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現代の魔女・クロニクル  作者: 諏訪未来
13/20

第13話 12月19日 昼


<<良子の入院している病院にて>>



良子が目覚めて以来良子の身体は至って元気で、病院での生活に暇を持て余していた。栄養バランスは整っているが味気無い昼食を終えて、良子は病院内をうろついた後、待合室に座り流れているテレビをぼんやりと眺めていた。


するといつの間にか隣に座っていた女性が話しかけてきた。


「ここに入院してるんですか?」

横を見てみると、とてもキレイな外国人女性が座っていた。


「そうです。事故にあって先週の土曜日からここにいます。でも明日退院なんですけどね。」


「それはおめでとうございます。事故って入院するほど大変だったんですか?」


「大変だったみたいなんですけど、目が覚めたら傷口すらすっかり消えていて、変ですよね?担当医の先生もびっくりしてました。そのせいで、身体がなんともないのに帰れない状態だったんですけど、脳波にも異常がないとのことだったので、はれて明日退院できることになったんです。」


「そうなんですか。何か不思議な話ですね。でも無事に退院とは素晴らしいことです。」


「そうですね。早く外に出て美味しいもの食べたいです。寒いからラーメンかな?あとはクリスマスイブにイベントがあるので、その準備もしなくちゃで、そう考えてみると年末に向けてやる事がいっぱいですね。」


「クリスマスイヴにイベントですか。」


「バイオリン二本でただクリスマスソングを弾くだけなんですけどね。興味あります?区が主催でやってるんで、墨田区のホームページをみれば載っていると思うんですけど。」


「へ〜バイオリンなんてすごいですね。時間があったら是非行きたいと思います。」


「なんかとても話しやすい人ですね。名前も知らないのに。やっぱり外国人の女性の方っていいですよね?日本人だと身構えちゃって、こうはいかないと思います。」


「あ、ごめんなさい。名のってなかったですね。私はリア クルルっていいます。知り合いがちょうど入院してて、ここでの入院生活はどうなのかなと単純に思っただけなんです。話しやすいなんて言ってもらえて嬉しいです。」


「リアさんですか。こちらも名のってないので、問題ありません。私は木内良子っていいます。それにしても日本語上手ですね。日本人と話しているみたい。」


「おばがこちらにすみ始めたので、小さい頃から日本とドイツを行き来していたんです。今は仕事で滞在しているんですけどね。日本人はクリスマスにも働くのでちょっと困ってます。働きすぎですよね?」


「外国の方にしてみればそうかもしれませんね。働くことが生き甲斐の人が多いのかもしれません。」


「そうなのかもしれませんね。私の滞在は数ヶ月なので、それが終わったら休暇でもとります。」


「休暇ですか。いいですね。日本だとゴールデンウィークとお盆くらいしか長い休み取れないですからね。」


「その分国民の休日が多いですよね。ドイツだとそんなにないので、とても新鮮です。しかも振替休日っていうのがあるんですよね。面白いです。ドイツでは休日と週末が重なっても次の平日が休日になるなんてことはないんです。」


「へーそれはそれで私には逆に新鮮です。」


二人の話はさらに弾み、時間はあっという間に過ぎていった.............



「そろそろ会社に戻らないといけないので失礼しますね。イベントにはできれば行きたいと思うので、またそこでお話しできれば嬉しいです。明日も会うかもですけど。」


「本気できてくれるんですか?それならその時にまたお話しましょ。」


「もちろんです。ではでは。」


リアは手を振りながら待合室を後にした。


良子はリアを見送りながら「それにしても何か不思議な人だったな。」と呟き、またテレビを見始めた。



リアはその後病院のトイレに向い、誰もいないのを確認すると空間転移の魔術を使って会社のトイレに戻って来た。


「ふ〜時間通りかな?それにしても良子さんのあれは...」


そう言うと達夫のいるオフィスへと戻っていった。




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