表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

79/79

新しい道

……………………


 ──新しい道



「カーター。事件は終わったんだね?」


「ああ。終わった。事件は終わった、だ。解決しちゃいない」


 港での激戦後にカーターの下をマティルダが訪れた。


「犠牲は無視できないものになってしまった、か」


「この事件では人が死に過ぎている。警官も、ギャングも、誰もかも。この国はもう生死を問わずデッド・オア・アライブが法の時代じゃないんだってのに」


「結局のところ、大きな暴力の前には法は無力だと思わない?」


「……そうかもしれないな」


 マティルダが言い、カーターがそう力なく頷く。


「誰かがこの国を守るために汚れ仕事をしなければいけない。そうしなければ大勢の何の罪もない人々が死ぬことになる。私はこの事件を通じてそれを理解した気がする」


「だが、暴力に暴力で対応するのは、文明の後退だ。俺たちは法を整備し、秩序を守り、そのことでこの社会を有している。無法の暴力に同じ無法で立ち向かえば、いずれその全てが崩壊することになっちまう」


「だから、公にされない戦争が必要。影の戦争とでも呼ぶべきか。表向きには誰もが無法の暴力なんて支持しない。それが正しいことであり、不法行為は密かに行われなければいけない」


「それがあんたの結論か、マティルダ」


「ええ。そうしなければ大切な人を守ることはできない」


 マティルダ・イーストレイクは連邦捜査局を辞職した。


 彼女は今では戦略諜報省に移籍し、そこで対テロ作戦にかかわっている。非合法な特殊作戦に関与したとの情報も耳にする。


 カーター・マルティネスは今回の事件解決への貢献から昇進し、今も組織犯罪に対する捜査活動に取り組んでいる。彼は今もパシフィックポイントでの一連の事件における裁判に証人として呼ばれることが多々あった。



 パシフィックポイント事件。


 そう呼ばれる事件において主犯格となったハンニバルという犯罪組織について、表向きに分かっていることは今も少ない。



 ただ、マックスとレクシーの名は血と炎で記されている。



……………………

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新連載連載中です! 「人類滅亡の日 ~魔王軍強すぎて勇者でもどうにもなりません!~」 応援よろしくおねがいします!
― 新着の感想 ―
[良い点] 完結お疲れ様でした!&ありがとうございました〜♪ [一言] いやぁ〜、異世界転生ってホントにイイモンですね♪
[良い点] 何で死んでるのにあんまり負けたって気がしないんだろう。間違いなく勝ってはいないが。 [一言] 疾走感があって、悪い憧れがあって、因果応報がふさわしい極悪さで。でも最後まで貫いた。 最期が凄…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