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人を背負って歩くのは、想像しているよりもずっときつい。それにこの日差しだ。まだ真夏の暑さには及ばないが、体のいたるところから汗が噴き出すには十分な暑さだ。
俺まで倒れてしまうんじゃないか──そんな危惧をしながら、やっとの思いでアパートに着いた。
少女は声を掛けても起きなかったから、靴を脱がせて、布団を敷いて寝かせた。
冷蔵庫にお茶があったのを思い出して、コップ二杯分を飲み干した。
「……ここどこ?」
少女が体を起こして、力なく呟いた。
「俺の部屋だよ」
答えながら別のコップにお茶を入れて、少女に差し出す。
「ありがとう。感謝するわ」
「もう一杯いる?」
「大丈夫」
空になったコップを受け取り、俺の使ったコップと一緒に洗う。
「体調は?」
「多少マシになったけど、まだ良くないわ」
「良くなるまでここで休んでていいよ」
「そうさせてもらうわね」




