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プロローグ

どうもはじめまして、初めて始めました如月といいます!

こういうまえがきは昔から苦手ですので手短にやらせて頂きます。

今回、初めて書いた作品ですが、色々な本を眺めているうちに、もし自分が主人公だったら、とか誰もが一度は想像していることをヒントに書かせていただきました。

今後、暇つぶし程度に更新させていただきますので、これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

短いまえがきでしたが、それでは、本編をお楽しみください。

§冒頭



俺は後悔していた。


田舎で生まれた俺は、子供の頃から将来の夢も何もなく、ただ時間だけが過ぎていき、いつの間にか大人になっていた。その後、東京の会社に就職。生きるために精一杯仕事をし、過労でぶっ倒れても仕事をこなしていた。だがある日、とうとう余命を宣告されたのだった。「人生何が起こるかはわからない」と誰かが言う。そんな言葉を信じていた時期があった。今となってはもう期待もしていないが…


医者は「心残りがないように」と他人事のように言う。実際他人だから仕方がないといえば仕方がないのだが、その言葉は俺を絶望させるのに十分すぎる言葉だった。それから数日間、俺は精神不安定な状態に陥り、心を閉ざしてしまった。結果、寿命が早まってしまうほど、俺は衰弱してしまったのだ。


自業自得といえば誰しも納得できる。しかし、俺は納得できていなかった。たった一度の人生で、何一つ残すこともできず、何一つ刺激のなかった人生をこのまま終わらせたくなかったのだ。だが、今更である。今泣いても喚いても何か得るわけではなく、ただただ失っていくだけだと気づいたのは死の直前だった。誰もいない病室に、カーテンの間から夕日が覗く。ただ、死を待つだけの空白の時間が、俺には永遠にも感じれた。


「…もし……生まれ変われたら……なにか………のこせる…かな……」


これが俺の最期だであった。36歳という若さだった。



§プロローグ



さて、何故俺がこのようなことを語れるのか、疑問に思っている方もさぞかし多いだろう。しかし、世の中未知なことがたくさんあり、不条理や理不尽さで溢れている。そう、俺が死んだようにね。ただし、冒頭でも述べたように、「人生何が起こるかはわからない」という言葉がある。俺は死ぬまで信じれなかった。そう、死ぬまでは、だ。つまり、今は死んだあとの話である。話を戻そう。つまりだ。今、俺の目の前には見たことのない景色が広がっている。西洋風とも言い難く、まして東洋風でもない、なんと中途半端な町並みが広がっていた。ほっそりとした裏路地に四角い窓が幾つか点々とした4,5階建ての建物があちこちにあるのだ。「人生何が起こるかはわからない」とは、本当によく行ったものだ。


「一体どうなってんだ!?」


俺は顎が外れる勢いで驚いていた。さっきまで病室にいて、そこで俺は多分死んだ。しかしだ。目の前の景色には現実味があり、今どのような状況にあるのか、整理が追いつかなかった。


(一旦落ち着こう…そして、整理しよう…)


色々と思い当たるフシはあるといえばある。だが、どちらも現実味がかけているため俺はついに考えることをやめてしまった。しかし、ふと俺はある名案(迷案)を導き出した。それはつまり、夢。そうだ、これは夢なんだ!それなら納得できるぞ!夢から覚めたらまたいつもの病室にいる。そうに違いない!


ということで、俺は夢かどうかを確かめるべく試しに頬をつまんでみることにした。


「……………痛て!?」


するとどうだろう。痛かったのだ。痛いということは、夢ではないということだ。俺はそれを理解するのにしばらく時間を要し、それからしばらく放心状態になった。その後、もう一度一旦頭の中を整理した。


(夢じゃない……!?………あれ?というか、目線が妙に低い気が………)


眼前の景色に気を取られていたせいで自分の体に違和感があるのを全く気づいてなかった。目線が妙に低く、体が軽い。おまけに骨格もしっかりしており、死の直前とは思えないほどイキイキしていた。


(いや、ちょっとまて!どういうことだ?何が起きたんだ!?)


頭が混乱し始めた。そんな馬鹿な!と思いつつも自分の体を見回すが、身につけているものに見覚えがないのだ。和服と洋服を合わせて割ったような着物を着ており、どう見ても病院の服ではなかったのだ。


(えーと、それじゃあ、ここは夢ではなく、俺は天国にでもいるのか……?そんなバカな……)


頭から湯気が出ているような錯覚に陥る。実際、頭の思考回路がところどころ悲鳴を上げていた。普段頭を使っていなかったせいでこんなところで辛い目を見るとは思いもしなかった。それでも俺は必死に整理しようとしたが、やはり先に頭が悲鳴を上げ、頭を抱えこむように唸り声を上げ、そのまま座り込んでしまった。そのまま考え込んでいると、頭の中で声が響いたのだ。


『アナザーワールドようこそ、◯◯◯◯さん。私はアナザーワールドの案内人、グレイと申します。突然で驚きかもしれませんが、以後、お見知りおきを。』


(…ん?なんか、頭に声が響いてるような…頭使いすぎて幻聴でも聞こえ始めたのか…?)


急に流暢な女の人の声が響き、少し驚いたが、疲労のせいだろうと自分にそう言い聞かせた。これ以上、何か起きたらもう何もできないほどに頭に疲労が溜まっていたのだ。しかし、それは予想を裏切り淡々と話をすすめる。


『これは思念魔法による脳内回線です。魔法の固有名称は「テレパシー」と呼ばれています。幻聴ではございません。』


(あ、なんだ、テレパシーね。それなら納得。……え?テレパシー!?)


