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4,ゴーレムの性能

 ゴブリンに負けた後、一定期間のクールダウンを挟んで、最初のリスポーン地点とは違う場所で目を覚ました。

 新たなリスポーン場所は、最初の場所と同じく洞窟。みたところ、おそらく同じ洞窟だろう。この洞窟自体が私のリス地点ということだろうか。しかし、あのゴブリンのプレイヤー達は同じ方向から二度現れたように見えた。ゴブリンは群れをつくるタイプの魔物だ、あちらの方に住処があって、彼らのように住処や集落をつくる魔物はそこにリス地点が固定されているのだろうか。

 詳しい仕様までは調べていなかったため、ふと湧いた種族間の違いに首をかしげる。しかし、まだプレイ開始から数時間しかたっていないためわからないことの方が多いのは仕方がない事だ。プレイ時間が長くなっていくにつれ、感覚で理解していけるだろうと、納得すると私は自分のステータス画面を開いた。




 ――――――――――――――――








 種族:ゴーレム Lv6




 HP:34/34 




 MP:9/9








 力 :16




 魔力:2




 防御:24




 魔防:8




 速 :3






 ⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯


 通常スキル


「転がり」:Lv1  「採掘」:Lv1






 種族スキル


「火耐性」:Lv2  「風耐性」:Lv2




「斬撃耐性」:Lv2 「水脆弱」:Lv5






 パッシブスキル


「体重」:Lv1  「飲食不要」




「不思議な瞳」






 称号


「こだわりのPK」






 ――――――――――――――――



 先の戦闘によりレベルアップし、「魔力」と「速」以外は全て上がっただろうか。物理防御にはかなりの自信があるが、HPの低い今の状態では時間をかければ倒せる敵に過ぎない。どうしたものか。

 掲示板にも書いてあったように、魔物陣営はスキルの習得の機会が少ない。その法則はもちろん私にも当てはまるため、今回のレベルアップで得られたスキルはゼロ。しばらくは「転がり」と「体重」によるダメージ増加に頼ることになりそうだ。手…欲しいな。殴れないのはかなり不便だ。

 今回もプレイヤーを倒したため、何か称号が手に入るかと思いきや、特にそんなことはなかった。まぁ、そもそも現在持っている称号の検証をできていない状況でこれ以上何かを手に入れてもTodoリストが飽和するだけなので逆に好都合だと考えることにしよう。


 ドロップアイテムについては今回は得ることができなかった。倒した瞬間、ドロップアイテムが落ちていたのかはわからないが、踏みつぶして倒している以上、その場にアイテムが落ちたということはないだろう。落ちていたなら回収できているはずだ。多分、全ての戦闘が終わった後にアイテムが散らばるのだろう。通常戦闘でそのような仕様にしているとは思えないから、PVPだけ仕様が違うのか?このあたりの細かい部分も掲示板で確認しておくべきだろうか。そこまで神経質にならなくても十分楽しめる気はするが。


 そして、ありがたいことに掲示板にあのゴブリン達が私のことを書き込んでくれたようだ。あまり脅威には感じてもらえなかったようだが。うまみがないとも言われていたし。だが、彼らは私がNPCだと信じてくれてはいたようで、なんだか悪戯が成功したみたいでうれしい。今後も機会があったらロールプレイしてみよう。

 それと、ゴーレムの性能についてだが、現状私自身、掲示板内で言われていた通り、足が遅い雑魚としか思えない。時間さえかければちまちまと削って倒せるのだ、相対しても逃げるのが簡単なのでいくら体重の差で押しつぶそうとも強敵だとは思わないだろう。そう考えると、私に必要なのは手ではなく速度なのかもしれない。移動速度が人間の歩行程度なことに関してはあまり気にしていないが、戦闘時ぐらいは加速なり、なんなりしたい。魔物陣営はある一定の段階まで成長すると進化して能力や見た目が変わるのだが、そこまで待つ必要があるのだろうか。戦闘前に考えていた、「採掘」で壁から転がり落ちるというやり方は今からでもできる加速方法だが、いかんせん準備に時間がかかるし、垂直な壁だとそもそも私が登れない。というか、洞窟を抜けたらそもそも使えない方法なわけで、洞窟から出ようとしている身にとってはその場しのぎでしかない。何か、突発的に戦闘状態になってしまった時の対処法も考えておきたいが、今は良い案が思い浮かばない。


 そもそも、戦闘経験も少ないのが問題か。NPCとも戦いつつ何か考えるか。外に出れたときに何か思いつくこともあるだろう。


 加速する方法については、「とりあえず戦いながら何か考えつくことに期待する」と決めた私は、メニュー画面を開いて一応神託を確認する。しかし、メニューを開き、画面を移動させるもそこに新たな文字が書き込まれていることはなかった。

 ゲームが始まってからそれなりに時間がたっているが、一体いつ頃神託はおりるものなのだろうか。クエストの受注が難しい魔物陣営としては、目先の大きな目標として神託が欲しいのだが。


 来ないものは仕方がないか…。


 人間陣営ではどんな仕様になっているのだろうと思いつつも、基本的に他陣営の掲示板は見ることができないため、今更それを知ることはできない。β版の情報を調べることもできるが、抜け穴を突くようで少し気が引けるので、当初の予定通り洞窟の外を目指すことに決める。


 洞窟を出るまでにやりたいこととしては

 ・「採掘」によるアイテム採取

 ・称号の確認

 ・加速の仕方

 ・神託が来るか否か

 こんなところだろうか。特に「採掘」によるアイテム採取は積極的に行っておきたい。ある程度制限はあるだろうが「採掘」はMP消費の無いスキルだ。もし、他の魔物と交渉するようなことがあった時に鉱物を蓄えておければアドバンテージになる。人間陣営にはドワーフがいるが、こちらにはまだこれないし、皆が道具を生産する前に鉱石が掘れて、素材で交渉できるのは強みだろう。インベントリの使い道も今のところないし蓄えれるだけ蓄えよう。


 意外とゴーレム特有の強みになるんじゃないか、と皮算用しながら私は洞窟の奥へと転がっていった。




―――――――――――――――――――――――


「体重」

所有者が身体による攻撃を行った際、重量に応じてダメージが加算される。

レベルは重さを表しており、加算ダメージの計算式が変わるわけではない。


「飲食不要」

食事を摂る必要がなくなる。食べられなくなるわけではないので、料理によるバフやデバフは問題なく作用する。


「不思議な瞳」

瞳が存在しないものの、周囲を目で見たかのようにとらえることができる。暗闇でも問題なく視界を得られ、強い光でひるむことも魔法によって視界を遮断されることもない。


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[気になる点] ステータス欄行間空けすぎかな…… もうちょっとコンパクトに縮めてもいいと思います
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