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一通り部屋の中の目ぼしい所を探してみたが、環ちゃんのカードは見つからなかった。やっぱり持って行ったのだろうか。
ほどほどで切り上げて、下風姉妹の部屋に向かった。
インターホンを鳴らすと、少し間が空いた後、鍵が開く音がして扉が開いた。
「ずいぶん早かったわね」
低い位置から舞依の声がして、膝の辺りに目線を落とす。そうだった、今の舞依の姿は、幼稚園児くらいになっているんだった。舞依とは物心ついたころからの幼馴染だし、このくらいの年齢の舞依も知っているが、この頃の舞依はまだ口数が少なく、話しかけても淡白な返事しか返ってこなかった。姉妹の父が俺の父と親友で同僚だったこともあって、二人とは一緒にいる機会が多かったが、芽依ちゃんと違い、一人になりたがる舞依にどう接すればいいのか、その頃の俺は戸惑っていたっけか。今では俺が一方的に伸びてしまったが、この頃はまだ身長も同じくらいだった。