『はい。テレパシーです。』


当たり前のようにサラッと言い流すグレイ?という女性。俺は右から左に言葉が抜ける感覚を感じたが、その言葉が頭に入ってくるのに数十秒を要した。


「え?魔法だって!?」


『魔法でございます。あなたさまは、フォーマルワールド、つまり前世から転生されました。』


……だめだ。理解できない。なんとか理解しようと整理しようとするが、思考回路が限界を超えて、ついに俺は頭から地面に倒れ込んでしまった。


『驚かせてしまい、誠に申し訳ございません。簡単に説明をしますと、異世界に転生したということです。』


そんな姿を見ていたのか、グレイは非常に申し訳なさそうな声で言ってきた。それにしても、転生したのか俺…


(へー…転生…………え?転生!??)


またもや数十秒を要した。


『理解できないのも無理もありません。ですが、異世界に転生されたことは事実。このことはご理解をお願いします。』


丁寧に教えてくれるグレイさん。だが、今はそんな言葉は頭に入ってこない。まず、なぜ俺が転生したのかがわからない以上、本当に生きているのかどうかさえ怪しい。それぐらい俺の頭の中は混乱していた。すると、グレイさんはそれを予想していたかのように語りだした。


『あなたさまに来ていただいた理由は一つではありません。順を追って説明いたします。』


うーん、来た理由がわからないとなると、今後何をしたらいいかわからないから、すぐ教えてほしかったんだが、まあ後で教えると言っているし今はスルーしても大丈夫だろう。それよりも、さっきから俺の考えていることを的確に返事してくれているグレイさんはどうやって会話しているのだろう。


(そもそも、どうやって返事したらいいんだ?)


試しに俺も頭に声を投げかけるようなイメージで語ってみた。すると通じたのか、グレイさんが返事をしてくれた。


『今やられたように、頭の中に念じるだけで大丈夫です。』


なんと便利なんでしょう。俺はとても感動した。魔法とは、どうしてこんなに素晴らしいのだろうか。しかし今、優先すべきは現状把握だ。俺はグレイさんにいろいろ質問をした。


(早速ですが、グレイさん、この世界は俺のいた世界とは違うのでしょうか?)


『はい。この世界はあなたさまの世界とは違う時空列の中に存在する、地球でございます。わかりやすく説明いたしますと、……』


グレイさんは説明してくれた。曰く、この世界は俺が生きていた世界とは違い、魔法が存在するもう一つの地球だそうだ。元いた世界、つまり転生前の俺が、アナザーワールドの俺の遺伝子情報が近い者に憑依、つまり転生し、現在に至るということだ。


うむ、全くわからない。生きてるかどうかは微妙だが、心臓の鼓動がドクンドクンとうるさいくらい聞こえていた。これで死んでいたら………いや、今は整理しよう。


ところで、俺はふとアナザーワールドの、憑依前の俺について疑問がわいた。


『ご心配は無用です。説明させていただくと少し難しくなりますが……、パラレルワールドをご存知ですか?』


(パラレルワールド?もちろんだ。もしもが広がっている世界のことだろ?)


自信満々ではないが、結構な自信を乗っけて言ってみた。


『半分正解で、半分間違いです。パラレルワールドとは、もしの数だけ世界が存在していると言われていますが、実はそのもしもの世界は作ることが可能なのです。強いて言えば、一本のひもを2つに無理やり分ける感じでもしもの世界を作ることができるのです。この場合のもしもは、「もしもアナザーワールドのあなたさまが違うあなたさまだった世界」ということになります。』


うーん、全く理解できなかった。が、大体はわかった。つまり、こっちの世界の俺とは関係ない世界がまた作り出されたらしい。大丈夫かどうかは怪しいが、ひとまず安心した。俺の人生のために、この世界の俺の人生まで奪う訳にはいかないからな。


一先ず、俺はいつまでも地面に倒れていられないので、立ち上がる。


異世界か。まさか自分が転生するとは思わなかった。映画や漫画でよくある冒険ファンタジーの定番、それは異世界転生!俺は映画の主人公さながら何かをやり遂げ、何かを歴史に残し、名をはぜるのだとか夢想していた。小学生みたいだろ?でも、俺はこのシチュエーションには興奮を覚えた。そう思うと、俺はこの世界での生活にわくわくがとまらなくなり、顔に自然と笑みが浮かぶ。


やってやろう。俺がこの世界でどんなことをするかわからないが、自分ができることをできるだけやって、後悔しないように生きよう。それが転生した理由ならば、それを成すしかないだろう。


『ところで、あなたさまのお名前ですが、前世のお名前を使われても構いません。しかし、新たな人生をスタートしたいと望むならば、新しく名前を名乗ったほうがよろしいでしょう。』


思い出したようにグレイが語る。とは言え、なるほど。新しい人生をスタートさせるなら新しい名前でも考えたほうが良さげだ。自分で自分の名前を考えるのなんてゲームのキャラクターネームを考えたとき依頼だ。いろいろ考えていると、ふと思った。そもそもこの世界の俺に知人はいるのか?


『ご心配は無用です。言い忘れていましたが、私は世界の案内人にして、世界創造主です。人の記憶の改ざんなど、私にとっては当たり前なのです。事実、あなたさまを転生できたのも私の力のおかげです。』


と、恐ろしいことを口にした。世界の創造主だって?なんで当たり前のように言ってるんだこの人?は。でも、これで異世界から転生できたのも納得できるのだ。つまり、世界の創造主、グレイさんは本当になんでもできるのだろう。恐ろしい方だ。


これで心配もなくなった…といったら嘘になるが、俺はこれ以上うだうだしていたら損しそうでもったいないと思ったのだ。あとは心置きなく(色々混乱はしているが)異世界生活を満喫できそうだ。


こうして、俺の新たな人生が始まった

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