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僕達は近くの土手に降ろされた。そこでようやく僕達を助けた人物が誰か判った。
スーツを着た背の高い男──筑波を倒したあの男だ。筑波を監視隊に引き渡してここに来たのだろう。また、間一髪のところをこの人に助けられた。
「……席を外してください」
「できません」
スーツの男は毅然とした態度で言い放つ。
「なら声が聞こえないところまで離れていてください。それくらいなら問題ないですよね。不審な行動が見えたら、こちらに来てもらって構いませんから」
「……はい」
男が背を向けて、数センチ宙に浮いた。
「あの」
「はい」
僕が声を掛けると、男は振り返って再び地面に降りた。
「二度も助けていただいて、ありがとうございました」
「いえ、助けていただいたのはむしろ私です。あなたがいらっしゃらなければ、私は間に合っていませんでした。感謝致します」
そう言い残し、男は二十メートル程離れた位置まで飛んで行った。




