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5.槍の足音

足音が階段の前で止まるのがわかる

「こんなにズカズカ入ってくる奴はあいつしかおらんからのぉ!」

ガンジスがめんどくさそうな顔でボイスを使う

「坊主!ちょっと上に行って対応して来い!」

「仕事場にいる黒助は自分が納得するまで動かんからのぉ…」

ブラックの邪魔をしないようにそっと側を離れるボイス

「わかりました!ちょっと上見てきます!」

ボイスが階段を上がり見上げるとそこには

現在オールマスター候補の

ビート・シカーナが立っていた

驚き階段から転がり落ちるボイス

「なんじゃ坊主!魔物でもきたのか?」

唾を飲みガンジスに語るボイス

「あ、あの、ス、スピアマスターの、ビート・シカーナが来たみたいですよ?ガンジスさん」


ビート・シカーナは武術の教科書の表紙になるくらい有名な人である

そして彼は国で唯一団を率いてる現在の英雄である

【ケルベロス団】

ビート・シカーナ団長率いるケルベロス団

団員数は50人、武器は国が調達してくれる

国王公認の団である、

ボイスも最初はそこを目指していた



肩でため息をするガンジス

「そいつがめんどくさい客じゃよ!」

急いで駆け上がって行くボイス

「はじめまして!」「僕の名は、

自己紹介の途中でビートが口を挟む

「ボイスだろ?優等生のくせに鍛冶職人に職が決まったボイスだろ?」

「お前はある意味有名人みたいだね」「国の皆が笑ってたよ」

歯を食いしばりビートに言う

「俺はオールマスターになるの夢諦めてませんから」


頭にはてなが浮かぶビート

「俺はいいと思うよ?鍛冶職人が1番オールマスターの近道じゃない?」

「オールマスターってのはよ、武器を知り、どんな武器でも生かして、力を最大に引き出せるのがオールマスターだと思うんだよね!」

「現在1番オールマスターに近いのは紛れもなくブラックだと俺は思ってるしな!」

「なれるといいなオールマスター!」


嫌味な人だと最初ボイスは思っていたが意外にそうでもなかった、どちらかというと掴みにくい人だった

「あ、ありがとうございます」「頑張ります…」


コツコツとブラックが階段を上がって来た

「今日はどうした?」「また武器壊したんじゃねぇだろうな?」


子供のような顔で笑いごまかすビート

「ごめん‼︎また直して下さい!」ドン


キッチンの机の上に壊れた槍と金貨がパンパンに詰まった袋を置いた

ちなみに金貨1枚は銀貨20枚分である…

腕を組見ながら机を見るブラック

「足りないな!」

金貨がパンパンの袋を見つめるボイス…

「魔心石が一つもねぇじゃねぇかよ!」

「お前の武器は上級魔心石がねぇとなおせねぇ」

「俺はいかねぇ〜ぞ!」

魔心石は高学年になると授業でもよく使っていた

魔物の心臓に各属性が宿っている

青スライムなら水、赤なら火と、各家庭で生活に役立てるために使われている

あのスピアマスタービートが頭を下げたのみこむ

「頼むそこをなんとか!」

ペタペタとガンジスも上がって来た

「ビートやここへは当然一人できたんじゃろうな?」

「後ろの男は誰じゃ?」


慌てて振り返るビート

「なぜ俺が団から外されたんだ!」

元ケルベロス団の男がビッグソードで襲いかかる

スピィンと…キッチンの包丁でビッグソードを止めるブラック

「理由は俺が3つ教えてやる」

「一つ、後ろから命を狙う時に大きな魔物用の武器で襲う様な能無し」

「二つ、団に入っている事に浮かれ、己を極めず、剣と語ることもない戦士」

「三つ、後ろから首にボイスがナイフを当てている事に気がつかないボンクラだからだ」


ブラックが動くと同時にボイスも動いていた

まるでブラックが剣を止めるとわかっていたかの様なボイスの動きであった


団長が立ち上がり男を森に連れて行くがすぐに戻って来た団長の右手にはビッグソード、左手には男性の首を持っていた


「すまなかった、これで許してくれ、不覚だった」

「ここの鍛冶職人の事は国には謎にしなければならないのに危うくバレるとこだった」



それもそうだ山に2人のマスターが武器を作ってるなんて知られたら国が黙っちゃいない…

だがそれよりもケルベロス団の団長を務める男の宿命的なものをボイスは心で受け止めていた


「まぁ許してやるかのぉ!」

全裸のガンジスを叩くブラック

「さっさと服着ろよ!クソジジィ!」


キッチンに3人が座る

ブラックが昼メシのラーメンを準備しながら話を聞く


「で本題だ」

「俺の武器を直してくれ、そのために上級魔を倒しにリザードマンの森に一緒に来てくれ!」

「頼む!」「むしろ団に入ってくれブラック!」


トントン、とリズム良くネギを切るブラックが言う

「断る!俺はチームを組むのはあいつがいるチームと決めているんだよ!」


ガンジスとビートがにやける

「ずいぶん想っておるのぉ〜」

「あの暴君がここまで丸くなるとはびっくりですよねガンジスさん!」


ポツンと置いてかれるボイスの前にタイミング良くラーメンを運んできたブラック

「ボイス!これがラーメンだ!」

と言いボイスにラーメンを置き

「今回武器を直すならこの4人で行く!」

「ならいいよなぁ?ジジィ?」

と言いガンジスにラーメンを置く

「4人ならええのぉ!坊主の強さも見たしのぉ」

ビートがホッとした顔をする

「ありがとう」

ブラックがビートにもラーメンを置く


4人が無言でラーメンをすする!

「うめぇ、うめぇ!」と言っているボイスを見たブラックは少し微笑んでいた!


食事を終え、少しまったりする三人、


上級魔を狩に行くために一人武器こへ向かうブラック


予備の槍をビートに持って来た

「ビート準備に3日は欲しい」「いいか?」

槍を受け取りながら答えるビート

「あぁ、わかった!3日後またここにくる!」


ビートを、見送り

ボイスを武器庫へ連れて行き

ボイスの武器、防具を調整し始めるブラック

「個人的にはスピードをいかしたいんだよなぁ」

軽めの鎧と使い慣れたボイスのナイフを手入れしはじめた

ちなみに武器庫は地下の鍛冶場の隣にある部屋だった

戦いに行く準備をするブラックさんは

遠足を楽しみにしている少年の様な目をしていた

きっとビートさんが言っていた暴君がウキウキしているのだろうな、


3日間仕事、トレーニング、風呂を繰り返した

鍛冶屋に来てから5日




そして今日上級魔討伐の日が来た

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