片思いしてる幼馴染にわたしのいとこと会ってみない?って遠回しにフラれたかと思えば幼馴染が泣いて真実を知った
オレには、華乃という同い年の幼馴染がいる。
華乃とは、めっちゃ近所っていうわけでもないが、まあまあ近くに住んでいて、親同士の仲がよい。
なので昔は、よく家族同士で海に行ったり、バーベキューしたりしていた。
でも、今は華乃が部活に専念していることもあり、なかなか家族同士のお出かけってやつもほとんどない。
高校は、華乃と別々だ。
華乃は、とにかくバスケが大好きで部活命‼︎ってくらい、毎日頑張っているらしい。
でもオレは、運動音痴だから部活には入らなくて、バイトに専念している。
いや、そこ勉強でしょ?って⁇
まあ…勉強は、少し頑張っているって感じだ。
ははは…
そんな華乃にたまに会うと、くだらない話をして笑い合う。
仲は…とてもいい。
中学の頃は、オレたちが付き合っているなんて噂もあったが、ただの噂だ。
たぶん華乃は、オレのことなんとも思ってないんだと思う。
それがハッキリわかったのは、高校に入学して一年が過ぎたころだった。
久しぶりに華乃から連絡が来たかと思えば、いとこが瞬に会いたいっていうんだけど、会ってくれないかな?って言われたし…。
まぁ、華乃がオレのことをなんとも思っていないのなんて、いまさらだ。
いい加減、オレの気持ちに気づいた華乃が、わたしのこと諦めてって言っているような気がして、少し心がチクっとなった。
…
オレは、華乃のいとこに会ってみることにした。
もうすぐ華乃は、大きな大会があるそうだ。
クラスの運動部の人たちが、気合いを入れながら話していたし。
だから、オレは華乃に頑張れよって応援の言葉をかけたんだ。
でも、華乃がなんか元気なかったような?そんな感じがした。
夜遅かったし、眠かったのかな?と、その時は、さほど気にしなかった。
そして、華乃のいとこと会う日がやってきた。
駅に待ち合わせだったんだけど…
⁉︎
たぶん…あのこだろう。
華乃のいとこは、華乃とはまるで違った。
華乃をイメージしていたんだけど…
真逆だった。
華乃は、ショートカットでいつもラフな格好をしているのに、いとこは…サラサラのロングヘアーで、ワンピースをきている。
なんなら、いつもスニーカーの華乃とは違い、ヒールのある靴を履いていた。
でも、やっぱりいとこなだけあって、顔が似ている。
横顔とか、めっちゃそっくりだ。
「あの…オレ瞬です」
「あ、はじめまして。華乃のいとこの華と申します。」
とても礼儀正しいお辞儀を拝見させていただいた。
美しいという言葉が、まさにぴったりな人だなと、驚いた。
オレは…
この人と釣り合っているのだろうか。
少し…いや、かなりの心配だ…。
てか、釣り合うとか釣り合わないとか、なんですか?ってことです。
比べることもありません。
ダントツで釣り合ってないのですから。
…
そんな心配を解決すると華さんが、
「こんなお願いしてしまい、ご迷惑でしたよね?ごめんなさい」
と、謝られていらっしゃった。
丁寧語は…難しい。
「いえ、全然です。てか…あの……、いえ…なんでもありません」
思わず、おいくつなんですか?って聞いてしまうところでしたよ。
いけませんね。
女性に年齢を伺うなんて…。
あとで、華乃にこっそり聞いてみよう。
年上かな?落ち着いてるし。
それにしても、見た目とか華乃と全く真逆だけど…
なんか、やっぱり雰囲気が華乃に似ている。
華乃は、今ごろ部活かな?
…
いかんいかん。
今は、華さんといるんだった。
華さんは、控えめでおとなしく、とても清楚感あふれる女性って感じだ。
「あの、瞬さん…」
⁉︎
瞬さん⁉︎
ずいぶんとご丁寧呼びだ。
「あー、瞬でいいよ」
「えと、じゃあ…瞬」
「はい、なに?」
なんか…へんに緊張する。
思わず、はいとか言ってしまった。
華乃のいとこだしって、軽く考え過ぎていた自分を反省します。
「あの…瞬は、ボーイッシュとかわいいのって、どっちが好きですか?」
…
「えと、そうだな…好きになった人がその人だから…なんていうか…どっちでもオレはいいかな。好きな人なら、どっちでもっていうの?意味わからないか…えと…」
「好きならなんでもってことですね」
「あー、うん。そう!」
「なるほどです。そういえば、華乃って運動大好きですよね。」
「あー、うん。かっこいいよね」
「そう…です…よね…」
華さんが、少し遠くをみつめた。
そして、涙ぐんだんだ。
⁉︎
え…
オレは、そのときハッとした。
今までオレは、してはならないプレッシャーを華乃に与えてしまっていたんじゃないかって、ハッとしたんだ。
「ねぇ、華さん…」
「なぁに?」
「あのね、オレはずっと運動ができる華乃がかっこいいって思ってた。たぶん華乃自身も、運動が大好きだし、将来の夢は代表選手として活躍することだったと思うんだ。でも…夢って、途中でかえてもいいんだよ。進路変更してもいいんだ。なんなら、夢がいっぱいあってもオレはいいと思うんだけどどうだろう?」
…
華さんが涙を拭った。
「…なんで、それをわたしに?」
「よし‼︎今日は、予定変更しよう?」
「え…」
「行こう‼︎」
「え、でも…どこに?」
「パーっと大騒ぎできるとこ」
「わたし…運動ムリだから…」
「うん、大丈夫‼︎」
華さんは、映画館とか美術館に行こうって言っていた。
でも、それじゃストレス発散できないんだよね。
ってことで、遊園地に行くことになった。
遊園地に入ると同時に、オレは手を繋いだ。
華乃のね。
「行こう‼︎華乃‼︎」
「えっ⁉︎いつからそれを?…」
「結構序盤から。さ、どれ乗るか‼︎」
「あれ‼︎」
「行こう‼︎」
「おー‼︎」
華さんは、華乃のつくりあげた架空の人物だった。
華乃はたぶん、ケガをして…もう運動に復帰できないっぽい。
でも、それをオレに言い出せなかったんだ。
オレが頑張れっていつも応援してたから。
期待を裏切ってしまうって思っていたのだろう。
「なぁ華乃」
「なに?」
「オレの将来の夢は、好きな人とずっと一緒にいることなんだ。で、初デートは遊園地に行くことが夢」
「わたしも、好きな人との初デートは、遊園地に来たいな。てか、もう来てるよ?」
「え、じゃあ、お互い夢叶ったんじゃね⁉︎」
「うん!」
華乃のうんという返事と同時に、お互い手をギュッとした。
おしまい♡




