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〜夏の代名詞〜

夏が始まった...早くも気温が30度に達した。

外は30度、中は18度...天国と地獄だ。

夏にやることは沢山ある....まずひとつとしては人と会うことだ。

会いに行けばそこからが俺の夏の始まりだ。

近頃地域周辺でお祭りをやるとの話を聞いた、それについて話し合う目的で今日会おうとしてる。お祭りに行く計画を立てるのなら、連絡だけでいいだろと思うがね。

一緒に話すやつは昔から仲のいい女子一人。

名前は菫すみれ

出会った時から綺麗で、ニコッと笑った顔が素敵で1番好きな人だ。どっちでの好きかはなんでもいい。

とにかく到着の連絡をして家の外で待つ.....。

「お待たせ!」と聞こえて振り向けば幼なじみがいた。

笑顔でこちらへと歩み寄り、夏らしい服を身につけた幼なじみを見て俺は春が来た気分だった。

暑さなんてぶっ飛んじまうくらいに俺好みの服だ....。

大したことの無いただの話し合いで海に向かうなんて相当のバカかそれ以上の何かか、ただの海嫌いかのどれかだ。

んでもちろん海には入らない。水着すら下に履いてないんだ。だが夏気分を感じるのなら海と祭りだ、まだまだあるが夏を代表するには十分なジャンルだと思うし、行くだけでも風情があっていいだろ?

とはいえだ、砂浜で砂遊びしながら話すつもりで来たわけだが....傍から見てみれば可哀想な奴らに見えているだろうな...。


.....そうこう話してる間に夕方になった。

オレンジに光る太陽が海へと沈もうとしてる....俺達もそろそろ帰ろうと言い、歩きで家まで帰った。

帰りの最中...菫が...


「私たち昔から一緒にいるのに海も祭りも一緒に行ったことないよね、毎回互いに友達と行ってるもんね」


と言い出した。

確かに考えてみれば一緒に行ったことないし、なんなら去年は幼なじみから誘われたが友達と行くと言って断った思い出がある....。ホントは行かんかったが...。

続けて菫は


「手とかならちっちゃい頃にいっぱい繋いだけど...ハグとか......キス...とかしてないよね....

......なんてね笑....気にしないで笑...何その顔笑

期待した?笑」


自分で言ったくせに恥ずかしくなったのか、目を合わせてくれない。

俺が「したいのか...?ハグ...」と言うと菫が笑いながら


「...何言ってんの笑何やっぱ期待してんの?ばーか笑」


と俺を茶化した...まぁ.....そうだよな...。

話をしてるうちに幼なじみの家に着いた。

菫は後ろを振り向いて


「今日は楽しかったよ!お祭り楽しみだね!笑それじゃ、またね〜!にひひっ笑」


そう言って笑う顔が、沈んでいく太陽よりも輝いて見えた。相変わらずの綺麗さだ。

あの後倒れるようにベッドで眠りにつくと、気付けばお祭り当日....適当に家で過ごしていた。

18時頃になるとそろそろ時間だ。幼なじみは用事で遅くなるんで、先に祭りの会場へ向かうとそこはかなりの人混みができていた。

子連れから男の集団...女子の集団...カップルまで多様の人々がお祭りを楽しんでいた。

お祭りの入口で俺は待った...そう時間はかからなかった...。


「おーい!」


声のするほうを見ると、駆け足で菫が来た。


「いや〜楽しみだねぇ〜笑てか暑くない?」


到着と一緒にそう言う幼なじみは、浴衣を着てやってきた。

菫の浴衣は薄い水色を主体とした浴衣に、色々な模様が描かれていて....それがかなり菫に似合っていた。

「どうかな?笑」と菫が聞いてきた。

当然俺は「凄く似合ってるよ」と絶賛する。

照れ気味に「あぁ...ありがとう...///」と言う菫の顔は少し赤いように見えた....。


俺「ちょっと待て。」


俺がそう言うと幼なじみはキョトンとした表情を見せる。


俺「今日、何時集合か知ってるか?」


菫は何かを察したように震える声で

「じゅ...18時...です...。」


俺「今何時か、分かるな?」


いちいち本人の口から言わせるウザイ教師のように問い詰める。


「20時です.........うぅ....ごめんなさぁぁあい!!!」


いきなり幼なじみが泣き始めてしまった!周りの視線がひしひしと感じる....。


俺「え....?おいおいおい待て待て、すまん俺が悪かった。えーとっ...その.....俺はただ次気をつけて欲しいからさ?遅れるなら遅れるって言って欲しいって言うかさ...あぁ....なんて言うか......俺が問いつめすぎた。ごめんな?飯でもなんでも奢るからさ?」

.....この回答って、あってるのか...?


