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「環……さん。そのペンダントであたし達が居た世界に戻れないのかしら?」
「環でいいわ、舞依ちゃん」
「ちゃん付けで呼ぶのはやめて」
「しょうがないでしょ。姉妹だから名字で呼ぶわけにもいかないし、呼び捨てにする間柄でもないでしょう?」
「……わかったわ」
「さっき、ペンダントを使って、君達が居た世界に異ろうとしたんだけど、動かないの。うんともすんとも言わない」
「壊れているんだったら、直せないかな?」
環ちゃんは首を横に振った。
「ごめんなさい。直し方は分からないの。私はこのペンダントを使ってはいるけれど、原理も構造も何一つ分からない。分かるのは操作方法だけ。むしろ今まで壊れなかったのが幸運だっただけなのかも。壊れるタイミングが最悪だけどね」
『ひとつ、アドバイスをしてあげよう』
また、頭の中に声が響いた。軽薄で常に薄ら笑みを浮かべているような声が。




