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三人で俺達の部屋に行くと、少女は布団から体を起こし、寝ぼけ眼を擦っていた。
「起きたんだね。体調の方は?」
「ええ、もう大丈夫よ。迷惑かけたわね」
「喉、渇いてない?」
「そうね……。何かもらえるかしら」
「わかった」
お茶をコップに注ぎ、少女に手渡す。それを少女は勢いよく飲み干した。
「ぷはぁー。ありがと」
コップを受け取ると、舞依が耳打ちしてきた。
「本当にこいつがペンダントを直せるっていうの?」
「うん。そのはず」
コップを流しに置いて、少女に話しかける。
「一つ頼みたいことがあるんだけど」
「そういえばそんなこと言ってたわね。いくら?」
「ああ、いや、お金じゃなくて、一つ直してもらいたい物があるんだ」
環ちゃんが首に掛けているペンダントを指す。
「これなんだけど……」
「へぇ、趣味のいいペンダントじゃない。どこか欠けたり割れたりしてるの?見た感じだと、壊れているようには見えないけど」
環ちゃんは俺に目線を向けた。話しても大丈夫だと軽く頷いて伝えると、環ちゃんはペンダントのこと、そして俺達がここに居る経緯を少女に話した。
少女は真剣な面持ちで、その話を聞いていた。
「そのペンダント、触らせてもらってもいいかしら」
「うん。どうぞ」
環ちゃんがペンダントを外し、少女に手渡す。
少女の指がペンダントに触れた瞬間、少女は驚いたように息を呑み、駄菓子の当たりを引いた子どものように目を輝かせた。
「これ……!ねえ!これどこで手に入れたの!?」
ぐいと身を寄せてくる少女に、環ちゃんは戸惑いながら答える。
「ええと、ごめんなさい。そのペンダントに関する記憶はないの」
「そう……。そっちの二人は?なにか知らない?」
「あたし達は巻き込まれただけで、何も知らないわ」
「巻き込まれた……?なるほど……」
少女は一つ咳ばらいをした。




