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21/39

21,新スキル

 ひとしきりミニゴーレムで遊んだ後、私は拠点へと戻った。


 拠点に戻ると再度、ステータスを確認し、進化したことによる変化や、スキルの確認を行っていった。



――――――――――――――――



 種族:ゴーレムリーダー Lv1



 HP:75/75 


 MP:12/12




 力 :25


 魔力:8


 防御:65


 魔防:25


 速 :5



 ⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯


 <通常スキル>


「転がり」:Lv1  「採掘」:Lv2



 <種族スキル>


「火耐性」:Lv2  「風耐性」:Lv2


「斬撃耐性」:Lv2 「水脆弱」:Lv5


「ゴーレム生成」:Lv1(60/60)



 <パッシブスキル>


「体重」:Lv1  「飲食不要」


「不思議な瞳」



 <称号>


「こだわりのPK」


「ジャイアントキリング」



 ――――――――――――――――



 進化したことによって、元あったレベルが1に戻っていた。ここから次の進化までまたレベルを上げていくことになるのだろうが、次は何レべになるのだろうか。


 基礎ステータスとしては体力、防御、魔防がかなり伸びた。並たいていの耐久ではなく、進化によって魔防も伸びたので、魔術師キャラに対しても、ある程度戦っていけるだろう。

 ゴーレム生成の習得によって、実質攻撃力が上がったからか、ステータス上の数値はあまり変化しなかった。生成したゴーレムの火力次第にはなるが、体重のボーナスダメージは変わらないので特に問題はないと思う。

 今まで伸びにくかった、魔法系の数値が上昇しているが、これは誤差の範囲内だろう。使い道も無いので、伸びたところでフーンといった感じだ。

 対して、速さの値が上昇していることには驚いた。もしかすると移動速度が上昇したのか?と喜んだが、体が大きくなったことによって一回の回転で稼げる距離が伸びただけのことだった。多少は早くなったがあまり変わらない、種族の特徴なので甘んじて受け入れよう。


 スキル面では目玉である「ゴーレム生成」。ステータスの横にある(60/60)の数値はゴーレム生成専用のスキルポイントのようなもので、片手(1体)を作るのに30ポイントが消費される。1ポイント、1秒で回復するため、ゴーレム1体のリキャスト時間は30秒ということになる。私がカモにできる相手にはかなりの効果を発揮しそうだが、ミニゴーレムを一瞬で倒す敵と戦うことになったら、私は約30~60秒、ただ的がデカいだけのゴーレムになるので注意がいりそうだ。


 大きくなった体の大きさはというと、体高が140㎝で、転がる状態になると直径が120㎝と以前までの体高と変わらないぐらいになる。ゴーレムリーダーでこれなのだから、ラージゴーレムであれば160㎝ほどだったのだろうか、実際に見たらかなり威圧感を感じそうだ。

 生成したミニゴーレムの体高は足を生やした状態で60㎝と進化前の私の半分ほどの大きさだ。小さく聞こえるが、つくりが岩なのだから当たったら痛いじゃすまされない。投げるのは忍びないが有効な攻撃手段になりそうだ。なお、命令も射出もしない状態のミニゴーレムはただ単に私の手として使うことができるようだ。指や関節の無いただの岩なので器用なまねはできないが、敵をぶん殴れるだけやれることは増えるだろう。


 

 ゴーレムリーダーに進化した際に知ったゴーレムの進化派生や能力については、まだ掲示板には書き込まないことにした。私以外のゴーレムプレイヤーらしき書き込みが見つかっていない以上、私の特定に繋がる情報は出したくない。

 イベント等で活躍して一躍有名に、というのであれば避けられないしわかる気もするが、今回は自分に選択権があるので回避させていただく。私と同じことを考えて様子見しているゴーレムプレイヤーがいたら申し訳ないが、ラージゴーレムとストーンゴーレムには無条件で成れるので許してほしい。



 自身のステータスの確認を済ませると、私は拠点内でゴーレム生成が発動できるか試してみる。

 

 ポポンっと小気味よく両手が生成され、攻撃するようなスキルでなければ拠点内でもスキルが発動することを知った。

 出来上がった両腕をブンブンと振り、使用感を確かめてみる。


  

 ひとつひとつが重いから、速度も出ないしパンチ一発でかなり体が流されるな・・・。ファイターであればこのあたりをうまいことできたのかもしれないな。

 やれそうなことは叩き潰すことか、両腕を目一杯広げて体全体のプレス範囲を広げること?自律させるか投げた方が強いかもしれない。



 外で初めて生み出したミニゴーレムはいつの間にか消えていたので、消滅までの時間も知りたいと思い、両腕からゴーレムを離す。


 ボトッと落ちたミニゴーレムは私が何の指令も出していないからか、足すら出さず、転がっている岩そのものだった。

 そのため、周囲を歩き回れと命令してみるが何の反応もなく、体から切り離す前に命令を与える必要があるのかもしれないと考え、もう一度体に戻そうとするもそれもできなかった。


 なので、30秒ほど待ち右腕のゴーレムだけ生成すると、今度は立って歩けと命令してから切り離した。すると、先ほど切り離していたゴーレムの1体が消滅し、新たに落とされたゴーレムは以前のように小さな足を出して歩き始めた。


 

 なるほど、一度切り離したゴーレムは体に戻せないし、ゴーレムに命令するときは体から切り離す前にしなければいけない。一度に切り離して置けるゴーレムの数は2体までで、ゴーレムを切り離した状態で両腕を生成することは可能ってことか。



