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『他人に自分の力を貸し与える能力』どうやら、それが俺の超能力らしい。
自分の力?……含意が広すぎて、具体的にどんな能力なのか把握しかねる。筋力とか知力とかそういうことだろうか。ともかく、制御できるかどうかは分からないが、制御できなかったとしても危険な能力ではなさそうだ。
自分のカードを確認し、千ヶ崎君を探しに彼の部屋を訪ねた。
しかし、インターホンを押してしばらく経ってもなんの反応もない。
絆創膏はすぐに見つかる場所にあったし、もう自分の部屋に戻っていると思ったが、まだ俺の部屋に留まっているんだろうか。
部屋に戻ると、千ヶ崎君が肘を床に着いて寝そべりながらテレビを見ていた。
「あ、テレビ借りてます。俺の部屋テレビないんっすよ」
「千ヶ崎君。ちょっと手伝ってもらっていいかな」
「いいっすよ」
俺は財布から再び例のカード──超能力証明カードを取り出し、千ヶ崎君に見せた。
「このカードを全員分探すのを手伝ってほしいんだ」
それを聞いて、千ヶ崎君は目を大きく見開き、顔を寄せてきた。
「これって超能力っすか!?」
「うん。この世界には超能力があるみたいなんだ」
「もしかして、下風姉妹が暴走したのも超能力が関係してたんっすか?」
「うん。橘さんの超能力は『周囲の女性から好意を寄せられる能力』らしいんだ」
「うっわ、うらやましー!……っていうか、だったらあいつが超能力を使わなかったら済んでた話だったじゃないっすか。俺がケガすることもなかったし……」
「いや、橘さんに悪気があったわけじゃないんだ。超能力がコントロールできずに──っていうか、そういう能力を持ってることも知らなかったらしいから、橘さんを責めないであげてほしい」
「そっすか。まあ、それならしゃあないっすね」
「まだ皆の超能力が分からないから、とりあえず把握しておきたいんだ。また橘さんのときみたいなことがあっても、どんな超能力か知っていれば、なにか対策ができるだろうから」
「洸太と環ちゃんは大丈夫そっすか?今、図書館行ってますよね?」
「わからないけど、先に二人の超能力を知ってからの方がいい。多分、財布とか箪笥の中とか、そういうところに入ってるから」
「了解っす」
千ヶ崎君は意気揚々と部屋を出ていった。