そう言うと幼なじみは涙を拭いて、俺に言う

「うん!ありがとう!でも、遅れちゃったのはごめんね?次からは気を付けるよ。じゃ、行こっか!」


そう言って俺の手を屋台の奥へと引っ張っていく。



俺「お前それ食ったら太るぞ?」


「うるさいなぁ!女ウケがそもそも良くない人に言われたくないね!」


俺「お前言ったなぁ?!待て!!」


「うぃ〜笑捕まえてみろ〜にひひ笑」



人混みの中を子供のように走り回りながらも屋台を周り、食べて飲んだ...。かなりお腹が痛くなってきた...。


幼なじみが突然立ち止まり

「なんか私たちカップルみたいだね笑」と言い出した。


俺「え?なに急にそんなん...どういうこと?」


そう言うと幼なじみは、俺の反応を嘲笑うように

「嘘〜反応面白笑」と俺を笑った。

コイツは昔からそうだ。期待させては落としてが毎回の手口で、相手の反応を楽しんでいる変態だ。

前からずっと変わらない....不満は無いが少しくらい変わらないものか......。昔....ねぇ....。


「.........おーい?....大丈夫?気分悪いの?あそこで休む?」


俺「....んぇ?なんか言ったか?」


「何か言った?も何もいきなりボーッとしだしてさ、私の言葉に全く反応しないんだもん...笑」


俺「....ちょっと休むか...ごめんな...」

過去....なんで過去なんか....笑

アイツと過ごした過去なんて、大したこと.....。


俺「....もう大丈夫だぞ、お前こそ疲れたりしてないか?食いすぎで。」


幼なじみが俺を強く睨む

俺「あ、あはは....疲れて無さそうだなぁ....ハハッ....」


「...え?私は別に疲れてないよ?疲れてんのはそっちじゃないの?過去がどうとか小声で言ってたけど笑」


俺「....過去?...んな事言ってねぇよ笑ほら行くぞ。」


「...ふーん笑...悩みがあったら私にいつでも言うんだぞ?笑」


俺の頭をポンっと叩くと屋台の方へ走り去っていった。

後を追いかけて俺も屋台の方へ走り出した....。


過去を振り返ると今と比べて「変わったな」と思う。

"自分はどうして変わったのか"と思う程だし、何をきっかけにこれ程に変わることができたのかすら分からない...。

昔なら人に優しくなんてしなかったし心配なんてしなかった...。

人の心が持てた...人を思いやれた...変化が俺を温かみのある人間に変えた......。

今まで自分が"正しいと思っていた考え"というのは、

"消費期限"と一緒だ。時間が経てば捨てなくてはいけない。

人の人情を持てたり相手に見せれるようになったのはきっと、"間違った自分に気付き新らたな自分を作ることが出来たから"なんだろうな.....。


あれから残りの屋台を回り、財布が軽くなりすぎて心做しか体重も軽くなったように感じる。

あたりはすっかり夜....皆が家に帰る中俺はトイレの中で、溜め込んだ思い全てをトイレに吐き流した....。

吐くと気分がいい....スッキリする。


「スッキリした?体弱すぎじゃなーい?笑」


俺「男は女より強いんだ。」


「そんな弱い女の前で強いはずの男が無様にも吐いてますよ?笑説得力皆無ですよ〜?笑」


俺「ふぅ...よし、帰ろう。」


吐いたゲロとストレスをトイレに流し帰路に着く。


「今日はありがとね!すっごく楽しかった!」


俺「あぁ俺も楽しかったぞ、また行こうな」


「うん!またねー!」


明日はいつも通りの学校。退屈が眠気を呼ぶ日がやってくる....まぁ、彼女がいるのなら...嫌でも退屈はしないだろうな。ふぅ....寝ようか...。

いかがでしたでしょうか?


夏は良いですよね。暑いですが季節の雰囲気やイベント

昔からずっと好きです✨



次回もよろしくお願いします!

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