 段々と能力のことがわかってきたので、次は最初に出したもう1体のゴーレムがどれほどの時間で消滅するか待っていると、体から切り離した3分後に消滅することが分かった。


 作って、命令して、投げて、動いてもらって、新しく腕作って、一緒に戦う。こんな感じの流れを、3分ごとに行っていくのが私の戦闘スタイルになるということだろうか。結構忙しそうだ。けど、早く試してみたい。夜が明けたらダメージ等の実験もしよう。




 ・

 ・

 ・




 ゴン・・・ゴン・・・ゴン・・・


 日が昇って、スケルトンたちがいないことを確認すると、私はミニゴーレムの実験のためゴーレムを狩っていた。

 お互いが耐久型のせいで、経験値にするには効率が悪いゴーレムだが、足が遅いということが今回は利点となる。ほぼ逃げることの無い相手なので、確実にダメージを検証できる。


 まず最初に、私がゴーレムを倒したのだが、その時は4、5発で倒すことができた。進化する前よりも格段に速く倒すことができ、進化による強化を強く感じたが、主な原因としては体高の変化と、手の入手だと考える。

 前回までは、全く同じ体高のゴーレム相手にお互いガツンガツン体をぶつけあうだけだったが、今回は体高で勝り、上から手を振り下ろすことでしっかりと体重が乗った攻撃ができていた。そのため、進化前とあまり変わらない攻撃力でもしっかりと相手にダメージを出すことができ、火力アップにつながったのだろう。

 

 この4、5発というのを現在のベースにし、次はゴーレム投擲、ミニゴーレム単体、ミニゴーレム2体で攻撃を行った。

 ゴーレム投擲では6、7体のゴーレムを投げつけた時点で倒すことができた。遠距離でありながらも、以前の私よりも火力があって大変感動した。

 こちらにも、勢いによるダメージの大小があるのかと、投げ方を変えて検証してみたが、やはり速く、強く相手にぶつけた方が威力は出る。少し不満があるとすれば、6,7発投げるのに最短で2分半程度かかることだろうか、拠点ではあまり感じなかったが、30秒のリキャストは戦闘時だとそれなりに重い。初めから切り離さずにゴーレムを携えておけば、すぐに出せるゴーレムの数は実質4体になるので、これからは常にゴーレムを身に着けておくことを意識しよう。


 次はミニゴーレムに単体へ敵に攻撃することを命令し、戦わせてみた。結果は、勝負がつかなかった。どちらかが倒れるまでに3分経ってしまったのだ。この結果には少し驚いた。

 何が驚くって、ミニゴーレムが倒されなかったことだ。この子たちかなり硬い。私の防御実数値がそのまま反映されているなんてことは無いと思うので、私よりも柔らかいはずなのだが、なかなかどうしてよく耐える。火力に関しては、ゴーレム相手では少し検証が難しかったかもしれないので、ちゃんと押しつぶせるもので確かめたいと思うが、結果としてはかなり好感触だ。


 2体のミニゴーレムに命令し、戦わせた際も勝負がつかない結果となった。

 この結果は何となく見えていたので、きちんと連携を取って戦っているかに重点を置いてみていたが、相手の邪魔になる行動はしていないように見えたので、問題なく実戦でも使用することができると感じた。

 


 火力という点でゴーレム相手では、体格差やミニゴーレムが押しつぶせる箇所がないことからうまく検証ができなかったので、マンティス相手とも戦ってみることに。

 

 結果は、“本体+ミニ×2”>“本体+ミニ”>“私一人”と数が増えるごとに相手を倒すまでにかかる時間は減っていった。しかも、この結果は私がミニゴーレムを投擲せず、命令を行った後、ただただ切り離して一緒に戦った結果なので、命令してから投擲した場合はもっと火力が出るだろう。

 

 ミニゴーレムたちは、私がマンティスの攻撃を真正面から受けている間、マンティスの足を潰し続けており、それを嫌がるかのようにマンティスの意識がそちらに向くと私の拳がクリーンヒットするというかなりの好循環が生まれていた。

 課題としては、マンティスのように近距離で好戦的な魔物以外をどうやって倒すかだが、ここにはそんな魔物はいないので検証の仕様がない。

 ミニゴーレムを投げつけることで何とか、とも思わなくないが、そこまで速度を出して投げれるわけでは無いので、未だ素早い相手には苦戦を強いられることになるだろう。


 ともかく、ゴーレム生成は私の想像よりはるかに強いスキルだった。

 手数が単に増えるだけでなく、ある程度命令することもできるため、今後できることは発想次第でいかようにも増やすことができるだろう。

 

 種族スキルであるため「ゴーレム生成」のレベルは上がらないのだろうが、ここからどんどん進化していった際に、どんな伸びを見せてくれるのか今から楽しみだ。

 

 火力、射程、防御の向上という大きな恩恵をもたらしてくれた進化。

 


 この体なら、スケルトンにも勝てるんじゃないか。


 

 進化した自分の強さに自信をもった私は、真夜中のスケルトン討伐に赴くことを決意した。




 ―――――――――――――――――――――――



 現在の主人公の姿が気になる人は、「ゼル○の伝説」「岩」「ロック」と検索をかけていただくとイメージがしやすいです。

 この姿がさらに簡略化され、関節部分無く、岩5つで構成されているイメージです。時間があったら、簡単な絵をTwitterにあげようと思います。

 

ブクマ&評価ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] これイワロックかw 勝手にamong usのクルーみたいな形を想像してた
[良い点] ミニゴーレムの軍勢を率いるのではなく、数が腕の二個っていうのがゲームのボスモンスターっぽくて好き。 本来群れをつくらないゴーレムが集団戦を経験することで派生した存在で、「なんだか存在自体…
[一言] 某ピンクの球体生物64のストーンストーン的なのかなって考えていました。(古い) いや想像よりかなりゴツいな……
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