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原子爆弾という兵器における正しい知見

作者: 乃木坂 佑一

原爆 人類が生み出した自身へのリアルな恐怖。

1945年8月6日。広島。1945年8月9日。長崎。


アメリカ空軍所属の爆撃機によって、大日本帝国の民間都市である広島市と長崎市に新型爆弾「原子爆弾」による「無差別爆撃」が敢行された。


結果。広島市は潰滅。万を超える日本人外国人を問わず民間人と軍人が犠牲となり、長崎市も同じく潰滅。 民間人と軍人と収容されていた戦時捕虜を含む多くの人間が犠牲になった。


原爆投下された際のだいたいの時系列は以下のようになる。


原爆起爆の際の熱線・衝撃波による即死。その際の建造物崩壊、火事においての死亡。時間をおかずして致命的火傷にての死亡・出血ショック死。まずはその破壊力にして都市が灰にガレキと化す際に多くの人々が犠牲となる。致死量放射線を浴びた人たちも同様である。その後致死量下回る放射能を浴びた人たちの死亡も出始める。


原爆にて都市インフラは潰滅している。次には適切な治療や水分補給が受けられず重症者が犠牲となる。そのころには放射能つまりは死の灰を多く含む黒い雨が廃墟と化した市街に降り注ぐ。

かずかずの放射線障害の症状が生き残った人たちを襲い、火傷やケガや表面的な外傷の無い人たちも脱毛や再生障害が起こり、放射線により体内組織内臓の損傷にて苦しむことになる。

内部被ばくや、放射能汚染により汚染区域内にとどまれとどまるほど放射能に身体は蝕まれていく。


この結果。原爆投下時の犠牲の約10倍の人口が放射線障害により死亡することになる。


原子爆弾について毎回想起されるたびに思うのだが。当事者のアメリカ人、原爆資料館や記録を見た人間

はこの事態に「恐怖」しないのだろうか?筆者が原爆について思うことはその当時の犠牲者への哀悼や落したアメリカへの怒りや、平和への誓いなどはるか以前に起こる感情は「恐怖」である。


一発の爆弾が都市を灰にして、その際の殺傷人数だけでなく10万人を超える人間をそれも民間人を1か月も経ずに殺すのである。核戦争になれば人類滅亡か、北斗の拳の世界になるというのはこの事実から導かれる根拠であり、良識のある人間ならそんな物騒なモンは廃棄するかもうやめてくれと言うのが普通だろう。


北の独裁国家や、現在ウクライナを侵略中のロシアなどはこの物騒な兵器があるから強気に出られると錯覚しているが筆者からみれば核保有国は世界に対して「いつでも人類を巻き込み自殺できるから」などと

テロリストが爆弾抱えて脅すのとやってることの本質は大して変わらないように見えるのだが。


日本も核武装論でこの「巻き込み自殺脅迫クラブ」に中印パ北朝についで入りたいようだが確かに中北露に強気に出たり抑止力な状況は可能だろう。しかしながら原発事故や列島大地震以上の国家危機リスクを抱えてまで得るものがあるのか疑問なところである。


アメリカの手前日本はその沈黙を守ること強いられているが、原爆の都市爆撃への使用は現在でも当時の戦時国際法でもアウトな戦争行為であり、現在では大量破壊=ABC兵器の使用と人道への罪とで国連安保理にて禁止されている。まあ使った側が言う理屈であるが。


このアメリカによる、もしくは核保有国による「核は有力な最終兵器で適切な使用ならワンチャンOK」な情報操作がなされアメリカの核は正義の核キレイな核で、映像もこれでもかと核の兵器威力をしめす

「ザ・デイアフター」よりBBCのしょぼい核の影響ガン無視の戦争混乱映画「スレッズ」を流すありさまである。PCゲームのCODの方がよほどリアルに再現していて、ハリウッド映画ではかのザ・デイアフター以降核の恐怖描写の映画は皆無である。真珠湾ネタはいくらでも蒸し返すが。

未だ21世紀の時代でもリアルな核の描写とその後の汚染や影響の恐怖の詳細は米帝ほかの圧力で世界に大いに発信することはできないようである。


2023年。またあの日がめぐってきて追悼だ平和だ、かなしみだ怒りだと、あの日の事実と地獄に目をそらし、トンチンカンな意見や話が散見される。


日本が唯一の戦争による原爆被害国家・被爆国として原爆資料館やデータ記録を持って世界に発信する言葉は実に単純明快である。


「2度とこんなヤバイ兵器を戦争で使うのはイカンだろ。アンタら正気か?」


日本の役割はストレートに事実現実として受けた被害事実をこれでもかと物証として核保有国にしめし

忌憚のない意見を言い続けることである。

屈辱や侮辱もあるだろう、中韓などは日本への侮蔑のネタにするだろう。しかしながら彼らのような

プロパガンダや捏造ではなく日本は戦後80年近くのあの2つの都市で起こった事実と記録をいまだに

積み重ね異論のない物証として保持している。

経緯や史実の状況、アメリカの正義だ日本の戦争末期の判断などどうでもいいことである。


人類が核兵器において必要な知見は以下で十分ある。


この兵器が都市の頭上に炸裂した場合。都市は完全に破壊され、現在において最低10万人からの民間人が死亡しその後も10倍以上の人間が苦しんで死ぬ。


まずこの認識と素直な恐怖こそが第一であり。その前提での平和だ追悼だかなしみだ怒りである。




2023年 広島長崎の犠牲者に。忘れていけないもののために。

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― 新着の感想 ―
[一言] 恐怖よりも愚かさや行き過ぎた人の傍若無人さの方が強いですね。 そりゃ兵器としても恐ろしいですが兵器の火力関係なく恐ろしいモノなので(プロパガンダや洗脳の様な間接的なモノ含めて)火力の大小は…
[一言] 原爆作ったオッペンハイマーは全面的ではないにしても後悔し核抑止に取り組むがアメリカは彼をハメて社会的に抹殺したんですよね
[良い点]  現在の状況を見てみると、予断はできませんが、今のところ核が使用されていないのは、少なくとも権力者も含めて多くの人がその威力、恐ろしさやその他の事情を考慮して使用しないほうがいいと判断して…
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