2.旅立ちの音
この世界の王国は、魔物を避けるために
深い谷で城を囲み谷底には、食料を求めた魔物の死骸がウヨウヨといる
そのため深い谷を超えて山の鍛冶職人の所に行くには吊り橋を渡り山へ向かわないといけない
当然吊り橋の入り口、出口には兵士が見張で立っている
そして通行の魔法を付与してもらわなければならない
魔法を付与していない者が吊り橋に足を踏み入れると吊り橋が切れてしまう仕組みになっている
そうしないと兵を殺し魔者がウヨウヨ来るからだ
魔法付与もただでは無い
一回の魔法付与に10銀貨かかる
10銀貨は兵の1ヶ月分の給料だ
そんな吊り橋を渡るのは
魔物討伐依頼を受け勇者を目指すチームとベテランクラスの冒険者くらいだ
魔物の心臓石は武器や防具を作れたり、効能効果のある心臓石もあったりするから国や商人などに依頼されるのだ、冒険者は新たな国や珍しい物を見つけている
今見つけた国は馬の足で休まずに4日間走れば辿り着けるポリフェ国くらいだ
ポリフェ国は完成度の高い武器所持している
有名な武器は【刀】という剣だ
そして母がくれた銀貨を手に俺は今吊り橋に向かっていた、
昨日の夜母が教えてくれた
この銀貨は卒業の祝いに母がボイスに剣をプレゼントするために貯めていたお金だという事を
吊り橋の手前で誰かが走って来た
「昨日はごめん」
「学校を飛び出して帰ったお前に俺は何も出来なかった」
親友のライトだ…俺はこいつとずっと一緒だった
「いやいいんだ…俺鍛冶職人なるけど剣士は諦めてないからよ!」
「ライトは何の職業になったんだ?」
申し訳なさそうに言うライト
「け、剣士」
額に手を当て笑いながらボイスが口を開く
「マジかー!先越されたなぁー!」
「まぁ今日からお互いがんばろうな!」「じゃっ!」
何も言えずにたたずむライトを通り過ぎていくボイス
吊り橋の前にたどり着き魔法付与をしてもらう
「通行付与お願いします」
兵「10銀貨だ」
兵に銀貨を渡すボイス
兵「ずいぶん汚れた銀貨だなぁ!はっはっ」
怖い顔でボイスが怒鳴る
「その銀貨は母の希望だ!お前にその銀貨の重さなんてしらねぇだろうな!」
兵「き、貴様‼︎‼︎」
剣を抜こうとした兵士の首にボイスのナイフがとどまる
「その程度ですか?早く通行付与してもらえないかな?」
慌てて魔法使いが通行付与をした
侮辱した兵を置き去りにするボイスが橋を渡り終える時
後ろからライトの叫び声が聞こえる
「ボイス!俺負けねぇからな!」
黙ったまま右拳を上に高らかとあげ
涙を堪えて下唇を噛むボイスがいた
心の中で叫ぶボイス
ライトお前は最高の親友だ、そして今日からは最強の親友だ‼︎
コツコツと山の中へと進んでいくボイスは
卒業したばかりの少年の姿ではなく、大人に近づく男になっていた!
山の中のには1本の獣道があった、その道をただひたすら登るボイスはふと気づく
生えている木1本づつに矢印をみつけた
「この矢印を辿ればつくのか?はぁはぁ」
山を登り始めて5時間、ゴブリンがボイスを囲んでいた
「はぁはぁ、ゴブリンが、いち、に、5匹か」
と数えながらナイフを手にするボイス
ボイス目掛けて5匹のゴブリンが一斉に飛びかかって来た
慌ててリュックを下ろし、戦闘態勢に入るボイスを嘲笑うかのように、リュックだけ奪い消え去るゴブリン
「はぁはぁ、畜生俺は、ゴブリンにまでも馬鹿にされないといけないのかよ」「はぁ…はぁ…」
はじめての山登りにかなりの体力を奪われていたボイスが倒れ込む
意識のかすれる中、誰かにおぶられてるボイス
たくましい背中だなぁ…と思いながら寝てしまう
紳士的な部屋の
ふかふかのベッドの上で目が覚めるボイス
見知らぬ男性と老人が喧嘩をしている
男性「だーかーらー!そのリュック返してやれよ!」
老人「やーだねー!ゴブリンを懲らしめたのはワシじゃ!だからワシの物じゃ!」
男性「ガキか?クソジジィ!!」
老人「もうお前は一人前じゃ!出てけ!」
男性「あ?いいからリュック返せよ」
恐る恐る喧嘩に水をさすボイス
「あ、あのぉそのリュックは…僕のじゃ無いですかね?」
老人「これはワシのじゃ!」
クスクス笑うボイス
「リュックは別にいいですよたいした物入ってないので、ただナイフだけは返してください…」
「あのナイフだけは大切なナイフなんです」
男性「あぁこのナイフか?おぶってる時もずっと離さなかったからな!さすがに寝てる時は危ないから無理やり手から離しただけだ」
といい男性がナイフをボイスに渡す男性
「おぶってくれたのはあなただったんですね!助けてくれてありがとうございます!僕、ボイス・
老人「あーーーー!ボイス君!今日から来ると言った新人か!昨日伝書鳩から手紙が来てたわ!」
「すまんのぉ!忘れとったわ!」
といいリュックをボイスに渡す老人
「弟子は足り取る帰れ」
状況が読めないボイス
「ぇ…」