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falling down  作者: 紫葵
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前編

今度はきゅんきゅんしていいと思うのです

自分には好きな人がいる。

それは報われない、想ってるだけでいい。

多分凄く情けない恋だ。


私には好きな人がいる。

それは報われない、想ってるだけでいい。

多分哀れで惨めな恋だ。


「おはよ、玲奈。」

自分の好きな人は隣の席だ。


「おはよ、真。」

私の好きな人は隣の席だ。


お互いを名前で呼び合う仲だけど、それは友達だから。そうなんだ。

きっとそれ以上でもそれ以下でもない。

自分はいつも通り朝のHRの準備をして、席に着いた。

玲奈はぼーっとしてる。いつも通りに。

玲奈の長い睫毛が好きで、白い肌が好きで、長い髪が好きだ。全部好きだ。


私はいつも通りぼーっとしてる振りをする。

真を眺める為に興味の無い振りをする。

真の柔らかそうな耳が好きで、華奢な体が好きで、それなのに守ってくれる強いところが好きだ。


でも、真には

でも、玲奈には

こんな気持ち悪い事を想ってる事は伝えられない。


「ねぇ、真。今度一緒に遊び行かない?」

玲奈からのお誘いだ。嬉しい。

「うん、行こう!どこ行く?」

「そうだなぁ、服でも見に行く?」

「えー、まぁ楽しそうだから行くけどさぁ。」

嫌な訳ない。断る理由がない。

「じゃあ明日でもいいかな?」

「うん、大丈夫だよ。」

いつでもね。

そんな玲奈との会話を楽しんでHRは終わった。


授業は一通り終わり、昼休みになった。

「真ー、お客さん。」

クラスの男子が呼んでいる。

また、お客さんか・・・。

「田中さん・・・これ、受け取ってくれる?」

また、メアドを書いたメモか。以前に何回もこういう事があった。正直迷惑だ。

昼休みの玲奈との昼食を邪魔されるのは不愉快でしかない。

「ごめん、そういうの興味無い。」

相手にそう告げて、玲奈の所へ戻る。

「モテモテだねぇ〜真さーん。」

玲奈が茶化しながら言ってくる。

「やめてよ、ほんとにそういうの興味無い。」

嘘だ。

「へー、勿体無いなぁ。」

「まだそういうのよく分からないんだよ。玲奈だってモテるでしょ?」

玲奈に嘘をついたからなのか、全く嫉妬されてないから悔しいからなのか分からないけれど自分で自分を追い込む発言をしてしまった。

「モテモテ真に敵いませんよ。それに私、好きな人いるし。」

え?

「そうなんだ、そりゃいくらモテても相手にしないよね。」

声が震えてないだろうか?

「その人に比べたら他の人なんて考えられないしねぇ。」

お弁当は味がしない。それより箸が進まない。

「玲奈に気に入られるなんて相当かっこいいんだね、その人。」

なんで自分を追い込むんだよ・・・。

「うん、そうだね。かっこいいよ。」

もう朝の楽しい気分など消えて、ここからも消え去りたかった。

校庭から聞こえる喧騒だけが自分の耳に入った。


午後の授業など頭に入らなかった。玲奈の好きな人って誰だろう?どんな男なんだ?自分の知ってる人か?

そればかりが頭をぐるぐる回って、他の情報を受け付けなかった。

決めた。放課後、誰なのか聞いてみよう。

続く(いつ更新するだろうか)

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