緩急を付けるって何さ?
書き方講座ではライトノベルとは魅力的なキャラクターが織りなす物語と定義し、前回の講座では面白い物語は緩急のある話であると推論を立てました。
さて…… この「面白いって何さ」という話は小説以外でも「少しだけ頭を捻れば応用が利く話ではないかなぁ」なんて考えています。具体的に言えば、動画、音楽、ゲーム、その他、およそ娯楽と呼べるジャンルにならどこにでも。
そもそも、この「面白いとは何か」の着想自体が遊園地から得ていますからね、そういう意味では「他の娯楽に転用できる可能性」というのはあっても不思議ではないでしょう。
最近、流行りの〇Tuberなんかを目指している人も読んで損はないかもしれません。
少々話が逸れてきましたので、話を戻します。
「面白い」に必要なことは「緩急を付けること」と言いましたが、何で緩急を付けると面白いのか。これは前回「面白い」を遊園地に着目したことに引き続いて、「ジェットコースター」に注目して考えていきましょう。
ジェットコースターの醍醐味と言えばスリルですが、仮にジェットコースターのコースを徹頭徹尾一定速度で運行する。或いは、コースの上を歩くとなれば、さほど怖いとは感じないでしょう。
このスリルというのは突き詰めれば「急発進」「急制動」「急転換」に辿り着き、もう少し物理学的な言い回しをするならば「加速度が掛かる」ことに由来すると言えるでしょう。
もう少し噛み砕いて説明すると「急な動きをして加速度が掛かることで初めて、身体は何かを感じることができる」のです。
裏を返せば「等速直線運動(=緩急)では何かを感じるきっかけがない」のです。その証拠にジェットコースターよりも早いはずの新幹線や飛行機に乗っても熟睡(=負荷を感じない)できるでしょう(なお、高所恐怖症とか、枕が変わると寝ることができない人は置いておきます)。
では、これで緩急を重要性は理解できたと思いますが、音楽やゲームならともかく、どうやって文字だけで紡ぐ物語に緩急を付していけば良いのか。
そのヒントは、この文章を改めて読み返してみてください。
如何でしょう。
時折、本筋の合間に関係ない話をしていたことに気付いて頂けたでしょうか。
そうです。緩急を付けるとは簡単に言ってしまえば、本筋から脱線してしまうことなのです。
無論、突拍子のない話というのはいけませんが、本筋から少しズレた話というのは物語に厚みをもたせて、読者の好奇心をかきたててくれます。
っということで、そろそろ文字数も良い感じになってきたので話を纏めてみましょう。
物語に緩急をつけるとは、本筋から逸れて脱線することである。