらって
そのまま病院で最後を過すつもりだったのに・・・」
「それってどうゆう・・・」
「どうもこうもないですよ。
私は今白血病にかかっているのですから・・・」