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「ごめん。もうそろそろ帰らなきゃ」
気づけば、既に日が沈んでいた。そんな時間まで佐藤を引き留めてしまったことに少し申し訳なさを覚えた。
「そこら辺まで送っていくよ。もう少し話もしたいし」
「うん。ありがとう」
部屋を出ると、ちょうど帰ってきた中嶋先輩と鉢合わせた。
「あ、中嶋先輩」
「洸太君……と、佐藤君?」
「あ、はい。あの時は助けてくださってありがとうございます」
「俺にお礼を言われる資格はないよ……。それより、どうして二人が?」
「佐藤と友達になったんです。意外と話も合って」
僕がそう言うと、中嶋先輩は微笑んだ。
「そうなんだ。良かったね」
「あ、そうだ。僕になにか手伝えることはないですか?こっちの世界に来てから、元の世界に帰る手伝いがなにもできてないので……」
環さんにも言われたことだ。中嶋先輩に甘えない。これまで、この世界の環境に慣れることや通り魔のことに手一杯で、元の世界に帰る方法を探すことに頭が回らなかった。でも、それは中嶋先輩も──それだけじゃない。環さんや芽依さん達だって同じだ。微力でも、中嶋先輩の負担を減らせるなら、喜んで手伝おう。
「うーんと……」
中嶋先輩は顎に手をあてて考え込む。
「もう元の世界に帰る手筈は整えてあるし、手伝いは大丈夫かな。気持ちだけもらっておくよ」
「そう……ですか」
まさかそこまで話が進んでいるとは思わなかった……。何も力になれなかったことに歯がゆさを覚える。中嶋先輩が手伝いは不要だと言っている以上、僕から何かをするわけにもいかない。それは余計なお世話になってしまう。
「なにかあれば手伝ってもらうかもしれないから、そのときはよろしくね」
「はい!」




