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片思いしてる幼馴染にわたしのいとこと会ってみない?って遠回しにフラれたかと思えば幼馴染が泣いて真実を知った

作者: 猫の集会
掲載日:2026/06/10

 オレには、華乃かのという同い年の幼馴染がいる。

 

 華乃とは、めっちゃ近所っていうわけでもないが、まあまあ近くに住んでいて、親同士の仲がよい。

 

 なので昔は、よく家族同士で海に行ったり、バーベキューしたりしていた。

 

 でも、今は華乃が部活に専念していることもあり、なかなか家族同士のお出かけってやつもほとんどない。

 

 高校は、華乃と別々だ。

 

 華乃は、とにかくバスケが大好きで部活命‼︎ってくらい、毎日頑張っているらしい。

 

 でもオレは、運動音痴だから部活には入らなくて、バイトに専念している。

 

 いや、そこ勉強でしょ?って⁇

 

 まあ…勉強は、少し頑張っているって感じだ。

 

 ははは…

 

 

 そんな華乃にたまに会うと、くだらない話をして笑い合う。

 

 仲は…とてもいい。

 

 中学の頃は、オレたちが付き合っているなんて噂もあったが、ただの噂だ。

 

 たぶん華乃は、オレのことなんとも思ってないんだと思う。

 

 それがハッキリわかったのは、高校に入学して一年が過ぎたころだった。

 

 

 久しぶりに華乃から連絡が来たかと思えば、いとこが瞬に会いたいっていうんだけど、会ってくれないかな?って言われたし…。

 

 まぁ、華乃がオレのことをなんとも思っていないのなんて、いまさらだ。

 

 いい加減、オレの気持ちに気づいた華乃が、わたしのこと諦めてって言っているような気がして、少し心がチクっとなった。

 

 …

 

 オレは、華乃のいとこに会ってみることにした。

 

 

 もうすぐ華乃は、大きな大会があるそうだ。

 

 クラスの運動部の人たちが、気合いを入れながら話していたし。

 

 

 だから、オレは華乃に頑張れよって応援の言葉をかけたんだ。

 

 でも、華乃がなんか元気なかったような?そんな感じがした。

 

 夜遅かったし、眠かったのかな?と、その時は、さほど気にしなかった。

 

 

 そして、華乃のいとこと会う日がやってきた。

 

 駅に待ち合わせだったんだけど…

 

 ⁉︎

 

 たぶん…あのこだろう。

 

 華乃のいとこは、華乃とはまるで違った。

 

 華乃をイメージしていたんだけど…

 

 真逆だった。

 

 華乃は、ショートカットでいつもラフな格好をしているのに、いとこは…サラサラのロングヘアーで、ワンピースをきている。

 

 なんなら、いつもスニーカーの華乃とは違い、ヒールのある靴を履いていた。

 

 でも、やっぱりいとこなだけあって、顔が似ている。

 

 横顔とか、めっちゃそっくりだ。

 

「あの…オレ瞬です」

「あ、はじめまして。華乃のいとこのはなと申します。」

 とても礼儀正しいお辞儀を拝見させていただいた。

 

 美しいという言葉が、まさにぴったりな人だなと、驚いた。

 

 オレは…

 

 この人と釣り合っているのだろうか。

 

 少し…いや、かなりの心配だ…。 

 

 てか、釣り合うとか釣り合わないとか、なんですか?ってことです。

 

 比べることもありません。

 

 ダントツで釣り合ってないのですから。

 

 …

 

 そんな心配を解決すると華さんが、

「こんなお願いしてしまい、ご迷惑でしたよね?ごめんなさい」

 と、謝られていらっしゃった。

 

 丁寧語は…難しい。

 

「いえ、全然です。てか…あの……、いえ…なんでもありません」

 

 思わず、おいくつなんですか?って聞いてしまうところでしたよ。

 

 いけませんね。

 

 女性に年齢を伺うなんて…。

 

 あとで、華乃にこっそり聞いてみよう。

 

 年上かな?落ち着いてるし。

 

 

 それにしても、見た目とか華乃と全く真逆だけど…

 

 なんか、やっぱり雰囲気が華乃に似ている。

 

 華乃は、今ごろ部活かな?

 

 …

 

 いかんいかん。

 

 今は、華さんといるんだった。

 

 華さんは、控えめでおとなしく、とても清楚感あふれる女性って感じだ。

 

 

「あの、瞬さん…」

 

 ⁉︎

 

 瞬さん⁉︎

 

 ずいぶんとご丁寧呼びだ。

 

「あー、瞬でいいよ」

「えと、じゃあ…瞬」

「はい、なに?」

 

 なんか…へんに緊張する。

 

 思わず、はいとか言ってしまった。

 

 華乃のいとこだしって、軽く考え過ぎていた自分を反省します。

 

「あの…瞬は、ボーイッシュとかわいいのって、どっちが好きですか?」

 

 …

 

「えと、そうだな…好きになった人がその人だから…なんていうか…どっちでもオレはいいかな。好きな人なら、どっちでもっていうの?意味わからないか…えと…」

「好きならなんでもってことですね」

「あー、うん。そう!」

「なるほどです。そういえば、華乃って運動大好きですよね。」

「あー、うん。かっこいいよね」

「そう…です…よね…」

 

 華さんが、少し遠くをみつめた。

 

 そして、涙ぐんだんだ。

 

 ⁉︎

 

 

 え…

 

 オレは、そのときハッとした。

 

 今までオレは、してはならないプレッシャーを華乃に与えてしまっていたんじゃないかって、ハッとしたんだ。

 

 

「ねぇ、華さん…」

「なぁに?」

「あのね、オレはずっと運動ができる華乃がかっこいいって思ってた。たぶん華乃自身も、運動が大好きだし、将来の夢は代表選手として活躍することだったと思うんだ。でも…夢って、途中でかえてもいいんだよ。進路変更してもいいんだ。なんなら、夢がいっぱいあってもオレはいいと思うんだけどどうだろう?」

 

 …

 華さんが涙を拭った。

 

「…なんで、それをわたしに?」

「よし‼︎今日は、予定変更しよう?」

「え…」

「行こう‼︎」

「え、でも…どこに?」

「パーっと大騒ぎできるとこ」

「わたし…運動ムリだから…」

「うん、大丈夫‼︎」

 

 華さんは、映画館とか美術館に行こうって言っていた。

 

 でも、それじゃストレス発散できないんだよね。

 ってことで、遊園地に行くことになった。

 

 遊園地に入ると同時に、オレは手を繋いだ。

 

 華乃のね。

 

「行こう‼︎華乃‼︎」

「えっ⁉︎いつからそれを?…」

「結構序盤から。さ、どれ乗るか‼︎」

「あれ‼︎」

「行こう‼︎」

「おー‼︎」

 

 華さんは、華乃のつくりあげた架空の人物だった。

 

 華乃はたぶん、ケガをして…もう運動に復帰できないっぽい。

 

 でも、それをオレに言い出せなかったんだ。

 

 オレが頑張れっていつも応援してたから。

 

 期待を裏切ってしまうって思っていたのだろう。

 

 

「なぁ華乃」

「なに?」

「オレの将来の夢は、好きな人とずっと一緒にいることなんだ。で、初デートは遊園地に行くことが夢」

「わたしも、好きな人との初デートは、遊園地に来たいな。てか、もう来てるよ?」

「え、じゃあ、お互い夢叶ったんじゃね⁉︎」

「うん!」

 

 華乃のうんという返事と同時に、お互い手をギュッとした。

 

 

 

 

 

 

 おしまい♡

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