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この時代には粉ミルクももおむつもないから育児は大変だけど本当はそれが普通なんだよな

 さて、無事元気な女の子が生まれてリーリスの産後の肥立ちも順調で一安心だ。


「もう大丈夫なのか?」


「ええ、もう全然平気よ」


 小さい頃は女の子のほうが体力や免疫もあって一姫二太郎というように最初は女の子のほうがいいらしいしちょうどよかったな。


 生まれたばかりの生後1ヶ月は新生児だがこの時期は授乳間隔も1回の授乳時間も短くまだ母乳を吸う力も弱くて、ちょっと母乳を飲むと疲れて眠ってしまう。


 しかも母親は産後すぐで体力が戻っていないので、こういうときに助かるのが代わりに乳をあげてくれる乳母さんだ。


「よしよし、ターンとお飲み」


 それこそ赤ん坊は2時間おきに母乳を欲しがるから、授乳回数も一日に10回位になる。


 しかも昼夜関係ないし、排尿や排便の回数も多いから、この時期は母子ともに大変だよな。


 これは2ヶ月位の間は同じだが段々と筋肉もついて一度に飲める量も増えてくる。


 生後3ヶ月にもなれば、娘も満腹中枢ができて、表情でわかるようになってくる。


「あら、もうお腹いっぱいみたいね」


「あー」


 そうして娘は寝てまたしばらくして起きての繰り返し。


 娘は当然まだ言葉は話せないので仕草とか表情とかでどんな状態なのかを推測してやらないといけないが母親にはわかるのはすごいな


「あらあらまたお腹が空いたのね、はいはいちょっと待っててね」


 そう言ってリーリスが娘に乳をやる姿を見ると母親というのはすごいと思う。


「なんでわかるんだ?」


 お腹が空いたもうんちがしたいもどちらも娘にとって嫌なことには違いないがその違いがわかるのだろうか。


「それは当然、この子の顔色とか表情とか見ればわかるでしょ?」


 俺は首を振った。


「すまん、全くわからんな」


 リーリスは苦笑していう。


「まあ男の人にはわからないかもしれないわね」


 男は狩猟をおこなうために目標との距離や位置の把握を優先し、女は子供の健康状態を察知するために肌の赤みのちょっとした違いや表情の違いなどの察知能力に優れるといわれる。


 空気が読めない男、地図が読めない女と言われるのは主にそういった家庭における役割分担によるものであるらしい。


 まあ、男でも女並の洞察力を持つものも居るし、女でも空間把握能力をちゃんと持ってるやつも居るからあくまでも傾向にすぎないけどな。


 ちなみにこの時代の衣服は老若男女ともにギリシアのトーガみたいなゆるいワンピースの下に褌のような腰巻きだ。


 エジプトのように夏は酷暑ということはないので男は腰巻き一枚ということはない。


 暑い季節は亜麻製で寒い冬は革製という違いはあるけどな。


「少し大きくなってきたし服を大きくしないと駄目かな」


「そうね、そのほうがいいかもしれないわね」


 俺達は今は3人家族だが、リーリスの家族もなんだかんだで子育てや家事を手伝ってくれる。


「まあ、そりゃ娘の手助けを親がするのは当たり前だろう」


「ええ、ありがとうございます」


 医療制度は発達してるけど家族が孤立して母親が特に大変な21世紀の核家族を考えればこの時代は大変なところもあるけどみんなで協力して家事や育児をやってるのはいいよな。

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