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憂鬱な日

作者: 睦月十八

 その日は、水色の絵の具で塗りつぶしたような晴天だった。

 小高い丘にある立派な家を眺めながら緑茶を飲み、その後、本を数冊積み重ねた机に突っ伏した。昼寝には最高の一日だ。しかし、数分すると時間が気になり始めた。なぜだか時間に追われている気がしてならないのだ。今度は外に出て、ベンチに座り、水の音、小鳥のさえずりとともに過ごした。風が服の隙間から入り込み暖かさと涼しさが共存している。あっという間に睡魔が襲い始めた。私は、大きな黒いリュックを抱え、今度はその上に突っ伏した。

 時間を知らせる鐘が鳴り、起きると先ほどまでは居なかった人々が歩いていた。そうか。そうだ。私が時間を気にする理由が判明した。友に会う約束をしていたのだ。友との約束の時間に間に合うが、私は予定時刻よりも早い行動ではなければいけない性分なのだ。急いで約束の場所に向かった。しかし、私は大事なことを忘れていた。貸すはずであった本を忘れたのだ。ああ。まただ。どうしようかと悩んでいると友がやってきた。彼もまた忘れっぽい性格のため、私に渡すはずであった本を忘れてきた。その日は次に会う日を決め、家へと戻った。帰り道、私は心の奥底で安心していた。いや、してしまったのだ。己の行動を悪ではないだろうと思い込むため、彼も同じ行動をしたのだからと安心させようとしたのだろう。空のように曇りがない心の中に、一筋の暗闇が差し込んできた。すると、その暗闇が徐々に侵食していく。階段を上り、電灯がチカチカしている廊下を経由して、扉の前についた。もうそこは、朝の清らかな世界とは異なり、薄暗い雰囲気に飲み込まれていた。

 私は床へ入り、一人で反省をしながら眠りについた。暗闇に光る星のように、明るい出来事はいくつもあるはずだが、それ以上に薄暗い感情に支配されたままであった。深夜二時頃、窓をたたく音が聞こえた。窓を開けるとそこには誰もおらず、ぼやけた世界が広がっているだけであった。幻聴なのか虫が窓に当たった音なのかはわからないが、風が涼しかったので、窓を開けたまま布団をかぶった。明日が来るのが怖くなり、空が明るくなるのが怖くなり、いつまでこのような生活をしなければならないのだろうか。終わる日が来るのだろうか。私には想像もできない。

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