棺桶入り覚悟の恋
そこのお前。
そうだ、お前だ。
この話が読みたいか?
なら、
作者がサドかマゾか当ててみな。
by 宮義 麗央
答えは後書きにあるそうだ。
俺はこの世に神様なんていないと思う。
いるとしたなら、それは邪神(敦士)か破壊神(日菜)だ。
そう思うだろ?
え?
思わない??
ハムで巻き巻きするぞ!
ハア……、
じゃあなんで目の前に英里がいるんだよぉ……。
まだ危険物が着火オーライしてないだけマシだけど……。
ん?!
アレ?!
何で他校の英里がうちの学校の制服着てんの?
!
「私ね、今日から麗央と一緒の学校なの! 転校したんだ……」
これは夢か……?
いや、違うよな。
少しでも現実味を出すために、カップラーメンを持っておこう。
「なんで?」
とりあえずこう聞いておくのがベターだ。
英里が下向いて泣き出しそうな顔してる……。
アッ、目から汁が!
どどどどうしよう!
カカカカ、カップラーメン!
カップラーメン開けて受け止めちゃえ!
動揺してる俺の前で英里が腕を捲る。
『へい、らっしゃい!今日は何にいたしやしょう!(麗央、吹き替え)』
ーーえっ?!
「何だよこれ……!」
ふざけてる場合じゃない。
彼女の腕に、痛々しくて目を逸らしたくなる程のリストカットの跡が……。
「私……向こうの学校でいじめにあってたたの。もう何回も死のうと思って、手首を切ったのに……死にきれなかった! ……助けて、麗央……」
彼女が抱きつく。
日菜の攻撃的タックルみたいな抱きつき方とはまるで違う、弱々しさで。
俺は今日まで、英里のことは恨んでるんだと思ってた。
でも、……違う。
裏切られたはずの彼女が今でも愛おしい。
もう……抱き締めちゃっていいよな?
ごめん、日菜。
やっぱり棺桶入り覚悟で、
お前とは別れる。
俺は英里を抱き締めた。
後ろで素っ裸な危険物が、
鈍器(2リットルのペットボトル)を持っていることにも気づかずに……。
バイリンガルです。
by 有澤 透真




