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0.はじまり
初投稿です。どうぞよろしくお願いします!
とある世界で、とある国の魔法剣士が死んだ。
魔物が跋扈する荒廃したその世界に、突如現れた時空の歪みが暴走した。
世界崩壊寸前のところを、己の持つ膨大な全魔力に更に全生命力を魔力に返還して上乗せし、それをもって封じたのである。
静けさを取り戻した大地に魔法剣士の遺体は横たわっていた。
まだ18歳という若さの少女の身体は血に塗れ傷だらけで、宵闇色の艶やかな長い髪と白い肌の美しいしなやかなその姿は、魔法剣士というには似つかわしく無いものだった。
世界の運命をこの少女一人が背負い、見事に脅威を払ったのだ。
その命と引き換えに。
彼女の名はキサギ・マガミ。
遥か東方の国、皇国と呼ばれる国の最強魔法剣士であり、世界に溢れる魔物を己の編み出した魔法で屠り、愛刀"八咫烏"で切り倒し、その名を世界に知らしめた者であった。
二つ名を、宵闇の守護闘神と呼ばれていた。