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Judgment Mythologies  作者: 篠山 翔
佐伯洸太
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「どうしてここに……?」

「君が心配で……ついてきた……!」

佐藤を引き上げようと全身に力を込めるけど、無理だった。欄干がストッパーになり、僕が手を離さない限り佐藤が落ちることはないけど、僕の力では佐藤を引き上げることはできない。

「どうしてこんな真似するんだ!」

「……僕はゲンチオビオスの三十二人目の子供なんだよ。でも、僕には権力もほとんどないし、なんの取り柄もない。それなのに、金を持ってると思われて、これまで何度も犯罪に巻き込まれてきた。君も昨日今日で見てきたでしょ」

昨日は新井、アランフェス、安藤、筑波に。今日は筑波に。金銭目的で狙われるようなことが珍しいことじゃなく、日常的なことなのか──。

「僕なんかが生きていても、周りに迷惑が掛かるだけだから、死んだ方がいい。もう手を離して。君まで落ちてしまう」

「ふざけるな!」

疲れて力が緩みそうな手にもう一度力を込める。

「そんなの間違ってる!だって、君は優しいじゃないか!そうやって周りの人のことを考えている優しい人じゃないか!そんな人が死ななくちゃならないなんて間違ってる!悪いのは君じゃなくて君に悪意を向ける奴の方だ!それに、本当は死にたくないんでしょ!?さっきから──今だって手が震えてるじゃないか!」

まずい。指に力が入らない。踏ん張りきれずに、欄干からじわじわと身を乗り出していていってしまう。

絶対に離しちゃだめだ。この手だけは、絶対に──!

ずるん、と。踏ん張っていた足が宙に投げ出される。重力に逆らえず、垂直に落ちていく──。


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