鬼畜な罰ゲーム
そこのお前。
そうだ、お前だ。
この話が読みたいか?
なら、
銭湯でビバノン音頭をフルコーラスで歌ってきな。
by 宮義 麗央
普通の彼氏と彼女なら、こんなことはしないだろう。
「いでぃ…、いでッ!」
俺はキスの最中に、舌を噛み切られそうになる。
日菜は、痛みにもがく俺を見て、いつもあざけ笑ってるんだ。
俺も仕返ししてやろうと、何かにつけて戦いを挑んでる。
例えばこれ。
見えないだろ?
見たいか?
なら、逆立ちしながら醤油を飲みな。
…よし、よくやってのけた。
これはテストだ。俺達は、毎回毎回テストで争ってる。
負けた方は、いつも罰ゲームを受けなければならない。
今、俺はまさに罰ゲームのまっ最中なんだ。
ハイレベルなその内容。
教えて欲しかったら、毛虫を服の中に入れてみな。
……よし、いいだろう。今のお前の絶叫はかなりそそる。
俺が今している罰ゲーム、それは、
下着売場で辱めごっこ……。
ルールは単純明快。
ただ、女の下着売場で男一人、一時間立ってりゃ終わり。
ただし、俺の耳にはインカムがついてる。
指示を出されたらその通りに動かなければならない。
どこまで鬼畜なんだ、あいつは。
陰から、日菜が俺の様子を覗き見してる。
あっ、笑ってるし!ムッカツク!!
こっちはさっきからオバチャン達が不審者警報を発令してるんですが。
しかも警備員にまでマークされてるよ。
頼むから黙ってろ、日菜。
サー…
あっ、インカムのスイッチ入った!
なんか喋るっぽい!危険がすぐそこに迫ってる!
『そこのヒョウ柄のパンツかぶんな』
気は確かか。
彼氏が公然わいせつで捕まっていいのか、お前ー!!
『早くしてよ!』
あーもぅ、わかったよ!!
落ち着け!
とにかくパンツと話し合え、麗央!
くっそー! 屈辱的だ!!
かぶれってか?
……よし!
俺が手に持ってるものは、もはやパンツじゃない!
三角巾だっ!!
……いってしまえ!!
ーーポンポン。
「そこの君、さっきからパンツ持って何してるの?」
えっ? あっ! 警備員のオッサン!!
「……悪魔に言われて、……ちょっと調理実習をしようかと」
「……来なさい」
俺はいつもこんな感じで下僕扱いだ。
振り向いた時の日菜の勝ち誇った笑顔が目に焼き付いて離れようとしない。
次は、次こそは俺が勝つ!
そこ、何笑ってる。にんにく鼻につめるぞ。
安心しろ、青森県産だ。
前書き考えるのも結構大変です…orz




